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2012/03/06

果物(果実)の漢字表記のこと

 ひょんなことから「 桃栗三年柿八年枇杷(は早くて)十三年 」なんて言葉を知った。
「 桃栗三年柿八年 」ならば、さすがに小生も知っている。
 でも、その続きに、「 枇杷(は早くて)十三年 」 があったとは、半世紀以上も生きてきたけど、初耳である。

Img_20120301_09422511

← 我が家の裏道。雪解けが進み、ようやく普通に歩けるようになった!

 世間の人は皆、そんなことは常識に過ぎないのだろうか。

 それはさておき、これら果物ないしは果実の名称に絡んで、やや些末な疑問を抱いた。
 簡単な疑問で、ちょっと調べれば氷解するかもしれないが、或いは容易には片付かない、場合によっては厄介な疑問の可能性もある。

 なんだか勿体ぶっているようだが、その疑問とは、大概の(小生が知っているような)日本で入手或いは生産(栽培)可能な果実(果物)には漢字表記があるが、では最近小生が仕事の折に間食として口にするバナナには、漢字表記があるのか、である。

 冒頭に記したように、「桃」や「栗」は、ちゃんと漢字表記がある。
 ビワも漢字で表記するなら、「枇杷」という立派な表記があてがわれている。
 これらの 果物(果実)は、日本には古来よりあるもので、枇杷にしても古代、日本に持ち込まれたと考えれているようである。
 となると、名称が中国で付けられたのか、それとも日本なのかはともかく、とっくに漢字の表記があっても不思議はないわけである。
 
 参考のため、野菜も含めて 果物(果実)の漢字表記例を以下に列挙してみる:

無花果(いちじく) 棗(なつめ) 花梨(かりん) 杏(あんず) 桜桃(おうとう、さくらんぼ) 梅(うめ) 李(すもも、プラム) 油桃(あぶらもも、ネクタリン) 石榴(ざくろ) 夏蜜柑(なつみかん) 金柑(きんかん) 檸檬(れもん) 柚子(ゆず) 酸橘(すだち) 香母酢(かぼす) 山桃(やまもも) 木通(あけび) 甘蕉(かんしょう、バナナ) 実芭蕉(みばしょう、バナナ) 乳瓜(ちちうり、パパイヤ) 木瓜(もくか、パパイヤ) 茘枝(れいし、ライチー)

茄子(なす、なすび) 蕃茄(ばんか、トマトのこと) 夕顔(ゆうがお、かんぴょうの素材) 玉菜(たまな、キャベツのこと) 甘藍(かんらん、キャベツのこと) 冬瓜(とうがん) 白瓜(しろうり) 糸瓜(へちま) 苦瓜(にがうり、ゴーヤーのこと) 蔓茘枝(つるれいし、ニガウリのこと) 唐茄子(とうなす、カボチャのこと) 獅子唐(ししとう) 玉蜀黍(とうもろこし) 浅葱(あさつき) 分葱(わけぎ) 大蒜(にんにく) 韮(にら) 辣韭(らっきょう) 青梗菜(ちんげんさい) 体菜(たいさい) 小松菜(こまつな) 水菜(みずな) 壬生菜(みぶな) 牛蒡(ごぼう) 芥子菜(からしな) 高菜(たかな) 菠薐草(ほうれんそう) 法連草(ほうれんそう) 萵苣(ちしゃ、レタス・サンチュの類) 芹(せり) 三葉(みつば) 菊菜(きくな、しゅんぎくのこと) 筍(たけのこ) 茸(きのこ) 蕪(かぶ、かぶら) 茗荷(みょうが) 生姜(しょうが) 花椰菜(はなやさい、カリフラワー) 緑花椰菜(みどりはなやさい、ブロッコリーのこと) 朝鮮薊(ちょうせんあざみ、アーティチョーク) 火焔菜(かえんさい、テーブルビートのこと) 隠元豆(いんげんまめ) 鞘隠元(さやいんげん) 大豆(だいず) 黒豆(くろまめ、黒大豆) 枝豆(えだまめ、大豆と同じ) 小豆(あずき) 蚕豆(そらまめ) 空豆(そらまめ) 豌豆(えんどう) 鞘豌豆(さやえんどう) 落花生(らっかせい、ピーナツ) 南京豆(なんきんまめ、ピーナツ) 胡麻(ごま) 荏胡麻(えごま) 紫蘇(しそ) 大葉(おおば、青紫蘇) 慈姑(くわい) 里芋(さといも) 山芋(やまいも、やまのいも) 大和芋(やまといも) 自然薯(じねんじょ) 甘藷(かんしょ、さつまいも) 薩摩芋(さつまいも) 甘蔗(かんしょ、さとうきび) 米(こめ) 麦(むぎ) 小麦(こむぎ) 大麦(おおむぎ) 裸麦(はだかむぎ) 燕麦(えんばく、オート麦) 蕎麦(そば) 鳩麦(はとむぎ) 黍(きび) 粟(あわ) 稗(ひえ) 舞茸(まいたけ) 占地(しめじ) 榎茸(えのきだけ) 滑子(なめこ) 木耳(きくらげ) 松露(しょうろ) 西洋松露(せいようしょうろ、トリュフ)


