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2011/04/10

「早く来い、老眼鏡」後日談

 前回は、老眼鏡を思い切って注文したというところまで書いた。
 その老眼鏡を本日、とうとう入手した。

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→ 昨日の雨に濡れてアセビもしっとり。今日、庭先のアセビを見たら、雨に埃を流されたからか、小さな花の白が際立って、見違えるようになっていた。

 残念ながら、今日は月末ということもあり支払いなどの雑用に終われ、また、スクーターがバッテリー上がりで動かなくなるというハプニングがあったりして、肝腎の読書で老眼鏡の具合を確かめるという目論見が、時間がなくなって、じっくりとはできないでいる。

 それでも、数十頁だけは、この従来のものより視野の広いという老眼鏡を使って読み進めてみることができた。

 活字の一つ一つの文字の輪郭が鮮やかである。
 ルビもはっきり読める。悲しいかな、これまでは拡大鏡を使ってルビなどは(時には文中の漢字なども)判読していたのだが、それこそ、今までは雲か霧の中にいるようで滲むような文字に神経を苛立たせていたのが、まるで嘘のようである。霧が晴れたのだ。

 もっと早く試してみればよかったとさえ思っている。

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← 今日は、午前中、3時間、午後も1時間、庭や畑の草むしり。待望の雨が降ったけれど、雑草にも恵みの雨になるってのがもどかしい。チューリップの葉っぱが大分、伸びてきた。今月中には開花しそうだ。

 でも、御蔭で遺憾な点も若干ある。小生の使っているパソコンの解像度は低いのだが、それでも、小生の目にはそこそこ木目細かな画像に見えていたのが、液晶画面上の一つ一つの点が、老眼鏡で眺めると露なほどに見えてしまうのである。
 なんだ、こんな雑な画面だったのかと思った次第なのだ。


 若い素敵な女性でも傍に居れば、今までは結構、肌が綺麗だと思っていたのが、別に凝視しなくても、老眼鏡で傍で見ると細かなシミや痣や化粧のノリの悪さなどが、目に付いてならないようになるのだろう…か。

 自分の肌の状態も含め、大らかな感じで間に合うものは、老眼鏡など使わず、大雑把に見ておいたほうが無難なのかもしれない。
 あくまで、老眼鏡の用途は地図を見たり、辞書を引いたり、文庫本の細かな文字を追う場合に限っておいたほうが、世の中は平安だろうということか。

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→ 表の車道沿いの花壇のチューリップ畑。何故か一本、水仙の花が咲いている ? !

 いずれにしても、新しいオモチャが手に入った気分である。
 老眼鏡を手に取ったり、机の上に置いたり、目に掛けてみたり、外さないまま、額の上までずらしてみたり、もう、そわそわして落ち着かない。

 これは単に慣れないからに過ぎないのだろうが、新聞などを読む際、眼鏡をしたままでいて、それでお茶などを飲むと、なんとなく湯のみ茶碗が眼鏡にぶつかりそうな感じがある。何となく、違和感のようなものが、そこに(つまり鼻先の辺りに)あって、口元に湯飲みを近づけただけなのに、眼鏡にぶつかりそうで、つい、ゆっくり茶碗を近づけるのである。

 ま、これは些細な不具合に過ぎない。

 老眼というのは、簡単に言うと老化現象の一つということらしい。ということは、今は小生の目の具合にピッタリの眼鏡も、ほんの数年もしないうちに度が合わなくなる恐れが高いということだ。
 一説によると眼鏡をかけることで、視力の劣化が早まったり固定化してしまうとも。

9784480425645

← 寺田 寅彦 著『ちくま日本文学034 寺田寅彦』 (ちくま文庫) 仕事では(特に昼間は)待機する時間が長く、地図(これは地理の勉強や行き先確認のため)や新聞、休憩所などでの仲間との歓談(これは親睦もだが、情報を得る意味もある)はもとよりだが、読書の時間が多くなりがちである。今の仕事に携わって、これで二冊目を待機の最中に読了したことになる。内容が面白く且つ深いが、読みやすいし教えられる何度読んでも飽きない。寅彦の本を何冊、そして何度、読んできたことだろう。冒頭の「団栗」など、絶品。

 それでも、当面はストレスを感じることなく読書ができるという楽しみには、何物にも代え難いのである。

 尤も、眼鏡を使うことで目の前が開け、本もすっきりと読めるとしても、だからといってほんの中身までが鮮やかに浮かび上がってくるわけでもないし、まして中身について、今まで以上に深く理解が及ぶというわけでもない。
 この点だけは肝に銘じておかないといけないだろう。

                                  (02/08/29 原作

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