連休中にケルアック『オン・ザ・ロード』読了(前編)
お昼過ぎには、早朝、懸命に雪掻きや庭木の雪下ろしをしたのがバカに思えるような、天候になってくれた。
暖かいわけじゃないが、とりあえずは十数センチほどの積雪の雪が溶けてくれる。
気温が低くて、日中でも凍結が心配、ということはなかった。
もっとも、翌25日の未明からは新たな寒波がやってきて、一気に雪に埋もれていく…という予報が出ている。
過日より読み始めていた、ジャック・ケルアック著の『オン・ザ・ロード』(青山南訳 河出文庫)を、連休最後の日の前日、つまり、昨夜、一気に読み終えた。
茶の間で読み、夜、十時を回ったので寝室に篭り、さらに続きを読んだ。
若い頃のように、読み出したら最後まで休みなく、なんてことはできなかった。
十数頁読むと、目を閉じ、妄想・瞑想に耽り、また、サイドテーブルの上に置いた文庫本を手にし、読み続ける、を何度、繰り返したことか。
← 富山点景。同日同場所にて。樹木は吹き荒ぶ風、積もる雪に悲惨な樹形を示している。標高は約80メートルほど。
読了したのは、未明の三時頃だったか。
素晴らしい本だった。
もっと若い頃、二十代とは言わないまでも、せめて三十代の半ばくらいまでには出合って、読み倒したかった。
18歳からのドストエフスキー(や埴谷雄高、ヴィトゲンシュタイン)への惑溺は別格として、24歳の頃、当時、居住していた高輪の一室から、宵闇に誘われるようにして、乾く心を抑えきれず、でも、何も出来ない小生は、近隣を散歩。
そのついでにぶらっと立ち寄った古書店で、セリーヌの『夜の果てへの旅』と出合った。
まさに出会いで、文学的な衝撃を受けた。
それから『ロモラ』などのョージ・エリオット作品群や『百年の孤独』などのガブリエル・ガルシア=マルケス、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』との再会・再発見、フローベールやトルストイ、『魔の山』マンの再発見、ル・クレジオやポール・オースターなどいろいろあったが、ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロー』もまた、出合いの一つであり、衝撃を受けた作品(作家)として自分の中で銘記されるだろう。
繰言になるが、やはりもっと若くて体力があるうちに読んでいたらと悔やまれてしまう。
→ 何かの石碑が丘の上に。仕事の最中で、仔細を確かめることはできなかった。
用事があったので、市内のデパートへ、それこそ自転車を駆って、とも思ったが、車道の雪はほぼ消えているが、歩道は、シャーベット状だったりして、自転車走行にはやや危険が伴う。
朝、せっせと雪をどかした車(外出する頃には、雪が溶け出したので、そんな朝の作業は無意味・無為となった!)に乗り、街へ。
用事というのは、注文しておいた本が届いたので、引き取りに行ったのだ。
ついでに、車中などで待機中に読むための文庫本も何冊か物色するつもりだった。
注文していた本というのは、オリヴァー・サックス著の『タングステンおじさん』である。
図書館から借り出して、少なくとも二回は既に読んでいる。
でも、改めて読みたいし、座右に置いておきたいと前々から思っていたのだ。
書店に立ち寄るたびに物色するが見当たらない。
とうとう、注文することにしたのである。
← オリヴァー・サックス著『タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代』(斉藤隆央訳、早川書房) 愛書の一冊。
同書は、ある意味、自分の子供の頃がそうであったらいいなー、でも、実際はサックスとは比べ物にならない平凡な幼少年期だった。
その点、サックスは知的有能ぶりを幼い頃から存分に発揮する。
ある意味、胸の中に密かに抱いているヒーロー像なのである。
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コメント
毎度です。
何度も書きこみすみません。
『オン・ザ・ロード』いいですよね。
自分が感動した本を、人が褒めていると嬉しいですね。
青山南の訳は素晴らしいですが、できれば原書に当たりたい作品。
スラングとか、若者言葉とか、ビート・ジェネレーションとかおもしろそう。
ただ、小説書かないと行けないので、小回りが利かないのですが……。
投稿: 瀧野信一 | 2012/01/25 03:00
瀧野信一さん
『オン・ザ・ロード』は素晴らしかったです。
ホント、もっと若いうちに出会いたかった小説ですね。
原書で読みたい本ですね。ケルアックは、フランス語が母語で、英語は外国語なのだとか(無論、英語も堪能ですが)。
なので、英語もフランス語も読める瀧野信一さんこそ、楽しめるのかも。
創作のほう、頑張ってくださいね。
小生は、雑文書きに徹しています。
投稿: やいっち | 2012/01/25 20:48