ニューヨークの振動(後編)
思わず読む手が止まってしまったのは、本書の第12章「細胞膜のダイナミズム」の冒頭の「ニューヨークの振動」と題された一節である。
← 福岡 伸一【著】『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書) 「生きているとはどういうことか―謎を解くカギはジグソーパズルにある!? 分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色をガラリと変える」。本書についての感想は、たとえば、「生物と無生物のあいだ (内田樹の研究室)」が面白い。特に、「福岡先生がオズワルド・エイブリーとルドルフ・シェーンハイマーとロザリンド・フランクリンいう三人の「アンサング・ヒーロー」(unsung hero、すなわち「その栄誉を歌われることのない、不当にも世に知られていない英雄」)に捧げた本」という件は、同感である。実際、本書を読んでこれらの科学者への関心を掻き立てられた。
節の題名が「ニューヨークの振動」とあったりするところに、本書の著者の書き手としての資質の一端を嗅ぎ取れるやもしれない。
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