紫に赤と白の庭に(前編)
春先に畑に蒔いた種は、野菜も花も、ことごとく芽を出さないままに六月を迎えてしまった。
シソも枝豆もネギもダメ。鳳仙花やコスモスなどの花々も幻の夢と費えた。
そんな畑を今日、草むしり。
← 我が家の庭を占有しつつあるドクダミ。花(のような総苞片)の咲く光景を眺めている分には、可憐に映ったりもするのだが。
何も咲かない、育たない畑だが、ドクダミだけが勢い良く蔓延っていて、放っておくと、ドクダミの畑と化しそう。
なので、ドクダミを7列ほどある畑の一列だけに止め、他の列には移らないよう、今日の草むしりは、雑草の除草と共に、ドクダミ殲滅作戦と相成った。
が、ドクダミの根っ子は深い。我が畑の病巣も深いわけである。
ドクダミの群生している一角に近づくだけで、もう、ドクダミ特有の臭気(嫌な臭いか嫌いじゃない匂いかは、人によって感じ方は随分と開きがありそう)が鼻を突く。
雨上がりの畑だから、普通に草むしりするだけで、湿った土の匂い、草の匂い、などがプンプン臭う。
まして、ドクダミの群生する一角を、(畑の一列分だけを残して)片っ端から毟り取っていくわけで、臭気というか匂いたるや強烈なものとなる。
ドクダミは、「日陰の湿った場所を好む草」だから、尚のこと、発する匂い(臭い)の刺激は強いわけである。
→ ドクダミと鈴蘭と突き抜き忍冬の群生する蔵の脇の細長い花壇。父母が健在だった頃は、鈴蘭と忍冬が共存する平和な花壇だったのだが。
それにしても、ドクダミは、求めて育てたものじゃない小生には邪魔なばかり。
数年前までは畑だけに育っていたのが(というか、隣家の御婆ちゃんがドクダミ茶を作るため丹精していたのだ)、畑の三分の一を占有し始め、今では我が家の畑の方々に群生している。
それどころか、道路を挟んだ地蔵堂(観音堂)の敷地にまで侵略してしまった。
そうはいっても、花(もどき)の白い十字架は、日陰の中では、ハッとするような輝きを放ったりして、邪魔者扱いしない限りは、居ている分には案外と可憐に映ったりする。
薬草(や料理の具材)としても重宝する有用な草として、ちゃんと利用すれば、ドクダミの畑も見る目が違ってくるのかもしれない。
ドクダミの活用法は、今後の課題としておきたい。
[旧稿だが、「ウエルベック著『素粒子』と文学の命」をブログにアップさせた。]
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コメント
どくだみの生命力は強いんですね!
知りませんでした。
せっかく種まきしたのに残念でしたが、どくだみだけは元気に成長している事実に驚きます。
このたくましさを、私にも分けてもらいたいところです。
そういえば、さいたま市の実家にも、どくだみが生い茂っていました。
場所は、倉庫とフェンスの間の細い通路です。
大人ひとりがやっと通れるほどの、日陰でした。
花をまじまじと見たことはなかったけれど、ニオイとかけ離れた姿をしているのですね。
投稿: 砂希 | 2011/06/06 17:37
砂希さん
コメント、ありがとう!
ドクダミ、生命力、繁殖力、半端じゃないです。
年毎に群生する場所が増えている。今年は5箇所か6箇所。
この繁殖力があるから、薬草としての効用もあると期待されるのでしょう。
そのドクダミ、日陰など直射日光の避けられる場所なら、どんな狭いところでも、他の植物が繁茂している場所でも育ってしまいます。
ニオイは、好みで匂いか、臭い。
花(もどき)は、可憐です。
投稿: やいっち | 2011/06/07 21:42