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2011/08/09

ヒロシマ ナガサキ フクシマ(後編)

 小生は、フクシマ原発事故から三ヶ月後の6月11日、「原発は引き伸ばされた原爆」と題した記事を書いている。
 少なくとも日本は、原子力発電所から最終的に出てくる放射能汚染物質の処理技術も能力(使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の処理問題)も未だに有していない。

 要は当面は、クリーンであるかのようなエネルギーを取り出すだけのように見えて、その実、放射能汚染物質を生み出し続けている、溜め続けている、そうして排出された汚染物質の処理が不透明なだけでなく、岩盤に封入するにしても、自然の破壊、自然界に棲息する生き物への脅威に他ならないのである。

 原発は、特に日本においては、クリーンどころか、ダーティのきわみなのだ。

 原子力発電所が完璧に制御下にあるかどうかの疑義はさておいても、この点だけでも、原爆と原発に基本的に違いが見当たらないことを示していると考える。
 原爆も原発も人災の極なのだ。
 日本の軍人官僚も含め、戦後の官僚ら(だけではない)が招いた人災なのである。

 原発の事故を間違っても地震や津波のせいにしてはいけない。
 事故の大本は人間(目先の産業優先の発想)が作ったものに他ならないのだから。

ヒロシマ、ナガサキ、原爆の日、66年、そしてフクシマ:日本史上、最悪の悲劇。そして、被災者による祭りの希望。 ホスピタリティの場所【山本哲士公式ブログ】hospitality-place-capital」にあるように:

原子力は、戦争利用であれ平和利用であれ、原爆・原発どちらであれ、それが起こす爆発は、人災である、自然災害ではない。ここがちがう、人が作らなければ起きない災害である。
そして、フクシマ原発事故は、場所被害ではない、世界被害である。死の町となった場所はあるが、放射能は場所ではない、場所をなくすように拡散する、超場所的な、まったく産業的なものだ。ホット・スポットとして反転した場所へと限定づけられうるが、そこに終わらない。

 フクシマの原子力発電は、広島型原発何十発分(29倍とも)もの死の灰を生みだし、既に東日本の相当部分を汚染してしまった。
 汚染物質の広がりは、食品や海流、大気の流れで世界中に拡散していく。
 
 原発をどうしても稼動したいなら、半径百キロ以内に人や動植物のいない場所で、政府の厳密な管理の下で、研究開発のための場合のみ、というのが小生の許容できるギリギリの線である。
 原発施設を作るにしても、万が一の事故の際、放射能汚染の広がりを考えると、施設を作る町や県だけじゃなく、隣接する県なども含め、住人らに承認を得るべきだろう。

 万が一の事故の場合、東電の場合で分かるように、民間には責任を持ちきれず、政府に頼るしかないのは明らかなのだから。
 

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コメント

「日本においては、クリーンどころか、ダーティのきわみ」 - 日本だけでなく世界が解決できていない課題です。ロシアなども核廃棄物の廃棄を日本海にしておりますが、高濃度廃棄物の処理方法はどこの国でも同じです。

六ヶ所村の再処理工場も昨年から操業していて、十分な環境汚染をしています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E3%83%B6%E6%89%80%E5%86%8D%E5%87%A6%E7%90%86%E5%B7%A5%E5%A0%B4

これらと合わせてプルトニウムの遠心分離など、全て核開発には欠かせないものなのでしょう。だから技術体系としてもんじゅがとても重要だったのです。

投稿: pfaelzerwein | 2011/08/10 07:52

pfaelzerweinさん

原発の平和利用(なんてありえるのか?)は、排出する放射能汚染物質の処理技術が確立して初めて、一つのサイクルができあがる。
それまでは、原発は民間企業に任せられない。
もんじゅも含め、国家が直接、施設を運用するべき(技術開発の意味も含め)。
その場合でも、万が一の事故の可能性は少なからずあるので、半径五十キロは人間も含め動植物に悪影響を与えることのない立地を考えるべきでしょうね。


再生可能エネルギー源は、太陽光発電も含め、安定しないと言われるけど、原子力発電は、定期的に検査しないといけないことも含め、よほど、不安定なエネルギー源に思えますね。

投稿: やいっち | 2011/08/10 21:45

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