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2012/03/09

自殺者14年連続3万人

 今日昼前だったか、「 自殺者:14年連続3万人超 震災関連で55人 」(毎日新聞)といったニュースがテレビから(ニュースの詳細は、末尾に示す)。

Jisatsusha_suii

↑ 「 参考資料 :警察庁発表 自殺者数の統計

 当局など関係者の努力もあってか、自殺者数は一昨年から減少傾向にあった。
 震災がなければ、昨年度は3万人を下回っていたかもしれない。
 それにしても自殺者が3万人以上というのは、あまりに悲惨な現実だ。


 報道にあるように(上掲の表に見られるように)、自殺者の数は1998年度に急激に増加した。
 2万4千人あまりから、3万3千人近くへ、一気に3割以上も増えたのである。
 これは異常な増え方だし、97年か98年に何か異常な事態があったと、誰しも勘ぐらざるを得ないだろう。

 先ずは、1990年にバブルが弾けたことを理由に挙げるべきだろう。
 ただし、自殺者の統計表に見られるように、90年数からの数年は自殺者数に目立った変化は見られない。
 実は、バブル経済が弾けたといっても、実際には風船の破裂するように、一気に弾けたわけではない。
 最初は華やかだった一部の連中が急に大人しくなったと、他人事のように眺められていた。
 一般社会全般にバブル経済崩壊の脅威が浸透し、深刻さが認識されるに至るには数年の推移があった。
 詳しくは、「 バブル景気 - Wikipedia 」を参照願いたい。

 それでも、景気の方は、95年前後には年率数パーセントの経済成長が見られるようになり、持ち直したかのような錯覚に陥った。
 しかし、バブル経済の崩壊現象はまだ序章に過ぎなかった。
 国の財政状況も悪化していたが、建設業も金融界も、深い傷を負っていて、今にも破裂しそうだった。
 実体経済は青色吐息だったのだ。
 が国あるいは大蔵省(当時)は、実体経済の疲弊を尻目に、自分たちの、つまりは国の財政状況の悪化を改善させることに汲々とし、消費税のアップ(3から5%へ)を決定。
 98年に特別減税の取り止めなどと併せ、消費税をアップした。
 これらの大蔵省の言いなりとしか言いようのない、政府の施策(橋本内閣の行革・財政再建という名の緊縮政策)が弱りかけ本当は瀕死の状態だった日本の経済に留めを刺したのである。

 当時、不幸な偶然(と言い切っていいのか分からないが)が重なった。
 アジアにおける通貨危機である。

「アジアでも特に著しい経済力を持つ日本は、大口取引先である地域の通貨危機の打撃を正面から受けた。バブル崩壊後、ようやく内 需主導の回復途上にあった日本経済だが、自民党橋本政権下における緊縮財政にアジア通貨危機が追い打ちをかけ1998年には遂に実 質マイナス成長に転じた」。

 タクシー業界は、景気に敏感な業界の典型である。
 タクシー業界が構造不況業種に陥ったのは、不況で客が減っているのに、規制緩和でタクシーの台数が増えた、などと云われることがある。
 実際には、規制緩和が喧伝される以前に、1998年8月から一気に不況の波に呑み込まれてしまっていた。
 タクシーの規制緩和は、どん底のタクシー業界の不景気を定着させるよう作用したのである。

 小生は95年の秋からタクシー業界に身を投じた。
 目の回るような忙しさだった。
 それが、98年の8月から駅などに空車のタクシーの列が延々と連なるようになったものだった。
 消費税のアップの際の駆け込み需要が一段落した8月から、タクシー業界のみならず、日本が長いトンネルに突入してしまったのである。
 当時東京の夜は火の(灯の)消えたように寂しくなった。
 夜の街を走る車というと、空車のタクシーがほとんど、という状況だった。

 国が政策(を打つタイミング)を誤ると、国の経済も社会も落ち込んでしまう。

 だからと言って、小生が目下の焦点となっている、消費税のアップに反対だと云う訳じゃない。
 これはこれで別の議論となる。

 さて、最後に肝腎のニュースを示しておく。

 

自殺者:14年連続3万人超 震災関連で55人 」(毎日新聞):

内閣府と警察庁は9日、11年の自殺統計(確定値)を公表した。自殺者数は3万651人で前年より1039人減少したものの、98年から14年連続で3万人を超え た。統計を分析した内閣府は5月に自殺者数が急増したことを特徴に挙げ、「東日本大震災を背景とする経済的なリスクの広がりが原因」との見方を示した。避難所や仮設住 宅で発見されたことなどから、震災に関連する自殺と判断されたのは55人だった。
5月の自殺者数は3375人で、4月を24%上回り、年間を通じて最も多かった。内閣府によると、ピークは3〜4月や秋にくるのが例年の傾向という。5月の状況を4 月と比較すると、年齢別では30代が44%増、職業別では「被雇用者・勤め人」が40%増加した。動機・原因別では男性の「経済・生活問題」が27%増と目立った。
内閣府は、こうした統計に加え(1)自治体へのヒアリングで震災による経済の悪化を指摘する声が寄せられた(2)5月に倒産件数の増加を示すデータがある−−ことなど を理由に、震災が経済に悪影響を与えたことが5月の自殺急増に関係したとみている。
一方、5月は20〜40代の女性の自殺者が4月より45%も多く、特に5月12日から急増していた。8月まで内閣府参与として政府の自殺対策に関わった清水康之・ラ イフリンク代表は、24歳の女性タレントが同日に亡くなったと報じられたことに着目し、「過剰な自殺報道の影響が大きかった」と指摘している。
11年の自殺者のうち男性は2万955人、女性は9696人で女性が32%を占め、14年ぶりに女性の割合が3割を超えた。年代別では19歳以下が622人と前年を 13%上回り、若年層の増加も目立った。【鮎川耕史】
                     2012年03月09日 11時19分

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コメント

自殺、これ、鬱を患ってたとき、学生時代にやろうとしたけどなかなか出来ない。
ビルから飛び降りようとしたら、昼なのに下に暗闇が見えた。
けどうちの親戚では小さな子供残して自殺した人もいる。
遺された人のことを思えって、病気なんだからー。
なんかいのちの電話は混雑しててつながらないとか、まあ死にたい人が大勢いる国だ。
なんか同じ気持ちの人、鬱なら鬱の自助グループとかがもっと普及すればなと思います。

投稿: oki | 2012/03/09 22:24

やいっちさん

こんばんは。

改めて・・衝撃的な数値ですね。
しかし悲しみと同時に、
他人事ではないという恐怖も感じる。
自分にも、いつ降りかかるかもや解らない。

今日は、色々と考えさせられるテーマですね。


投稿: のえるん | 2012/03/10 02:05

okisさん

自殺者は、予備軍も含めると想像以上、いるのでしょう。
身近な自殺者は、頭が良く、神経が細やかで、まじめな奴。

神経衰弱の悪循環に陥ると抜け出すのは至難のワザなのでしょう。
そこに経済的打撃が追い討ちをする。

それにしても、98年の突然の急増は、国家の政策の間違いだったのは明らか気がします。

投稿: やいっち | 2012/03/11 22:00

のえるんさん

悲惨な現実は東日本の震災の有無に関係なく、常に横たわっています。
そうした現実は決して他人ごとじゃない。
真面目で優しい人ほどそのリスクが高まる。

平凡で当たり前な日常を送れる有り難さを思うだけです。

投稿: やいっち | 2012/03/11 22:09

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