中島敦から土方久功へ(前編)
過日、川村湊著の『狼疾正伝 中島敦の文学と生涯』(河出書房新社)を読んだことは、既にこの日記でも書いている。
← 川村湊著『狼疾正伝 中島敦の文学と生涯』(河出書房新社) この本で、土方久功を再認識させてもらった。
中島敦ファンを気取るほど、読み込んでいるわけではないが、高校時代だったかの教科書で彼の作品を読んで魅了されて以来、関心を持ち続けてきたのは確か。
実際、本ブログでも、中島敦については、何度も採り上げている:
「中島敦と中村晃子と」
「中島敦の命日…遥かなる島より子恋う敦かも」
「サナトリウムとライと(前編)」
「中島敦『李陵・山月記』雑感」
「中島敦著『南洋通信』」
→ 「パラオ-ふたつの人生」展パンフレット (画像は、「展覧会めぐり備忘録美術館」より)
上掲書についての感想は別の機会にするとして、本書『狼疾正伝 中島敦の文学と生涯』を読んでいたら、気になる人物に出会った(再会した)。
その人物とは、土方久功(ひじかた ひさかつ、1900年7月13日 - 1977年1月11日)で、「土方久功 - Wikipedia」によると、「日本の彫刻家である。パラオ等広く南洋に取材し、民族学的資料を多く残すとともに、芸術作品のテーマとして作品を残した」という。
詳しくは、「土方久功 - Wikipedia」を参照願いたい。
← 『おおきなかぬー』(作: 大塚 勇三 絵: 土方 久功 福音館書店)
彼のことが気になったのは、同署の中での、中島敦との関係、それ以上に、土方久功(ひじかた ひさかつ)の素朴で雄勁な筆致の絵だった。
土方久功の絵を、誤解を恐れずに印象だけで評すると、日本のゴーギャンってところか。
こんな印象に対しては、こども絵本作家としての業績を知らないのか、見当違いも甚だしいと叱られそうだが。
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コメント
おお、聞いたことがある名前と思ったらやはり世田谷美術館!
ちゃんとみに行きました、図録もどこかにあります。
その後町田市版画美術館で、画家たちの南洋群島?のようなタイトル展覧会も開かれましてね。植民地ですから渡る画家もおおいのでしょう。川端龍氏もわたってますね。
秋の国立博物館、法然親鸞がきます。
もう招待券ありまして。
投稿: oki | 2011/09/03 22:13
okiさん
さすがですね。
そして、実際に見に行くことができたことが羨ましいです。
日本にとって、あるいは作家たちにとって植民地の存在って、どういものだったのか。
それはそれとして、土方久功の作品を実際に見たいものです。
投稿: やいっち | 2011/09/05 21:39