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2011/06/10

ヘビは我が家の守り神(後編)

 ヘビに絡む思い出は幾つかあるが、一つだけ、忘れられないものがある。

 小生が小学生の低学年の頃だった。

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→ 蛇を発見した! 驚かせて、ごめんね。

 近所の悪ガキ連中と遊び回っていた。
 そうした或る日、仲間の誰かが、近所の道路の一角にヘビを見つけた。
 水道の(元)栓がある鉄板の下にヘビがいたと記憶する。

 狭い穴の中にヘビが数匹、とぐろを巻いていて、絡み合うように、そして捩れ合うようにして、輪の形を描いていた。

 ガキ連中のリーダー格の某が、ヘビを懲らしめだした。
 理由があったとは思えない。
 奴にしても、ヘビが怖いし、同時に何か不気味で目障りで、黙って通り過ぎることができず、ヘビ(たち)を苛めだしたのだった。

Ocbalxol

← 小島 瓔礼 (著) 『蛇の宇宙誌―蛇をめぐる民俗自然誌』(東京美術) 「蛇に対して我々が抱くアンビヴァレンス―畏敬と憎悪、混沌と秩序、死と再生、そして神聖にして邪悪なもの。人は蛇になにを仮託してきたのか」といった本。小生が読んだ蛇絡みの本の中の白眉。…といっても、91年刊のこの本以降、蛇絡みの本格的な本は物色していない。西洋では(キリスト教以降は特に)悪魔の化身、東洋(日本)では守り神、地の神、地の象徴的存在。とぐろを巻くことに宇宙のシンボルを読み取ってしまう…。

 持ち合わせていたのか、何処かの家の庭から持ってきたのか、何かの木の切れっ端か棒でヘビを突っつき、あるいはヘビに向かって石を投げつけたりし、最初はのた打ち回っていたのが、やがてヘビたちは血を流し、動きが鈍くなり、ついには微動だにしなくなってしまった。

 ヘビを苛める悪ガキの一人に小生が居た。
 小生もこわごわ、ヘビを苛めた…はずである。
 覚えていない(覚えていたくなかったのかもしれないが)。

 その日だったか、それほど日にちの経ない或る日、小生は家のトイレへ向かった。
 昼間だった。茶の間から廊下を歩くと玄関の土間に繋がる。
 その玄関(土間)脇にトイレへの通路がある。通路の脇には、農作業のためのやや広い土間がある。

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→ 雑草なのだろうか。雨などで数日、庭の世話を怠るだけで、謎の植物が育ってしまう。でも、とにかく、可憐だ。

 通路はトイレへも繋がるし、農作業の土間への入り口でもある。
 トイレに繋がるその通路は、当時既にコンクリートで固められていたような気がする。
 あるいは、モルタル風な、一見すると土ではないような固い面だったのかもしれない。
 その通路には、簀の子(スノコ)が渡してあった。
 簀の子を踏んで、トイレへ、あるいは土間へ向かうわけである。

 その日、何故なのか理由は覚えていないが、簀の子を持ち上げる羽目になった。
 誰かに言われたのか、気まぐれでなのか、簀の子を持ち上げようとしたのは小生だった。
 簀の子を持ち上げようと、ちょっと片面をずらした途端、何匹ものヘビがとぐろを巻いているのを目にしたのだった。

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← 今日は父の月命日。仏壇に花を供え、住職に来て貰って、読経。お祈り。せっかくなので、お墓の掃除。先日、除草剤を撒いておいたので、蔓延る雑草も毟りやすかった。お墓のある一角の傍を流れる農業用水路。昔は、ここで「おしょらい」をやったものだった。


 二匹(以上)のヘビ、とぐろ!
 あの日、ヘビたちを苛めて殺してしまった(多分、死に至らしめたはず)、その仕返しにあの世からヘビたちが我が家へやってきた!
 小生には、そうとしか思えなかった。

 爾来、親か誰かに言われた、ヘビは我が家の守り神という発想を断固、守っている。
 万が一、家に限らず何処でヘビを見かけようと、敬して近寄らず、まして関わらずを通している次第である。

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