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2011/08/28

久しぶりに書店へ(後編)

 書店の天井は高い。
 本が、通常の高さではなくて、移動式の梯子に登ってやっと手に届く高さにまで、書架に納められている。
 つまり、床面から手の届く高さまでの一段目、梯子に登って手にする二段目と、二段の構造になっている。

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→ 我が家の庭には、数年前までは、もっといろんな花が咲いていたのだが、小生の世話や知識が足りず、咲いてくれるのは、小生が世話しなくても育つ、丈夫な花たちだけ。

 二段目(そのフロアーの二階部分)には、全集など、大抵の人は素通りするような本が納められている。
 でも、小生には、気になる本が二階部分にたくさんあって、困った。
 若ければ、梯子に登って物色することもありえたろうが、今となっては、梯子に登るのは、庭木の伐採の際、脚立に登るので辟易していて、トライする気にはなれない。

 何を選ぶ予定もなく、書店内をぶらぶら。
 すると、『宇宙を織りなすもの――時間と空間の正体 上・下』や特に、『エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する』で世界的に有名な(後者など、こういった類の本としては珍しく、百万部を売り上げたとか)、ブライアン・グリーン著の『隠れていた宇宙 上・下』があった!
 ブライアン・グリーンの新刊!
 一応、パラパラと捲ってみたが、彼の本は、手にした段階で買うと決まっている。

 これで、書店へ足を運んで無駄足になる、そんな羽目だけは避けられた。

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← 『隠れていた宇宙〈上〉』(竹内 薫【監修】 大田 直子【訳】 早川書房) 躊躇なく、上下巻共に購入した。読むのが楽しみ。

 芸術書(美術書)や哲学、宗教、数学、生物学などのコーナーをぶらついた後、文芸書のコーナーへ。
 相変わらず、日本人の作家の本は物色する気になれない。
 この十年、日本の作家の仕事はほとんどフォローしていない。
 せいぜい、新聞などの書評を読む程度。
 なので、どの作家の本を選ぶという、取っ掛かりがまるでなくなっている。
 文学に関し、時代から取り残されたような…。

 
 仕方なくというわけではないが、外国人作家の書架を物色する。
 並ぶ本はかなり少ない。
 富山ではあまり外国人作家の本は読まれないのだろうか。
 
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→ 鳳仙花は、小花が次々と散っては咲く。畑の片隅に植えたのは間違いだった。


 ポール・オースターの本を買うか。
 図書館で彼の本はほぼ全て読んだ。
 読んだ上で、何冊かは自分の蔵書として、改めて読みたいと思っている、思わせてくれる、そんな作家の一人なのだ。
 バルガス・リョサの本、ル・クレジオの本、トマス・ピンチョン の本と、あれこれ物色したが、案の定と言うか、結局、落ち着くべき作家に落ち着いた。
 ガルシア・マルケスである(トマス・ピンチョンは、これからの楽しみに取っておく)。

 ガブリエル・ガルシア=マルケスの物語世界には魅せられているとは言いつつ、まだ数冊しか読んでいない。
 そのうち、『百年の孤独』は、少なくとも3回は読んでいる。
 読んだのは、あと、『わが悲しき娼婦たちの思い出』と、『生きて、語り伝える』くらいのものである。
『わが悲しき娼婦たちの思い出』を買って、再読するかとも考えたが、何か別の未読の本を、ということで、『コレラの時代の愛』を選んだ。

 川端康成の「眠れる美女」にインスパイアされたという、G・ガルシア=マルケス著の『わが悲しき娼婦たちの思い出』は、その訳者によると、『コレラの時代の愛』との絡みがあるに違いないというのだ。

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← 川村湊著の『狼疾正伝 中島敦の文学と生涯』(河出書房新社) 本書を読んで、中島敦の再認識をさせられた。というより、中島敦の評伝を読むのは初めてなのである。中島敦の本は、ここ数年、読んでいない。自分に喝を入れるためにも、久しぶりに読んでみたい。

 豊穣なる南米文学の世界には、片足さえも突っ込んでいない。
 アマゾンの密林のような、一寸先も見通せないような、濃密で、強烈な体臭の放たれる世界。
 日本の文学、日本の作家たちの世界へ舞い戻るのは、まだまだ先になりそうである。

 …そうは言いつつも、つい先日、川村湊著の『狼疾正伝 中島敦の文学と生涯』(河出書房新社)を読了したばかりなのだが。

 ところで、帰宅したら、不思議と頭(額の辺り)の痛みは薄らいでいた!

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