富山県の野菜生産は全国最下位の常連(後編)
既出(北日本新聞)の記事によると、富山県は、「耕地に占める水田の割合は2009年は96%で、全国平均の54%に比べると圧倒的に高い」という。
それというのも、「水が豊富だという環境に加え、兼業農家が多く、手間が必要な野菜や果物を避け、米に特化していった経緯がある」のだ。
→ 向井潤吉『宿雪の峡』([長野県下水内郡秋山郷] 1983年) 「世田谷美術館分館 向井潤吉アトリエ館」 (詳しくは、「陋屋 茅屋 廃屋 古民家」参照のこと) もうすぐ、冬。雪の季節。つらいなー。
今まではこれでよかった。
しかし、「米の消費が減り、価格も下がった」し、「生産調整の強化によって稲作できる面積も制限される」という「二つの要因が絡んで農家の所得は減る一方」だ。
そこで、「県やJAは野菜や果物、花きといった園芸作物に目を付けた」というわけである。
言うまでもなく、富山においても、品質の高い野菜は作られてき」ていて、白ネギなどは中京圏にも出荷されているとか。
09年からは「ねぎたん」の出荷が始まっている。
直売所への出荷が集まる傾向があって、店舗の数も増え、販売額も増えているという。
困難な課題が見えている。
丸秘メモという囲みのコラムが同じ記事の末尾に載っていた。その内容が気になる。
← 我が家の畑の現状。24日、ようやく(希望的観測として)年内最後の草むしりが終了した。白っぽいものは、雪? いえいえ、土壌改善のため、石灰を撒いたのです。
短文だし、富山県人として非常に重要な指摘だと思えるので、可能な限り転記しておく:
30年近くも47位を続けると、最下位はもはや富山の指定席の様相だ。ただ、米に偏重しているのは北陸3県いずれも同じ。中でも福井の46位も長く、下位2県の顔ぶれは変わらない状況が続く。両県は兼業農家比率の上位2県でもある。
富山としては一度ぐらいは福井より上になりたいが、「簡単ではない」と関係者は口をそろえる。2009年の産出額でみると、その差は23億円で、常に数十億円の開きがある。富山で最も販売額が多い白ネギでも4億5000万円だから、白ネギ級の品目がいくつも必要となる。
ようやく緒に就いた「1億円産地」は、販売額で5000万円を超えているのが23品目のうちまだ五つ。最下位脱出の道は険しいが、枝豆や玉ネギ、ニンニクなど知名度がアップしている野菜もあり、これからの伸びが期待される。
この最後の丸秘メモを読むだけでも、富山県が万年の野菜生産全国最下位県という汚名を返上するのは、並大抵ではないと知れる。
実際、2009年の都道府県別の農業産出額を見ると、トップの北海道は1,858億円なのに比べ、最下位の富山県は、40億円。
比較にならない。
記事にもあるように、43位の石川県は86億円、46位の福井県は63億円で、最下位の富山県は40億円。
ちなみに、同じく北陸であっても、さすがに新潟県は米もすごいが、野菜も360億円の産出額がある。
→ 今月になって畑に点々と目立ちだしたこの花は、鳳仙花?
こうなったら、「隗より始めよ」ではないが、せっかく我が家には狭いながらも(といっても、一人暮らしで且つ、野菜嫌いなものには十分すぎる広さの)畑があるのだし、来年以降は、野菜(と果物)作りに挑戦していくか。
我が家で(つまり小生の手で)野菜作りが軌道に乗るころには、富山県が野菜生産全国最下位から脱出できている…やもしれない!
データは、21年当時のものだが、とても参考なる頁:
「特集<H21.10> 富山県産野菜の生産拡大に向けて 富山県農林水産部農産食品課」
「富山 農業 |富山県農業 統計 2010 平成22年」
関連拙稿:
「一文字(ひともじ)…それは葱」
「土を喰う…白菜の苗を植えた」
「田中良平…枝葉の先にも命あり」
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