 ではバナナには漢字表記があるのか。
 予想に反してと言うべきか、小生の教養が単に乏しいことを暴露したに過ぎないのか、 バナナにも「甘蕉、芭蕉実」という表記がある!

 バナナの漢字表記については、やや馴染みが薄いせいで、ピンと来なかった。
 それどころか、表記を確かめた今になっても、バナナを 「甘蕉、芭蕉実」と書くというのは、若干、抵抗を感じる。

 だって、 「芭蕉 (ばしょう)」って表記からバナナを想起できる ? !

 松尾芭蕉って、別名、松尾バナナ ? !

「イギリスでは、芭蕉を ジャパニーズ・バナナと呼んでいた」とか。
 
 俳聖の名前が ジャパニーズ・バナナじゃ、 何だか、興趣が萎えそうだ。

 尤も、 「芭蕉 (ばしょう)」なるサイトによると、バナナと 「芭蕉 (ばしょう)」とは、やや種類が異なるようだが。

 実を云うと、注意深い方は気づかれただろうが、上掲の事例集の中に、バナナ(関連)の表記も載っている。
「 甘蕉(かんしょう、バナナ) 実芭蕉(みばしょう、バナナ) 」とある。
 松尾芭蕉の家の庭に咲いていたのは、一体、どんな種類の芭蕉なのか。

 バナナが日本に持ち込まれたのは何時なのか分からないが、戦国時代末か江戸時代早々の頃か。
 日常的に馴染みになったのは、江戸時代も半ば以降のことなのか。
 だからまだ、バナナは今もってハバナで芭蕉(実)としては親しまれていないと理解すべきなのか。
 この辺り、再調査・再考の余地が大いにありそうである。

 ついでながら、漢字表記のあてがわれていない野菜や果物はあるのだろうか?
 あるとして、それ(ら)は、いったい、何?

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コメント

吉本ばななって、吉本実芭蕉ってこと?これで文体が変わりそうですね。

投稿: pfaelzerwein | 2012/03/07 07:29

やいっちさん

松尾バナナ・・
に、大爆笑です!
面白過ぎて、お腹が痛ぁい。
笑うところじゃ無いのかも?
なんですが(笑)
でも、だけど!
ツボにはまってしまいました。
ごめんなさい。

そして、お野菜や果物に
色んな別名が存在するなんて。
改めて勉強になりました。
国名なんかも、
そんな類なんでしょうか??


裏道のお写真、拝見しました♪
まだ少し雪が残っている様子ですね!

どうぞ足元には、
くれぐれもお気を付けくださいね。


投稿: のえるん | 2012/03/07 19:08

pfaelzerweinさん

吉本ばななが、吉本芭蕉、あるいは松尾芭蕉が松尾ばななだったりすると、表現する姿勢、自覚、随分と違っちゃいそうです。
名前、やはり、大事ですね。

投稿: やいっち | 2012/03/07 22:10

のえるんさん

松尾バナナ…!
こんな名前じゃ、地味ある俳句は生まれそうになさそう。
…というか、全く違う、世界を生み出していた!?

野菜や果物の漢字の名称、それぞれに調べると面白そう。
一冊の本がすぐに生まれそうです。

国名(外国)の付け方も興味のあるところです。
明治の世に誰がどんなつもりで漢字表記をあてがったのか、調べると面白そうです。

投稿: やいっち | 2012/03/07 22:20

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