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2011/11/23

『RAILWAYS』あるいは富山を舞台の映画(前編)

 一昨年だったか、映画『劒岳 点の記』(監督:木村大作 2009年)を観た。
 映画の素晴らしさは言うまでもない。
 舞台は、富山県の雄峰・剣岳である。

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← 青木 新門【著】『納棺夫日記』(文春文庫)

 ただ、映画館のスクリーンの画質に、終始、戸惑いを覚えた…なんて、感想は、既にブログの日記にて書いている。

 近年、富山県知事の肝いりなのか、そのあたりの事情は分からないが、富山を舞台とする映画が増えている。
 事情の少なくとも一端は、映画『おくりびと』(監督:滝田洋二郎 2008年)にあるような気がする(多分、ある程度は、当たっているだろう)。

 この映画の原作は、青木新門著の『納棺夫日記』で、この作家は、富山県(下新川郡入善町)出身だし、作品の舞台も、彼が納棺専従社員(納棺夫)として従事した地である富山のはずだった。
 けれど、映画は、原作者(←微妙か)の意向もあり、原作とは全く別の物語として成った。
 小生自身、原作(?)の『納棺夫日記』は、十数年前だったか、なぜか仏壇の脇に置いてあったので、富山の作家の作品ということもあって、興味津々で読んだものだった(映画『おくりびと』も観ている)。

「本木雅弘が、1996年に青木新門・著『納棺夫日記』を読んで感銘を受け、青木新門宅を自ら訪れ、映画化の許可を得た。その後、脚本を青木に見せると、舞台・ロケ地が富山ではなく、山形になっていたことや物語の結末の相違、また本人の宗教観などが反映されていないことなどから当初は映画化を拒否される」といった事情があったのだ。

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→ 決して、映画のロケ地じゃありません。我が家の内庭(築山)!

 この映画『おくりびと』が全国的な大ヒットとなった、原作者(ぎりぎり)が富山の人間だし、原作の舞台は富山なのに、映画の舞台となったのは、山形。
 山形への観光客がどっと増えたのは、言うまでもないが、それが富山県人としては悔しいわけである(ローカルな者特有のひがみもある)。

 小生の勝手な憶測では、山形は、小生も好きな作家の一人である、藤沢周平の生地であり、彼の書く小説の舞台は、山形。映画も(設定はともかく)撮影の舞台は、(多くが)山形ということで、山形がクローズアップされたという、既に大いなる先鞭があったのだ、と思う。

 まあ、それはそれとして、映画『おくりびと』が全国的な大ヒットとなった、その結果(だけではないと思うが)、山形がクローズアップされ、風光明媚なる山形への観光客が増えたのを、指を銜えてただ見ているだけでは済まない。
 映画が話題になれば、映画の舞台たる当地も話題になり、観光客を誘致できるし、富山が全国的に脚光を浴びるだろう…。
 
 ということで、例えば今、映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(監督:蔵方政俊 2011年)が上映中だが、少なくとも富山においては、この映画の話題で持ちきりである…というか、なんとか全国的なヒットを希(こいねが)っているのである。

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← 『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』 (画像は、「作品情報 - 映画.com」より)

定年退職を1か月後に控えた電車の運転士の滝島徹は、妻の佐和子から結婚を機に辞めていた看護師の仕事を再開すると宣言される。二人は口論となり、佐和子は家を飛び出してしまう。本当の気持ちが伝えられず、すれ違う二人の想い― 雄大な北アルプスの山々を望む富山地方鉄道を舞台に夫婦の愛と絆を描く、RAILWAYSシリーズの第2弾」といった映画。

 主役は三浦友和だし、主人公の鉄道マンの奥さんは、小生の好きな女優である余貴美子さん。
 やはり好きな女優の小池栄子さんも出ている。
 富山縁(ゆかり)の立川志の輔や西村雅彦なども出ている。

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