富山市の市街地随感(前編)
富山県は、今、大きく変貌を遂げつつある。
その目玉は、あるいは変化の起爆剤となる(かもしれない)のが、北陸新幹線の延伸である。
「北陸新幹線は、上信越・北陸地方を経由して東京都と大阪市とを結ぶ計画の整備新幹線である」。
↑ 先ごろ決定した新しい富山駅のデザイン。北陸新幹線の延伸にあわせ、デザインが決められた。「静謐な雪にたたずむ木立の駅」だって! 確かに清潔感が漂うが、地味で印象が薄そう。新幹線の窓から眺めるにはいいが…。駅の直下をライトレールが通過する。今は駅の北側、南側それぞれにあるのを接続する。小生など、むしろ、ライトレールの延伸に期待している!
富山にもようやく待望の新幹線がやってくる。
少なくとも産業界など一部には新幹線待望論があった。
一方、住民にすると、新幹線が富山に来るだけならまだしも、隣県の石川県、つまりは金沢にも繋がるということは、今でも観光客やビジネス客が石川(金沢)に奪われているのが、より一層、金沢や加賀などに吸い取られてしまうのでは、という危惧の念を抱いていて、結構、クールである。
期待もあるが、新幹線の延伸は、富山が通過県になるだけなのでは、というかなりシビアーな心配をしているのだ。
これが杞憂に終われば、それはそれでいいのだが。
← 富山駅から歩いて十分ほどの場所にある親水公園。身贔屓じゃなく、綺麗な公園だ。遊覧船も運河に沿って運航されている。野外ステージやバードサンクチュアリー、タワーブリッジ(天門橋)、有名カフェ店(スタバ)、結婚式場なども隣接している。富山でも有数の散歩コースだ。
富山に新幹線。
このことで、富山空港も危機感を抱いているという噂を仄聞したことがある。
根拠がどの程度あるか、分からないのだが、概ね、以下のような話だった。
日本航空(JAL)がリストラ(赤字)もあって、富山空港から撤退したのは耳に新しい。
「富山-東京便(1日2往復4便)が、赤字を理由に3月末で撤退した」のだが、今、巷間では、残る唯一の航空会社である全日空よ、お前もかと囁かれているのだ。
「富山、小松も新潟空港の二の舞に?」さんサイトによると、北陸新幹線vs全日空の数年後へ向けての熾烈な戦いが始まっているというのである。
昨日もたまたま東京方面からのお客様を乗せたのだが、新幹線が通る、東京と直通となる、なんて話をしたら、そうですか、それだったら、完成したら、新幹線で富山へ来ますよ、なんて話をされていた。
その方の場合、富山に用事があるので、いずれにしろ、富山に来てくれるが、観光客だったら、じゃ、金沢へ加賀へ、となるのではなかろうか。
→ せっかくなので、もう一枚、親水公園で小生が撮影した写真を紹介しておく。公園から立山連峰を眺めてみた。富山駅から近いにも関わらず、開放的な広々とした場所なので、絶好の展望スポットでもある。「帰郷して初めて散歩した」など参照。
富山空港には、東京や札幌だけじゃなく、海外(中国など)からの路線もある。
しかし、基本的には全日空の路線あっての富山空港なのだ。
その富山空港が寂れてしまったら…。
空港だけじゃない。新幹線が来る(通過する)となれば、観光客も通過するのではないか…。
素人考え(杞憂)に過ぎないのだろうが。
さて、そうした住民の一部の心配をよそに、富山市などは、町並みをかなり変貌させようとしている。
← 自転車を駆って買い物へ行った帰り、出合った光景が素晴らしかったので撮ってみた。富山の夕景。「眠れぬままに読書する」参照。
駅の北側の街区はほぼ開発整備が終わっている。上掲の親水公園もその一環である。
一方、駅の南側もいよいよ大規模開発のプランが揃ってきた。
巨大な複合ビルの計画も目白押しである。
新幹線の開通、ライトレールの延伸などに併せ、富山市の中心部に人を呼ぼう、住んでもらおうと大童である。
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