ジュラシック・パーク…恐竜再生(後編)
病気で体毛がごっそり抜けたのか、焼くため(食べるため)に羽を毟られたのか、分からない。
庭先の小屋にいたニワトリをつぶして食べたという記憶はないので(母も父も、そんなことはできなかった)、やはり、何かの病気で羽がごっそり抜けたのだろう。
ただ、その羽の毟られ、地肌も露なニワトリを見て、図鑑か何かで見た恐竜をまざまざと連想したのである。
見かけは、どう見ても恐竜の仲間としか見えない、と思ったものだ。学的な根拠はさらさらなかったけれど。
「鳥類 - Wikipedia」によると:
鳥類の進化上の起源は、時代によりさまざまに揺れ動いてきた。鳥類の恐竜起源説が最初に脚光を浴びたのは、進化論発表の直後に発見された始祖鳥の骨格が、小型恐竜のそれと酷似していたことから始まる。また以前は起源を爬虫類の槽歯類 (Thecodont) などとされた時期もあったが、現在では、古生物学の発展から、恐竜の獣脚類から進化したというのが定説となり、系統学的には鳥類は恐竜に含まれる。すなわち恐竜は絶滅せず、その一部が鳥類に進化して現在でも生きているという解釈である。
→ 明日には寒波が襲来するという日、ちょっと庭に出たら青空に月影が。
実際、本書でも触れられているが、「最近中国で発見された、ジュラ紀中期の獣脚類リムサウルスの化石で、その前肢は一般の獣脚類とは異なり、退化で小指が消失しているが薬指を有し、親指を有しながらもその退化が進行しており、鳥類が獣脚類を起源とする説を改めて強化するものと考えられる」ようである。
著者(の一人)は、というより監修は、映画『ジュラシック・パーク』の監修を務めた恐竜学者ジャック・ホーナーで、この名前だけでピンと来る人もいるかもしれない。
実際、「小説家マイケル・クライトンはホーナーをモデルにジュラシック・パークの登場人物アラン・グラントを執筆した」のである。
著者のジャック・ホーナーについてより詳しくは、「ジャック・ホーナー - Wikipedia」を参照のこと。
← ジャック・ホーナー/ジェイムズ・ゴーマン共著『恐竜再生』(監修:真鍋 真 翻訳:柴田 裕之 日経ナショナルジオグラフィック) 副題:「ニワトリの卵に眠る、進化を巻き戻す「スイッチ」」
「化石に眠る古代のDNAを集めて恐竜を再生するという『ジュラシック・パーク』の物語」は、今や夢物語ではなくなりつつある…予感をさせた。
本書は、「恐竜学者ジャック・ホーナーは、分子生物学や発生学の研究者仲間とともに、最先端の研究に基づいて本物の恐竜を作ろうとしている――しかし、この恐竜再生プロジェクトで使うのは、恐竜のDNAでなく、ニワトリの卵だ」というところがミソ。
「彼が主張するその理論とは、恐竜(獣脚類)の子孫であるニワトリの卵を基に、発生過程をコントロールして尾を生やし、翼を前脚に変え、歯を生やして、恐竜のようなものをつくることができる、というもの」なのである。
監修の真鍋真(国立科学博物館 地学研究部 生命進化史研究グループ 研究主幹)氏が語るように、「ホーナーの話は夢物語ではない。近未来」なのかもしれない。
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コメント
裸の鶏を見て恐竜を想起するというのは、わかるような気がします。
共通するグロテスクさがあるような。
少なくとも鶏は犬猫より恐竜に近いかと思われます。
映画「ジェラシック・パーク」のアラン・グラントのモデルがジャック・ホーナーであるとのこと。
ホーナー読まねば。
高橋源一郎がいっていたのですが、マイケル・クライトンは映画化したくなるような筋と、描写だそうです。
私は映画のほうしか見てなくて、受け売りで申し訳ないですが。
やいっちさんは読書の守備範囲が広いですね。
投稿: 滝川 | 2010/12/18 21:58
滝川さん
東京在住時代、団地のベランダにハトが巣を作っていた時期があって、こっそりカーテンを少し避けて、ハトの様子を観察していたものでした。
営巣しているくらいで、健康なハトたちだったと思うのですが、何故かハトを見ながら、やっぱり恐竜だと思ったものでした。
映画「ジェラシック・パーク」をご覧になっているんですね。
実は、小生、映画のほうは見ていないのです。
テレビなどのちょっとしたダイジェストをチラッとだけ。
映画、面白かったのでしょうか。
本の世界は地味ですが、地道な分、空想がたくましくなります。
映画の世界が、(違った手法やルートで、ですが)近い将来、現実のものとなるかもしれない。
無論、倫理は別としても、さまざまな制限を加えられて、ですが。
投稿: やいっち | 2010/12/18 23:21