『サルガッソーの広い海』あるいはジェイン・エア異聞(前編)
池澤夏樹編集の「世界文学全集」Ⅱ-01(河出書房新社)所収のヴァージニア・ウルフ 『灯台へ』 (鴻巣友季子翻訳)に引き続き、ジーン・リース作の『サルガッソーの広い海』(小沢 瑞穂訳)を読了した。
→ 我が母校(高校)の正門。今年の二月末に撮影。校舎は、高校三年の5月に全焼し、門や校庭に僅かに昔を偲ぶだけ。入学した年の夏だったかに、C・ブロンテの『ジェイン・エア』を読んで感激。文学や哲学関連の本を読み漁るようになった。
ヴァージニア・ウルフ 作の『灯台へ』を巡っては、周辺散策的に若干のことをメモしておいた。
ジーン・リース作の『サルガッソーの広い海』は、小生は、作家の名も含め、全く未知だった。
このように、二人の作家の作品が収められている形でなければ、ずっと知らないままの作家(作品)だっただろう。
書店で、上掲書を買う際、そもそも、ヴァージニア・ウルフ の『灯台へ』などの作品を読みたくてだった。大きな書店だったので、文庫本のコーナーには、ヴァージニア・ウルフ 『灯台へ』単独の文庫も鎮座していた。
でも、敢えて、上掲の本を買った。
それは、本書の折り込み広告で、池澤夏樹の言葉として、「ぼくがこの作品を選んだ理由」が載っていて、『サルガッソーの広い海』について、以下のような(小生にとっては)殺し文句があったからだ:
翻訳が時代ごとに更新されるように、小説が小説によって上書きあsれることもある。名作『ジェイン・エア』を読んだ者は『サルガッソーの広い海』を読まなければならない(逆の順序でもいいけれど)。なぜならば、前者には過去のイギリスがあり、後者には現在の世界があるから。
← C・ブロンテ (著)『ジェーン・エア (上)』 (大久保 康雄訳 新潮文庫) (画像は、「Amazon.co.jp」より)
人に指図されて(あるいは推薦されて)素直に読むほど、暇でも物好きでもない。
しかし、名作『ジェイン・エア』とどんな形であれ、絡むとなれば、話は別である。
何しろ、ジーン・リース作の『サルガッソーの広い海』の翻訳(小沢 瑞穂訳)にあたっては、「一九七三年に刊行された先行訳『広い藻の海――ジェイン・エア異聞』(篠田綾子訳)を参照させて頂きました」というのである。
「ジェイン・エア異聞」となると、聞き捨てならない。
以前、ブログ日記でも綴ったことがあるが、小生は、少々大げさな表現をさせてもらうと、『ジェイン・エア』で、初めて本物の文学に開眼させられたからである。
それまで読んできたどんな内外の文学作品とも次元が違うことを痛感させられた。
タイミング的なものもあったのかもしれないが、以降、SFなどの娯楽系統の作品は手が出なくなってしまった。
その『ジェイン・エア』異聞だというのだ。
一体、どういう意味なのか。
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