ショックな話二題
そこまで読んでおきながら、ほんの数年前に読んだことをまるで思い出さない。
いくら、ぼんくらな小生でも、本の冒頭くらいは読み始めたら、しかも、教科書じゃなく、好きで読んでいた本なのだし、以前、読んだ印象など蘇ってきそうなものだ。
でも、今日、読了した本に関連して、ブログ検索で資料を探す過程で、その本の感想文を書いた記事を見て、初めて、ようやく思い出したのだった(今日、アップした感想文は:「多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者:ドナルド・コクセター」)。
我輩の脳みその荒廃も、ここまで来たのか!
最近あったショックなこととは、ある友人のこと。
その友人は、宮城県の某所に住まいがある。
その町の一角は、先の震災で地震はもちろん、津波の被害も受けた。
その友人と小生、そして他の二人とは、学生時代、同じサークルに加わったり、連れ立って呑みに行ったり、それぞれ仲間のアパートへ泊まり歩いたりした。
ある意味、当時流行った言葉を使えば、四人組…。
とはいっても、小生には、他の三人は、段違いに有能な人物たち。
それぞれに高校のトップクラスの人。
小生は、小学から高校までを含め、トップクラスどころか、なんとか平均点を上回るかな、という凡人。
どうして、彼らと仲間なのか、というか、仲間の輪に加えてもらえるのか、いつも不思議だった。
当然、彼らの議論には到底、付いていけない。
学生時代、それどころか卒業してからも仲間で居られたのは、彼らの優しさ、繊細さのお陰以外の何物でもなかろう。
四人組の中で、上記した一人だけ、宮城県在住だった。
卒業して、仙台を離れた小生を含めた三人とは、その一人(Bとする)とはやや交流の機会が薄れた。
それでも、仙台を離れた一人(A)は、折々、その宮城在の友人とコンタクトを持っていたようだ。
その彼Aとは、三人の中では一番、宮城に残った彼Bと親しかった(と思う)。
震災で、その宮城在の彼Bがどうなったのか、Aは消息が気になってならない。
← バラが今年は一層、大きく育っている。垣根が通りに出るのを阻止する檻のように見える。なのに、バラの花が全く、咲かない。栄養が足りないから? 他の樹木が密生しているから?
いろいろあって、Aは宮城へ行ってきたという。
宮城に向かう前に、小生の意向を打診してくれたりした。
すると、Bは、ある事情があって、既に数年前、亡くなっていたというのだ。
Bのお墓の荒廃ぶりを目にしたからだけじゃなく、Aはかなりのショックを受けていた。
さて、小生は、学生時代四人組の仲間の端くれだったとはいえ、自分では明らかに他の三人とは頭の出来の違いを感じていた。
宮城在のBは、特に際立った知能と繊細さの持ち主で、我々三人とは、一歳、年上だったこともあり、少なくとも小生は畏敬の念をさえ覚えていた。
Bとは、議論どころか、普通の会話さえ、成り立たない。
そのBに対抗しえる知能の持ち主というと、Aであり、もう一人の四人組のCである。
少なくとも小生は、仲間はずれではないが、議論の際の埒外に居た。
→ マンデビラは順調に育っていて、支柱にツルを巻きつけて、まもなく、支柱を外してネットに替えないといけない予感。
Bは、友人でありつつ、一緒に居て、凄みを覚えるしかなくて、たまにBのアパートを訪ねていっても、会話は成立せず、当たり障りのない四方山話に終始するしかなかった。
そんなこともあって、Aのようには、小生はBのことを思いやれなかった。
震災があった際、即座にBはどうしているだろうかと思ったけれど、行動に移す気にはなれなかった。
会社での営業で、タクシーで宮城県や岩手県などに向かうことがあったので、志願したが、会社には相手にされなかった。
自前で休みの日に宮城県へ、という気持ちは湧かなかった。
それだけに、友達を思いやる気持ちにおいて、行動力において(頭脳においてはさておいても)、Aには敵わないと思った。
ところで、今朝、久しぶりの連休の朝を迎えた。
連休なので、朝はゆっくりできる。
ベッドからは出たが、ロッキングチェアーに体を沈めて、二度寝をしてしまった。
そのとき、夢を見た。
夢に出てきたのは、Aだった。
仲間同士で何処かで呑み、その流れで小生はAの家に泊まった。
もう、朝になっている。
Aは、何か言って、奥の部屋へ向かった。
小生は、玄関近い部屋で一人、ポツネンとしている。
Aはなかなかこっちにやってこない。
なんだか、小生のことを忘れてしまっているような気がする。
放っておかれているような、居た堪れなさを感じていた。
勢いで泊まりに来るんじゃなかったと後悔し始めている。
小生が置き去りにされている部屋の様子に何か、違和感のようなものを感じている(違和感の原因は目覚めた瞬間、忘れてしまった)。
そのうち、Aの様子が気になってきた。
小生のことを忘れているんじゃないのか。
← 漆の木だろうか、驚くほどの成長の早さ。
畳かカーペットの上に座っていた小生は、腰を浮かせて、奥の部屋にいるAの様子を窺った。
すると、Aは奥さん(こちらに背を向けていて表情が見えない)と差し向かいで談笑している。
柱(か壁)の陰になっていたが、それでも、Aの顔半分が、見えたのだ。
彼ら二人のいる部屋の窓は大きく開いていて、窓の外には真っ青な空が広がっていた。
その蒼穹の空を見た瞬間、彼らの脳裏に小生は全くない(と直感した)。
俺のことなど、眼中にない…。
新ためて来なきゃよかったと思った。
俺は埒外の人間なんだ…と、つくづく感じさせられたのである。
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