謎の頭痛事件(後編)
忘れていた(しかし、体は忘れていなかった)痛みが襲ってくる。
なぜだ ? ! 何が原因なんだ ? !
やはり、脳の異常?
やがて、ふと、外した老眼鏡に注意が向いた。
もしかして、眼鏡の度が合っていない?
内緒だが我輩が持っている老眼鏡は、最初の一個を除いては、百円ショップで購入したもの。眼鏡店で買ったものは、ちゃんと検眼して選んだもので、なかなか高価なものである。
百円ショップのものは、店に展示されているものの中から、いろいろ試して選んだ。
目の状態に何処まで合っているか、微妙な程度まで適合した眼鏡なのかは、やや問題なしとしない。
→ これは裏庭に育つ水仙の花群。今を盛りと咲き誇る水仙群もあれば、芽吹き始め、いよいよこれから開花の時を待つという群れもある。
うむ、老眼鏡の度の不適合が謎の頭痛などの症状の原因だったのか。
が、眼鏡をじっと眺めているうちに、ふと気づくことがあった。
眼鏡のツルというか柄の部分(テンプルという名称らしい)が内側に折れている!
というか、自分で曲げたのである!
昨年の夏の終わり頃だったか、読書しようと眼鏡を架ける。
やや俯き加減となる。
すると、眼鏡がずり落ちてくる。
百円ショップで買った眼鏡だが、何年も使っているうちに柄(テンプル)の根元のバネ(蝶番)が緩んでしまったのだ。
← 道路沿いの庭に育ち始めているこの植物群は一体、何なのか。
眼鏡屋さんで修理する予算などない。
まして、十年ぶりに眼鏡屋さんで新たに検眼して眼鏡を買うなんて論外である(可能なら遠近両用眼鏡を試してみたい)。
なので、柄(テンプル)が金属製なのを幸い、手で曲げて、眼鏡を架けて下を向いても落ちないようにしたのだ。
その効果は覿面(てきめん)で、俯いても眼鏡がずり落ちず、本や新聞を快適に読めるようになった。
→ この植物群は、上に掲げた葉っぱの大きな植物群と同種のように見える。
そこまではいいのだが、つい先日、はっと気がついたのは、眼鏡の柄を折り曲げすぎていたのではないか、ということである(曲がりの有無自体は、自分で曲げたのだし、気づく気づかない以前の話である)。
柄が眼鏡を架けている耳元の両方で頭に、頭蓋に食い込んでいる。
そこまで曲げなくてもよかったのに!
これが原因だったのか?
これが原因だったのだ!
← 「眼鏡の各部の名称」 小生が眼鏡をして俯いてもずり落ちないよう、折り曲げたのは、テンプルの部分。が、過度に曲げたため、モダンの先が耳たぶの陰になっている部分で、頭蓋にめり込んでいた。眼鏡を外し指先でまさぐると、その痕がへっこんでいるのが分かるほどだった。 (画像は、「眼鏡 - Wikipedia」より)
慌てて、ツルの曲がり具合を緩めた。もちろん、下を向いても落ちない程度に。
小生は、眼鏡を複数、持っている。
安物なので、茶の間にも寝室にも、車の中にも置いてある。
ロッキングチェアーで読書する際の眼鏡が一番、酷使されていて、その分、ついつい柄を折り曲げる回数も増え、読書するたびに、つまりは眼鏡を架けるたびに、頭蓋が締め付けられ、頭痛(や吐き気、熱)という症状に至ってしまったのだ。
なんて、おろかな奴だろう。
そんなことに気づかないなんて。
眼鏡を外すと、柄の耳元部分に触れる頭蓋が凹んでいるのに気づいていたし、そのことは前からはっきり分かっていたじゃないか!
→ 竜の髭。大分、育ってくれた。水平四方に広がるんじゃなくて、コンクリート壁に沿うように広がるのは何故だろう。
ということで、原因が分かって、対処もしたので、その日以来、謎の頭痛事件は終息と相成ったのであった。
[念のために書いておくと、小生が気づいた<原因>は、本当の原因ではないかもしれない。昨年、秋口、除草剤を撒いた際、マスクをしていなかったので、うっかり、除草剤を吸ってしまった。これが原因かもしれない。いずれにしろ、眼鏡の度が合っていないかもしれないことも含め、真の原因は他にあるかもという疑念は今も密かに抱き続けている。頭痛は、眼鏡の柄の過剰な曲げのせいじゃなく、脳みそが本当に可笑しいかもしれないのだ!]
(11/04/06 原作 11/04/12 画像追加)
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