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2012/02/18

感覚は嘘をつかない

 包まれているのか、覆われているのか。
 膿みが瘡蓋になっているだけなのか。

 何も見えない。何も感じない。
 真っ白…というより蒼白の空。
 雪のせいなんかじゃない。

 内と外とが境目も腐れ果てて、浸潤し合っている。
 私は真っ逆様に落ち、何処までも上り詰めていく。

 終わりのない旅、止め処ない坂、木霊の返らぬ叫び。
 腸はじくじくと蕩け、骨はしがらみにへばりつく。
 指の先の、届かぬはずの皮膚までがべったりと木に張り付き、地に目合う。

 真っ赤な闇が優しげに寄り添っている。
 火照った血肉を愛おしむメスの煌めき。
 切り裂かれた肉の欠片は地に蠢いている。

 断末魔の悦楽に気もふれそうだ。

 私は古びた花瓶、半透明の段ボール箱の中で喚きたいと希う金魚、池のメダカに恋するカラス、天から滴り落ちる血の雫、 眼球を嚥下(えんげ)する愉楽。

 右も左も分からない。
 あるのは、掴み所のない想念。
 …思いのほかの傷の疼き。

 感覚は嘘をつかない。
 ただ、肉の身と齟齬しているだけ。

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