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2012/06/20

眼窩は奥津城を恋しがる

 真っ暗闇の中、鮮烈な光の一閃。
 目を射抜き、心を刺し貫いて。

 原初、天に光があり、そこにいるオレを導いた。
 違う! 導いたのではなく、曝けだし、引き裂いたのだ。

 肉が切り裂かれる。

 違う! 劫初よりの齟齬にメスが入っただけのこと。
 そう、メスの煌めき!

 それに隠れる場所はなく、居場所もない。

 それは天のちょっとした過ち、それとも気紛れ、暇に業を煮やした悪戯。
 肉のズレは心の歪み。
 存在の無なる眼は深海に落ち、天球を睨む。

 歪んだ肉は時空を厭う。
 違う! 厭っているのは天のほうだ。
 そこにあってはならない。
 生じたこと自体が計算外。
 そうである以上は、速やかに退場を希われる。

 重なり合うことも閉じることもない、際限なく生な縫合。
 吐瀉物は曖昧の海に彷徨する。
 出逢いのない、孤独への旅。

 眼窩は奥津城を恋しがる。
 咽喉の奥の永劫の闇の彼方に見ているものは、瑕疵なき水晶宮。

[「原初の記憶それとも奥津城」(2012/6/18)を元に、一部手直し]

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