ゴッホのこんな世界(前編)
ある本を読んでいたら、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)のことが話題になっていた。
その本とは、徐京植(ソ・キョンシク)著の『汝の目を信じよ! 統一ドイツ美術紀行』(みすず書房)である。
本文もだが、併収の矢野静明との対談が刺激的だった。
← Vincent van Gogh 「Montmartre」 (Canvas on panel 43.6 x 33.0 cm. Paris: Autumn, 1886) ちょっと見ただけだと、ゴッホの絵画とは思えないかもしれない。はるかな世界への眼差し。
フィンセント・ファン・ゴッホについて、いまさら紹介するまでもないし、小生の感想など、誰も聞きたくないだろう。
今日は、ゴッホの絵の数々を見ながら、気まぐれにほんの少しだけ、思い出に耽ってみる。
→ 徐京植(ソ・キョンシク)著『汝の目を信じよ! 統一ドイツ美術紀行』(みすず書房) 「矢野静明との対談「苦悩の遠近法――いま、ゴッホを語る」なども併収」。
まあ、この記事(日記)に意義があるとしたら、ゴッホの中で比較的、目にする機会の少ない作品を敢えて採り上げていることくらいか。
ところで、著者の徐京植…。その名前を、何処かで聞いたことがあるような。
← Vincent van Gogh 「The Cottage」Oil on canvas 65.7 x 97.3 cm. Nuenen: mid May, 1885) 戦災で全焼する前の農家だった我が家…のみならず、近在の農家をつい想ってみたり。ゴッホには、一時期、農家ばかりを描いていたことがあったようだ。
そうだった。数年前、同氏著の『ディアスポラ紀行 追放された者のまなざし 』(岩波新書)を読んで、簡単な感想を書いたことがあったのだ:「ディアスポラ…書くことが生きる場所」
→ Vincent van Gogh 「Cottage with Trees」 (Oil on canvas on panel 32.0 x 46.0 cm. Nuenen: June, 1885) この頃のゴッホが日本の版画(浮世絵など)に接していたか分からないけど、何処か版画風(川瀬巴水など)に感じられる。
「韓国が軍事政権だった時代に政治犯として刑務所に入れられ、耳がなくなるような拷問を受けた兄二人を持つ人の書くもの」で、著者の嗜好は、(カビの生えたようなタームを使えば)社会主義…というより社会派リアリズム絵画(題材)への嗜好が色濃い。
(ゴッホの作品画像は全て、「The Vincent van Gogh Gallery」より)
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