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2012/03/04

白い紗の女

 不意に彼女が私の前に現れた。
 あの人だ。
 でもその姿がいつもと違う。

 仕事を意識した私服、外出着じゃなくて、それは明らかに私を誘う、私に声をかけられるのを意図した格好だった。
 白いヴェールのような、膝丈ほどの半透明の上っ張り。
 あからさまに云えばすけすけの紗を羽織っただけだった。

 肌の色も露わな後ろ姿。
 肉付きのいい体。
 真っ白なブラジャー、やはり真っ白なパンティが眩い。

 顔が見えなくとも、誰だか分かる。
 彼女はわざと顔を隠しているのか?
 でも、いったい誰から隠してる?

 幾ら鈍感な私でもさすがにモーションを仕掛けるしかなかった。
 彼女をそこまで追い詰めてしまった…

 ここは会社の中。廊下の曲がり角。
 いつ同僚が通りかからないとも限らない。
 早くあの人を誘い、人目の付かない場所に連れ込まないと。
 幾ら切羽詰まっているとはいえ、彼女の名誉にも関わる。
 こんな格好で会社の中をうろうろしてるのを見られたら、彼女はもう会社には居られない!

 私は彼女の肩を抱くようにしてその場を離れ、どこか適当な部屋はないかと探し始めた。
 今日、たった今、何とかしないといけないのだ。
 このチャンスを逃してはならない。

 生憎、どの部屋も塞がっていた。人の気配がしたり、鍵がかかっていたり。
 私は段々焦ってきた。
 早く彼女を抱きたい、彼女の体をまさぐりたい、その一心だった。
 
 やっと見つけた部屋は更衣室だった。  
 そこしか人気のない部屋は見つからなかったのである。
 私は、ロッカーの列を回り込んで、せめて廊下からは覗かれまいとした。
 
 しかし、時すでに遅く、同僚の一人が私たちの傍に立っているのだった。
 逡巡している間など、ありはしない。
 せっかちな私は彼と一緒に彼女を挟むようにして、両方から彼女の体を弄り始めた…

 その瞬間だった。
 ロッカールームには更に別の同僚がいるのだ。
 奴は、こんな所で…と、敢えて目線は避けつつも、私たちがどんな仕儀に及んでいるか、重々知悉していることをクールな横顔に感じさせるのだった。
 ああ、もう無理だ、折角のチャンスが潰え去った…そう思った瞬間、私は目覚めた。

 クソ!

参考にならない拙稿:
白いドレスの女

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夢・夢談義」カテゴリの記事

コメント

やいっちさん。

残念ながら?!(笑)
おはよう御座います。

今日は・・ちょっぴりドキドキ、
拝見させて頂きました(笑)

あはは。

わたしは、夢の続きが知りたくて
無理やり二度寝してみたりしたこと
ありましたが・・

なかなか上手くはいきません〜(悔)

投稿: のえるん | 2012/03/04 23:33

のえるんさん

すぐにもぬぐい去りたい夢もあれば、二度寝してでもその続きを見たい夢がありますね。

ホント、意図的に二度寝して夢の続きを見れたらどんなに素敵でしょう。
いや、見たい夢を見られたらもっと素敵?

でも、好き勝手に夢を見れないからこそ、現実の中で多少でも叶えようとするのかもしれないですね。

投稿: やいっち | 2012/03/05 21:22

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