文章力の秘密?
自宅では、G・ガルシア=マルケス/著の『生き て、語り伝える』(旦敬介/訳 新潮 社)を、例によって牛歩だが、再読と言うこともあるのか、じっくりゆっくり味読している。
題名から察せられるように、自伝。
← G・ガルシア=マルケス/著『生き て、語り伝える』(旦敬介/訳 新潮 社)
とにかく語り口が、うまい。
と言うより、隔日に、ちびりちびりと読むのだが、ちょっとでも読み出すと、彼の世界に引き込まれてしまう。
表現や話の持って行き方に秘密があるに違いないのだが(だからこそ語り口が上手い、などと分かったような、当てずっぽな印象を呟くしかないのだが)、小生はただ味わうしか能がない。
『百年の孤独』などの世界への鍵となる自伝、なんてこと以前に、この自伝がそれ自体で素晴らしいのだ。
一方、車中では スティーヴンソン【作】の『 マーカイム・壜の小鬼 他五篇 』( 高松 雄一 高松 禎子【訳】 岩波文庫)を、牛歩どころかナメクジの歩みで読んでいる。
面白い、と言う以上にやはり、作家の文章力に魅せられている。
『ジキル博士とハイド氏 』(Dr.Jekyll and Mr.Hyde)や「 『宝島』で知られる作家スティーヴンソン。詩人ヴィヨンを主人公にした最初の短篇「その夜の宿」から、「水 車屋のウィル」、そして、タヒチに伝わる摩訶不思議な話を題材にした晩年の南海物「声たちの島」まで、怪奇 物、ユーモア物、奇譚など、散文の文体を徹底的に追求したストーリー・テラーが織り成す多彩なる短篇集」という出版社の謳い文句。
← ロバート・ルイス・バルフォア・スティーヴンソン (Robert Louis Balfour Stevenson)【作】『 マーカイム・壜の小鬼 他五篇 』( 高松 雄一 高松 禎子【訳】 岩波文庫)
別に異論はないが、ストーリーもだが、美は細部にありじゃないが、車中でのかじり読みという、読書には相応しくない環境にあっても、ほんの一段落も読まずとも、彼の世界、表現の直中に酔わされてしまう。
『ジキル博士とハイド氏 』もだが、 『宝島』などは、小生がガキの頃、小説で、あるいは漫画で何度となく接したものである。
今はどうなのだろう。忘れられた作家?
忘れられてはいないとしても、 『ジキル博士とハイド氏 』や 『宝島』の作家、子供の頃に夢中になるも、大人が敢えて読む作家とは見なされていないのではないか。
まだほんの一部を読みかじっただけだが、再認識を迫られる、読書体験になりそう。
車中じゃなく、自宅で読むべきか。
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