またもや奇妙な夢を見た(前編)
過日、また奇妙な夢を見た。
先日も、「三匹の仔トラ」が登場する、変てこな夢を見た。そのことは、本ブログ日記にも書いた。
何が変って、登場するのは三匹の仔トラばかりで、人間は、小生を含め、誰も現れない。
→ 富山市某所の交差点で、今まさに太陽が沈まんとする光景に遭遇。
人間不在の夢ってのは、小生の心の殺伐さを物語っているのか、それとも、三匹の仔トラという、動物ではあっても、生き物が主役として現れていることで、命や生き物の端くれに、辛うじて引っ掛かっていると思っていいのか。
先日、見た夢は、ロマンの欠片もない、むしろ、自分の体の異変を告げ知らせるかのようなもの。
(以下、夢の内容をできるかぎり、ドキュメント的に)
私は、ベッドから起き上がり、何処かへと歩き出そうとした。
ほんの数歩も歩かないうちに、誰かが小生のやや後ろ、ベッドの脇に立っている人物を指差す(あるいは、何か声を発して、私(たち)の気を引いたのかもしれない)。
私は、思わず、振り返った。
するとそこには、男が立っていた。
その姿が驚くようなものだった。腰の辺りを中心に、上半身が血だらけだったのだ。
何だ? どうした?
← 撮影は、信号待ちの車内から。窓から手を出して。仕事の最中じゃなかったら、夕日を追いかけていったんだけど。
が、誰かに指摘されたのか、それとも、自分で自分の腰の辺りが濡れているのを感じたのか、私は自分の腰の辺りを見た。
それとも、傍にいる男の真っ赤な血、その赤が、自分の間近にあることに気づいたのかもしれない。
私の腰の周辺が血だらけなのだ。
血糊(ちのり)がズボンやシャツにベットリと。
もしかして、その男の血が私に飛び散ったか、何らかの接触があったのか。
しかし、どうやら真相は違うようだった。
なぜなら、血糊特有のねばねばした感覚がズボンの中から感じられたのだ。
血が腹か腰から滲み出し、溢れ出して、衣服を血だらけにしてしまったのである。
血らだけの私の血が、どうした理由でかは分からないが、男に粘り付いてしまった…、そう考えるしかないようだった。
→ ガブリエル・ガルシア=マルケス著『コレラの時代の愛』(木村 榮一【訳】 新潮社) 「夫を不慮の事故で亡くしたばかりの女は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきたという男は76歳。ついにその夜、男は女に愛を告げた」という設定。51年9ヶ月と4日ぶりの告白、そして愛の確認。作品を発表するたびに、表現手法を変え、ロマンの極を行く本作の場合、19世紀的なリアリズムに徹している。実に読み応えのある小説だった。
見遣ると、ベッドも血の海になっている。真っ白なはずのベッドのシーツが、カバーをされた毛布が、腰の辺りを中心に深紅に染まっているではないか。
変なのは、異常なのは男じゃなく、私なのだ。
(以上、過日の夢の光景)
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