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2011/04/12

謎の頭痛事件(前編)

 昨年の夏の終わり頃、それとも秋口の頃だったろうか。
 突然、奇妙な頭痛に見舞われるようになった。
 まだ日中の暑さが夕方になっても色濃く残っている日々が続いていた。

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→ 昨日(11日)の雨の中、庭先のアセビに咲き誇る小花を撮影。花より雨の雫のほうが大きく感じられる。

 昨年七月、父母が相次いで亡くなった。
 七月はもちろんだが、八月も家の内外での所要で慌しい日々が続いていた。

 そんな中でも、忙中閑ありではないが、時間があると、居間にあるロッキングチェアーに腰を埋めて読書するのが唯一の楽しみ。

 その読書が妙に悩ましい営みになろうとは。

 なぜか、本を読み始めると蟀谷(こめかみ)の辺りなどが痛み出す。
 鈍いような痛み。頭蓋…顳顬(蟀谷(こめかみ))が痛いような感じもある。


 脳みそ自体に痛みを感じないような。

 というより、痛みの箇所が自分でもはっきりしない。
 やがて、吐き気がしたり、熱が出たりしてくる。

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← 同じく、庭先の山茶花を撮ってみた。雨に濡れて、色っぽい。

 とてもじゃないが、読書する気分じゃない。
 老眼鏡を外し、ロッキングチェアーに体を沈めて、しばし目を閉じ、瞑目する。
 気持ちの悪さはなかなか取れず、やがて(時間が許すときは)ベッドへ倒れこんだりした。

 一眠りすると、大概は頭痛も含め、不快感が薄らぐ。
 さっきの痛みは何だったのかと思うほど、すっきりするときもあれば、鈍痛が波のように寄せては返す時もある。

 慌しい日々ではあったが(父母が体調を崩したりして、例えば庭や畑の仕事は昨春からは一切、手が出せず、雑草も含め、荒れ放題になっていた。そういった雑事が溜まっていた)、それでも、週に一度は図書館へ足を運び、本を二冊(返却し)借り出して、読むのが楽しみだった。

 同時にCDも3枚、借りて、在宅の際は、CDを回しっぱなし。
 家の中は、テレビが点いていようとどうだろうと、クラシックかジャズの音楽が流れてやまない。
 クラシックなどのCDを借りるのは、読書の際も、BGMとして曲を流しておくから。
 ボーカルがあると、つい、歌詞に耳が向くので、読書の妨げになる。
 時間があるなら、歌謡曲でもポップスでも借りて聞くのだが、そんな音楽のみに耳を傾けるゆとりの生活は夢の夢だった(し、今も相変わらず事情は変わらない)。

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→ 裏の通りに面して育つナナカマドも、一斉に芽吹き始めた。

 さて、性懲りもなく、時間を見つけては、十分でもいいから、読書する。
 傍らには珈琲だったり、お茶があって、湯気と香りを恵んでくれている。
 十年ほど前から使い始めた老眼鏡を架け、本を開き、活字の世界、しかし、脳の中の想像の世界へ遊びに行く。

 …はずなのだが、やはり、しばらくすると、頭痛が襲ってくる。
 そして、吐き気だったり、熱が出たりする。
 たまらず、読書は中断し、ロッキングチェアーに体を沈めていく、それでもダメならベッドに倒れこんでいく。

 そんな症状が日に何度か、あるいは週に何度か出る。
 必ずしも毎日ではないが、それでも何故かお気に入りのロッキングチェアーに腰を埋め、本を読み出すと頭痛などの症状に見舞われるのだ。
 脳みそに何か異常があるのだろうか。


 父母が相次いで亡くなって、我知らず心に負担があって、父母の永眠や、その後の法要などの葬祭で喪主として気を張っていたのが、大体の節目は越えて、気が緩み、こんな変な状態に陥ってしまったのか。
 
 そんな中でも、父と同様、病院嫌い(というより、病院が怖い)な小生、病院で症状を見てもらうことはしなかった。
 父母に続き、この上、小生まで天に召される、そうでなくても、母のように病院で長い療養生活を送るなんて、真っ平である。

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← ナナカマドの芽吹き始めた芽をアップで。

 幸いにして、そんな不快な日々は昨年末で(一旦は)終息してくれた。
 理由は自分でも分からなかった。
 夏の日々の過剰な緊張などの疲れのせいだったのだろうか。


 今年に入っても、読書し始めると始まる、例の症状は起きなかった。
 でも、脳裏のどこかに、また何かの際に再発するのではないか。

 症状が治まったように見えるのは、むしろ逆で、病状が深く静かに進行しているのであって、再度、症状が表面化する際には、今度は重篤な、もしかすると手遅れの状態になってしまっているのではないか。

 けれど、父母の世話に明け暮れていた日々は、新聞配達など、夜中のバイトしかできなかったのが、今はもう、正規の仕事に就くことができる。
 一月の入院・手術も終わったし、一月の終わりからは就職活動でハローワーク通い。
 面接も何度かしたが、最終的には二月の上旬、今の会社に(今は未だ見習いの形だが)拾ってもらった。

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→ 四月も中旬に差し掛かると、庭にはいろんな植物が生い茂ってくる。葉っぱだけだと、雑草かどうか、小生には分からない。

 その間、不快な症状も起きないでくれている。
 直ったのか? 再発はしないのか?
 そんな不安は、見習いでの懸命な日々に掻き消されつつあった(…脳裏の片隅に埋み火のように消え残っていた)。

 その謎の頭痛につい先日、再会してしまった。
 再発!

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