「富山」の名の由来の寺・富山寺
雪が憎たらしいほど、よく降る。
昨日に続いて、今日も屋根の雪下ろし。
一人きりで、命がけだった。
さて、過日、退院した翌日、図書館を訪ねた帰り、富山市にある富山寺に行ってきた。
富山との地名に由来したとも伝わる富山寺があると知ったからだ。
← 真言宗 富山寺の入り口付近からの光景。入り口からお寺の本堂までの距離が短いので、まっすぐ入るのに躊躇われた。
知ったのは、ホントにひょんなことから。
日記に書いたように、病院に入院中、高瀬保編『富山藩・町方事件簿 ― 「富山町方旧記」現代語訳』(若葉会 桂書房)を読んでいて、「富山」という地名は、実は、普泉寺(富山寺)に由来するという豆知識を得たからなのである。
→ 境内に入ってすぐ左手に、観音様(?)の像が立っている。賽銭箱も置いてある。百円だけ、お布施。
実際、小生はこの富山寺のことは全くの初耳だった。
知り合いの住職に伺っても、知らないというばかり。
富山市に古くから在住する人でも、その存在を知らない方が多いのだろうか。
← 「富山寺(ふせんじ)」 山王町にある日枝神社は、藤居山富山寺の鎮守であった山王権現を祀った神社だという。「古くから富山市内の産土神である日枝神社と神仏混合し」たと説明するサイトもある。
富山市内でも最古の寺院だというのに、実際に訪ねてみたら、寺は拍子抜けするほどに小さな寺だった。予め、地図で場所を確かめておいたのだが、付近を少し歩き回ってやっと見つけたほど。
その日は積雪が30センチほどだったが、人の足跡はまったくなかった。
もっとも、寺の大小と担う歴史や存在意義は別物だが。真言宗の寺院なので、浄土真宗などの寺のように檀家も必ずしもいるわけではないのだろう。
→ 富山寺(ふせんじ)門前の立て札
本寺は藤居山と号する真言宗の寺院で、奈良時代の神亀元年(七二四年)行基が、大和の国から越中国に来たおりに、現在の富山城付近の藤井村に一寺を建立し、藤居山富山寺(ふせんじ)と称したと伝えている。其の後、富山城築城のため加賀藩初代藩主前田利家より寺地を与えられ、現在地に移され普泉寺と改めたが、明治四十三年(一九一〇年、四月、寺の名を元に復し、再び富山寺と称した。また、山王町にある日枝神社は、当時の鎮守社で祭礼時には御旅屋となり、神輿が渡御したという。
古来富山の地名は、この寺号に起因するとも言われている。
富山市
それにしても、余計なお世話ながら、由緒あるお寺なのだし、少なくとも富山市民、いや、富山県民にとっての名所たりうる場所として、何か工夫があってしかるべきと思ったりするのだが。
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コメント
こんばんは。
ふせんじ、と読むのですね。
真言宗とのこと、うちの菩提寺も真言宗です。東京では高幡不動なんかも同じ真言宗智山派だと聞きました。
うちのお坊さんは、亡くなったら成仏するとは言わない、六道輪廻ですから、また人間界に生まれ変わるように祈るのが真言宗の教えだと言ってましたね。
人間界は修行の場、修行を積んでステータスが上がれば成仏も速くなるということですか。
しかし北陸の大雪本当に心配してます。
夏は異様に暑く、冬は異様に寒く、春と秋が短くなってどうなるんでしょう?
投稿: oki | 2011/01/31 23:04
okiさん
真言宗のお寺は、名前や名所などでは知っていても、普段、あまり馴染みがない。
当日、訪れた富山寺は境内が雪に埋もれていて、誰も来た形跡がなく、本堂を覗き見ることもできませんでした。
まして、住職さんにお話を伺うことも。
真言宗のお寺は、檀家じゃなく、昔なら武家の菩提寺となることで、布施などに頼らず、成り立っていたと聞いています。
でも、時代を経たら、武家とのつながりも薄くなりがちだろうし、そうした際には、どうやって寺を維持しているのか、不思議です。
浄土真宗のように、葬式やお墓などで持っているのでしょうか。
北陸(富山)の雪は、昨日がピークだったようです(今後も、ピークが来るかもしれないけど)。
今、外は雨。気温も零下じゃないので、屋根の上の雪や積もった根雪などができるだけ溶けることを期待しているところです。
もう、屋根の雪下ろしはこりごり。
気象異常は、天候の激変の形で現実化しているかのようですね。
噴火は気象とは直接の関係はないはずですが、人間の心理として、つい結びつけて、鳥インフルエンザなども相俟って、やがては社会不安に、そして政治的な激変に至らないとも限らないですね。
何かが胎動しているような予感があるような。
投稿: やいっち | 2011/02/01 13:30