「流し」から「無線」、そしてGPSへ(後編)
さて、迎車(無線)営業という方式を取るには、前提がある。
それは無線設備の完備…ではなく(それは当たり前)、GPS装置、あるいはGPS管理システムの完備である。
タクシーは、GPS装置で、会社に位置が常時、把握されている。
← クリスマス寒波! イブの日の朝には、一気に雪景色に。朝方は、路面は雪も凍結していて、スノータイヤでも、滑る滑る。怖かった。
会社の無線配車室には、何台もの大きな液晶画面のパソコンが設置されていて、街の街路や車の動きが、細かく表示される。
無論、タクシーには、それぞれ号車番号が付されているが、その番号で画面に位置表示される。
空車か実車かの区別はもちろんだが、迎車状態かどうかも表示される(会社側が把握できている)。
お客さんに呼ばれる際、会社(の無線室)から、無線でドライバーに指示が飛ぶ。
声によって、どこどこの交差点の先一本目の路地を左に曲がり、最初の十字路を過ぎた、右側三件目の誰某(だれそれ)さんの家へ向かって、といった指示が無線で入ってくる。
あるいは、GPS装置に、家や店の住所や店名などが表示される。
→ 今日、早速、雪下ろしを少々。庭木の剪定が甘く、雪が積もりやすいと分かったので、雪の中、剪定ハサミで庭木の刈り込み作業に取り組んだ。カエデにはまだ赤っぽい葉っぱが残っているのだが。
このGPS装置は、ドライバーもそれなりに使うメリットがある。
富山を数十個のエリアに分け、それぞれに番号が付されている。
そのエリアに空車が何台あるかが把握できるようになっている。
お客さんが多そうな(あるいは無線配車が多そうな)地区に空車のタクシーがほかにないと分かれば、そのエリアへ向かい、その地区で待機し、無線を待つ、なんて手法で営業することも可能である。
小生などは、無線で(声で)行き先を運転中に指示されても、運転と指示とがごっちゃになって、行き先を良く把握できなくなったりする。
そんな時、GPS装置の液晶画面にお客さんの住所が表示されていると、随分助かる。
小生はカーナビを使っているので、カーナビで住所検索が可能なのである(ほかに、名称検索、電話番号検索など)。
住所(店の名)さえ分かれば、ピンポイントで目的地が表示され、場合によっては、ルートも表示可能なわけである。
← 明日の母の月命日のため、庭の寒菊や山茶花を摘んできて、仏壇に供えた。あとは、仏飯や果物を供える。一人きりのお勤めになりそうだが。
一方、このGPSとミックスされた無線システムには、結構、しんどいところもある。
上記したように、GPSで、全車の位置情報が会社側に把握されている。
どの番号(ドライバー)の車が何処の公園で休んでいるか、どの店の前で待機しているか、どんなルートを通って目的地へ向かっているかが、ほぼ完璧に把握されているのである。
ドライバーは、営業の裁量が任されているとはいえ、位置が把握されていることで、息が抜けない。
休憩していても、会社から必要と判断すれば、断固、無線での指示が飛ばされるのである。
万が一、トイレなどで無線配車の指示に気づかないと、会社(配車室の係員)は、ほかの(次にお客さんの店に近い)人に回すだけである。
なので、うっかりトイレも行けない。
ホントに休憩する場合は、「休憩」登録すればいい。
すると、さすがに無線は来ない。
でも、どこの公園で長逗留しているかは、しっかり会社が把握しているので、何か不審の点があれば、あとで会社側に問い質されたりするのである。
小生、東京在住時代、タクシー業界に飛び込んだのは、仕事のフリー感にあった。営業所を一旦、出たなら、あとはドライバーの裁量次第。自由。だからこそ、思いついた場所で休憩し、面白いと感じた風景の写真を撮ったり、エッセイのネタを探したりした。
できた。
→ 玄関にも、庭から摘んできた山茶花や寒菊を生けてみた。来客が気づくかどうか…。
でも、富山は無線仕事がメイン。タクシー(ドライバー)の位置情報は会社に把握されている。そもそも富山市で営業する限り、ドライバーが移動しえる範囲自体が限られている。
自由感が全くない。窒息しそう。
仕事は仕事なのだが(それなりに社会貢献の一端くらいは担っていると思うのだが)、エッセイを綴る意欲が湧かないのは事実だ。
ある程度は想像できたことだが、何とか打開の道を探らないと。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 富山は与党が楽勝なのか(2024.10.10)
- 真夜中過ぎに創作(2024.10.08)
- 肩が痛い腰が痛い(2024.10.07)
- 白湯健康法?(2024.10.06)
- ウイルスソフト更新しろって(2024.10.02)
「タクシーエッセイ」カテゴリの記事
- 富山は与党が楽勝なのか(2024.10.10)
- 肩が痛い腰が痛い(2024.10.07)
- 白湯健康法?(2024.10.06)
- 手遅れと分かっていても(2024.09.30)
- 今夏はなんとか乗り切ったが…(2024.09.26)
「写真日記」カテゴリの記事
- 肩が痛い腰が痛い(2024.10.07)
- 白湯健康法?(2024.10.06)
- ウイルスソフト更新しろって(2024.10.02)
- 生け垣の補修はしたものの(2024.10.01)
- 手遅れと分かっていても(2024.09.30)
コメント
ほう、営業所にタクシーの位置まで監視されているとは、富山とか地方独特なのかな?
昨日近距離でタクシー乗りましたが、深夜早朝割増しないとのこと、運転手も競争が激しいからと言ってました。
Gpsとかあると道が分からないで遠回りして料金高く請求したなんてトラブルの元ですね。
話題変わって、週刊朝日最新号、あなたは幸福ですか?が冒頭。
ある意味僕も幸福だなと、弥一さんはいかが?
投稿: oki | 2011/12/27 21:41
okiさん
GPS装置と無線を組み合わせた配車は、富山だけのものじゃありません。
というより、GPS装置が実用化され導入された段階で、各社競って導入しているのでは。
空車のタクシーを効率的に配車するためには、いまや必要不可欠のシステムでしょう。
東京在住時代、小生が勤めていたタクシー会社でも、最後の一二年に導入されつつありました。
全タクシーにカーナビが設置され、GPSと無線が組み合わされ、会社が顧客から配車の依頼を受けると、会社はGPSで顧客に一番近い空車を探し出す。
同時に、カーナビに指示が行く。
カーナビには顧客の位置情報、当該のタクシーが顧客の現在地へ向かうルートなどが表示されます。
小生が現在いる会社にはカーナビはありませんから、ある意味、今の会社より進んだシステムが数年前の当時、既に実用化されていました。
小生が、東京において、法人タクシーに勤める意欲が萎えたのは、タクシー稼業の自由感がなくなったから、というのも、動機として大きかったような。
とはいっても、お客さんに少しでもタクシーの配車を、ということを考えると、GPS配車システムは、必要不可欠のものでしょう。
覚悟はしていたけど、息が抜けない、自由感のないタクシー稼業です。
幸福感、皆無です。
投稿: やいっち | 2011/12/27 22:24