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2012/04/01

悪い奴ほど…

 金曜日は、(南)風こそ強かったものの、気温がグングン上がって、昼過ぎには二十℃を超えた。
 まさしく春の陽気。
 けれど、土曜日には冷たい雨が終日、降り続いて、日曜日には予報では、雪のマークも。

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→ 梅の木に僅かに咲いている花たち。ちょっと元気がない。梅の実の収穫は期待薄…

 もう買わなくて済むかと思っていたのに、余儀なく、土曜日、灯油を一缶分ほど購入。
 寒さ対策の点では一安心だが、もう寒いのは懲り懲りである。

 車中での待機中に読むつもりで、「ちくま文学の森 7 悪いやつの物語 」( 安野 光雅・森 毅・井上 ひさし・池内 紀 編 筑摩書房)を入手。

 井上ひさし氏による戯作風な解説も含めると五百頁近くある。
 一回の営業での待機中に五十頁程を読むとして、十営業くらいは持つかなと思っていたが、五回で読了。
 面白かったから…でもあるが、仕事が暇だったからというのが実情に近い。

9784480427373

← 「筑摩書房 ちくま文学の森 7 悪いやつの物語 / 安野 光雅・森 毅・井上 ひさし・池内 紀 編

 文学のテーマの一つに、究極の悪、悪人を描くことがあると小生は考えている。
 しかし、文学作品で心底、ここにこそ悪が描かれている! と感じさせられたことはない。
 心理や背景事情を描く中で、当該の人物に感情移入してしまうから? 
 それとも本当の悪はどんな文学者も描けない? 
 あるいは究極の悪など存在しない?
 本書『悪いやつの物語』を読んでも、慨嘆させられるような悪の世界には遭遇できなかった。

 そんなものを追い求めること自体が、筋違い?

 それでも、欧米の小説には、キリスト教の砂漠の神との対峙という切迫感が根底にあるようで、度し難い悪を前にしての無力感、不能感に近いものを覚えることはなきにしもあらずである。
 一方、日本の作家が描く悪人の世界は、最後には同情や哀れみの念に情緒的に余韻と共に尻切れトンボに終わってしまうことが多い気がする。

 AIJの責任者が国会に参考人招致され答弁していた。
 顧客から預かった千億もの年金の資金を運用に失敗して平然としている、その姿は腹立たしい限りだった。
 彼の年収は、7,000万円だとか。
 別に高いとは思いません、だって。
 天下りの役人の感覚って、こんなものなのね。
 こんな奴に高い金を払うくらいだったら、派遣やパートを何十人か雇うほうが余程、有意義だろう。
 悪人って、悪の自覚のない、世を睥睨して恥じない奴かも、なんて。

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→ ジョルジュ バタイユ著『文学と悪』 (山本 巧訳 ちくま学芸文庫) 「 文学にとって至高のものとは、悪の極限を掘りあてよう とすることではないのか…。エミリ・ブロンテ、ボードレール、ミシュレ、ウィリアム・ブレイク、サド、プルース ト、カフカ、ジュネという8人の作家を論じる」というが。(画像は、「Amazon.co.jp: 文学と悪 (ちくま学芸文庫): ジョルジュ バタイユ, Georges Bataille, 山本 功: 本」より)
 

 本書の所収作品を改めて紹介しておく:

「囈語」 山村暮鳥
「昼日中」 森鉄三
「老賊譚」 森鉄三
「鼠小僧次郎吉」 芥川龍之介
「女賊お君」 長谷川伸
「金庫破りと放火犯の話」 Pribeh O Kasari A Zhari カレル・チャペック(Karel Čapek)
「盗まれた白象」 The Stolen White Elephant マーク・トウェイン(Mark Twain)
「夏の愉しみ」 アルフォンス・アレ(Alphonse Allais)
「コーラス・ガール」 Хористка アントン・チェーホフ(Anton Chekhov)
「異本「アメリカの悲劇」 Another American Tragedy ジョン・コリア(John Collier)
「二壜のソース」 The Two Bottles of Relish ロード・ダンセイニ(Lord Dunsany)
「酒樽」 Le petit fut ギイ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant)
「殺し屋」 The Killers アーネスト・ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)
「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜粋」 三島由紀夫
「光る道」 檀一雄
「桜の森の満開の下」 坂口安吾
「女強盗」 菊池寛
「ナイチンゲールとばら」 The Nightingale and the Rose オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)
「カチカチ山」 太宰治
「手紙」 The Letter W・サマセット・モーム(W. Somerset Maugham)
「或る調書の一節 -対話」 谷崎潤一郎
「停車場で」 小泉八雲(Lafcadio Hearn)

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コメント

失礼いたしました。

・・・

・・・せっかくの1707071番を
踏んでしまいました・・・。

・・・失礼。

投稿: はもり こだま | 2012/04/01 18:28

はもり こだまさん

さすがですね、懐かしいキリ番を新聞紙番号で取る!
たまにきて、いいとこ取り。
こういう大きな数字でのキリ番って、何だかこちらも感激します。

投稿: やいっち | 2012/04/02 03:19

今回のキリ番は踏ませていただいたものの、
貴サイトのアクセス数の多さに
日々の積み重ねの重要さを感じます。

当サイトでのキリ番は右サイドバーのカウンターでは次回15051で100番ごとにチャンスがあるようです。

ページビューのカウンターですので、
キリ番を狙うのもまた一興かと思います。

本日、暴風雨の影響により、富山でトラックが2台橋で横転のニュースがあるようです。ご注意を。

投稿: はもりこだま | 2012/04/03 17:46

はもりこだまさん

昨日は(北日本は今日も)春の嵐、メイストームでした。
何故か富山はトラックの横転事故が多いなと思っていたら、風速39メートル以上を記録していた!
これじゃ、トラックなどは、大変。
多くは橋の上だった。吹きさらし。

サイト運営。
ホームページ(2001年開設)も合わせると、11年以上になる。
ネット参入は、1999年末なので、ネットとの関わりは13年以上。
日に一つの記事(日記)を書くとして、4500個以上の雑文をネットの世界に投じたことになる。
(但し、1989年の一月に、ワープロを買って以来、毎日、日記の形で雑文を書いてます。手書きの日記(これも毎日)は、十五歳からなので、半世紀以上。表現の場がメモ帳から日記帳、大学ノート、ワープロ、パソコン、モバイルと変遷しただけで、雑文書きは、半世紀以上なのです。)
言葉の数だけは少なくないので、ネット検索で我がサイトに遭遇する事が多いようです。
我がサイトを目当てにサイトを訪れる人が少しでも増えるよう、頑張ります。
お互い、楽しく頑張りましょう!

投稿: やいっち | 2012/04/04 23:00

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