病院で眺めた風景(承前)
今日(22日)は天気予報では、朝方から雪も、とのことだったが、幸い、ほぼ夕刻まで雨だった。時折、雨が霙に、あるいは雪に変わることもあったけど、湿っぽい、ベタベタ雪で、積もらないと分かる。
冬に雨となると、根雪を溶かしてくれると、つい期待してしまったけれど、はかない望みだった。
気温自体は低いので、冷たい、氷雨風の雨では、屋根の雪さえ、溶かしてはくれない。
さて、「病院で眺めた風景(前編)」からの続き。
→ 上掲の外科研究棟(前編参照)は、(小生が病室から観察した限りは)一角だけ、一晩中、明かりが灯っている。他の部屋やフロアーは、見たところ、真っ暗なのだが。やっぱり、あの建物の四階の、一番、奥まったエリアには何かがある、何かが行われている。立ち入り禁止なんて、あまりに危険だから、外部の人間どころか、ひょっとして、病院関係者も覗くこと能(あた)わないのではなかろうか…。
← 小生に宛がわれた部屋は、上掲の研究棟や大きな病棟が見えるだけで、眺めが悪かった。十数年前は、八階建ての八階だったのが、今回は四階、しかも、目の前が別の八階建ての病棟が眺望を阻んでいるのだった。だから、病室からは尚更、かの蔦の這う、実に味わい深い雰囲気を醸しだしている外科研究棟ばかりが目立ったのだ。しかも、四人部屋だが、入院して当初の数日は、部屋には小生一人だけ。妄想も膨らもうというもの!
病床で夢は妄想に膨らみぬ (や)
→ そのうち、部屋に一人増え、二人増え、退院する前日には、とうとう満室になってしまった。カーテンなど当初は、ベッドの周辺にも窓際にも、 寝るとき以外(消灯の時間となると、ナースが締めていく)は使わなかった。けれど、部屋の人数が増えるに従い、段々、カーテンで覆われるようになって、カーテンという名の壁に囲繞されてしまった。眺望は悪いとはいえ、読書に疲れた時には、眼や心を窓外に遊ばすこともできたのが、四囲を壁に囲まれ、思いは鬱屈し、やがて妄想は暴走し、夢は娑婆を巡るばかり。
← この苔生し、雑草で覆われた一角は、妙に小生の気を惹いた。実は、前編(画像にて)で紹介した、解体作業に取り掛かりつつある、旧婦人科病棟、そのアプローチ(車寄せ)である。車寄せの庇の上に、長年のうちに土が溜まり、草やコケが生え、疎らながらも立ち木さえ数本、育っていたのだ。病棟の解体と共に、呆気なくゴミとされ廃棄される運命なのだろう。いつか、また入院する機会があったら、その時には病棟諸共、影も形も消え去っているはずである。
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