『ストロングボーとイーフェの結婚』とケルト
鶴岡 真弓 著の『 ケルト/装飾的思考 』(ちくま学芸文 庫)を読んでいたら、興味深い絵画作品に遭遇。
← マクリース画『ストロングボーとイーフェ(またはイーファ、オイフェ)の結婚』(The Marriage of Strongbow and Aoife (1854) by Daniel Maclise (1906-1870) Photo (c) National Gallery of Ireland)
作品自体が見事だとか好みに合っているとかではない。
ケルト民族、あるいはアイルランドの歴史において、屈辱と不遇、艱難辛苦の時代を描く、テーマにおいてエポックな作品なのである。
イーフェはアイルランドの レンスター王ダーマッ ト・マクマローの娘。
レンスター王ダーマッ ト・マクマローは敵に追われイギリス王ヘンリ一2世に助けを求めた。
敵に追われたからと、他民族の援助を請う、そのために娘を結婚させたのだった。
つまり、王領の継承権約するため、人質として娘を差し出した。
こうした愚策が、ついには 英国 のアイルランドに対する政治的介入の始まりという結果を招く。
上掲の画像は、その婚礼の場面を描いたものである。
詳細は省くが、 鶴岡 真弓 著の『 ケルト/装飾的思考 』にあるように、マクリースの作品にはケルトのモチーフが多数、描き込まれている。
ケルト世界への関心は、一方においては、ヨーロッパにおけるギリシャ・ローマ文化の流れとおは異なる源流に淵源しているそのことによるが、同時に縄文文化との相関を思わざるを得ないからでもある。
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