三匹の仔トラの夢(前編)
生まれて半年も経っていないような仔トラたち。
その行動や仕草の全てが可愛くてならないのだった。
…でも、三匹の仔どものトラたちには、悲しい運命が待ち受けていた。
間もなく、三匹が選別されてしまい、一匹だけが母親のトラの世話を受け続けるが、残りの二匹は、母親から育児を放棄されてしまうのだ。
どのようにして、選別されるのか、固唾を呑んで見守っていた。
今、運命の分かれ道にある、その緊迫した瞬間に立ち会っているのである。
「仔トラの身体測定 - YouTube」
選別の方法が分かるまでにそんなに時間は掛からなかった。
母親のオッパイを一番、力強く咥え吸う仔が庇護を受け続けられる。
ほんの少しでも吸う力が弱いと、あっさりと母親に見捨てられてしまう。
やがて、二匹の仔トラたちが、肩を並べるようにして、何処かへ去っていった。
何処かへ。
でも、何処へなのだろう。
残った一匹の仔トラは、母トラに率いられ、光るあるほうへと、ゆっくりと歩き去っていった。
← 仔トラたち (画像など、関連情報は、「仔トラ・仔ライオンの名前が決定!![新着情報]/秋吉台自然動物公園 サファリランド」より)
胸が引き裂かれるようだった。
心が傷くてならなかった。
その瞬間、オレは目覚めた。
夢、だったのか。
どうしてこんな夢を見たんだろう。
人が誰も登場しない、というのも、オレには違和感があった。
誰も居ない世界にオレが生きていることを象徴しているようにも思えた。
三匹の仔トラと母親のトラとのドラマの真っ只中で、まさに命の息衝くドラマに際会しているのだが、オレはただ見守っているだけだったではないか。
どうしてこんな夢を見たのか、気になってならなかった。
→ 同じ花壇の緑のカーテンでは、ゴーヤと朝顔も競うように生い茂っている。朝顔の花が庇の直下という高い位置で咲いている。
夢の場面、場面を思い返していて、ふと、夢の最後の場面で、奇妙な光景を見ていたことを思い出した。
淘汰という運命の時に敗れた二匹の子供のトラたちは、共になぜか、背中全体から胴体にかけて、何かヌルヌルした、茶褐色のゼリー状の液体に覆われていた。
初めに三匹の子達を見かけたときは、ただ可愛い仔トラたちだったはずなのに、あの立ち去った二匹の仔らは、羊膜を被ったままだったのだ。
一匹の仔だけは、羊膜を母トラが食い破ったが、残りの二匹は、なぜか、羊膜を破られることがなかった。
それでも、必死だったのだろう、自力で羊膜の一部を破ったけれど、破りきることは叶わなかったのだ。
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