児童画のこと(後編)
町中で見かけた児童画を見て驚いたというか、感動したことがある。
(返す返すも、その(小生の目を惹きつけて止まなかった絵を撮影しなかったことが悔やまれる。)
← 裏庭の片隅にひっそりと置かれている大きな甕。今はもう、小さな蓮池となっている。春には花も一輪、咲いたけど、今は葉っぱだけが水面に漂っている。
当該の文章の行方は分からなくなったので、関連する一文(の一部)を転記しておく:
あるいはどこかのフォーラムでも書きましたが、やはり街中で見つけたのですが、工事現場を覆う白いパネルに、恐らく小学生の1年か2年だろうと思われる生徒の作品の数々が展示してあったのです。
小生は、その作品群に正直圧倒されるものを感じました。まさに磨かれざるミロだったり、クレーだったりシャガールだったりするのです。それともピカソばりの大胆極まる構図の絵もありました。絵筆を握って間もない彼ら、そして生きることを学びつつも未だ闇の中の野獣性を失っていない彼ら、原始の魂が画布にその生々しさのままにぶつけられているかのようでした。
そうした絵を描く彼らもあと1年か2,3年後には勉強をして、当り障りのない無難な絵を書くようになってしまうのかと思うと寂しい限りです。
そうはいっても、大人になっても幼児の魂を維持するなど至難の業です。教育とは猛獣の心を矯め直して人間の心に改変することですし、生の心を剥き出しにしていては10 歳までだって生きるのは気が狂わない限り無理に近いのかもしれません。
まさに芸術家とは幼児の魂を持ったままに、経験と技術を経て彼らでなければ見ることの出来ない世界を示すもののことなのでしょう。
(転記終わり)
→ 庭を散策中、ふと見上げた空の雲が、なんとなく気になって撮影。
さらには、同じ頁に、次のような一文がある:
しかし、それだけはないような気がします。それはそこに展示されている作品云々より、むしろ会場そのものに違和感を感じるせいのような気がするのです。作品というのは、いつの頃からか額装されて収められ展示されるようになりました。そこには芸術作品がコレクションの対象に既になっているという問題があるのでしょうが、そうした扱いを突破せんかのようにアメリカなどで一応は画布を使いますが、絵の具などを刷毛を使って飛ばしたり、体に塗りたくったり、更には画布を体で突き破るパフォーマンスを見せたりと、それこそ限界突破の試みがなされました。勿論、戦後の日本においてもそうでした。
しかし、そうして作られた作品も今は額に収まって、あるいは会場や倉庫という額に収まって、それを我々が畏まって眺めて拝見するというわけです。その光景が小生には何故か滑稽に感じられてならないのです。その理由は自分でもはっきりわかりませんが。
それゆえなのか、一部の人が試みているように路上に美と異と変と愚を求めて回るのです。例えばどこかの白壁に塗りたくられた悪戯の絵の数々。その中には力量においてかなりのものが見受けられます。ジミー大西みたいなのが市井には沢山いるのだろうと感慨にふけったりします。正規の教育を受けていないから才能が才能のままに路上で発散され、やがて蒸発していくのでしょう(才能を見逃され、スポンサーもつかないままに埋もれていく可能性の作家たち…)。
(転記終わり)
(以上、本文は、2005/01/22付記事より抜粋。茶の間の出窓を整理していたら、甥っ子たちが悪戯書きした絵の数々に遭遇。なので、関連の日記を載せてみた。)
← 裏の畑を見て回っていた。半分ほどは草むしりを終えたのだが、残り半分を何時、作業するべきかと思案しつつ。すると、畑の隅っこに見慣れない植物…花を発見。もしかして、今頃になって鳳仙花が咲き出した?
絵画関連拙稿(一部):
「あなたを縛るものは何ですか」
「クレーをめぐって」
「幼児の絵から想うこと」
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