ヤーコブ・イサークスゾーンの地獄業景
サイモン・シャーマ 著の『レンブラントの目』(高山 宏 訳 河出書房新社)をこの十日間、ちびりちびりと読み続けている。
← Jacob van Swanenburgh (ヤーコブ・ファン・スヴァーネンブルフ Leiden c.1571-1638) 『Hell(地獄業景)』(oil on copper 48.8 x 71.1 cm.)
何年か前、同じ著者の『風景と記憶』(高山 宏 /栂 正行 訳)を読んで、深く感銘を受けたので、本書が出たら、買うつもりでいたのだ。
幸い、頂いた金券があったので、高くても手が出せたのである。
本書の内容についての感想は、書くかどうか分からないが、例によって、本書に登場する(小生には初耳の)作家の作品を幾つか、ブログに載せる。
→ Jacob Isaacz van Swanenburg『Hell』 『アエネーイス』第六巻のあるくだりを描いたもの。「クマエのある巫女(ふじょ)がアイネイアースに、酒瓶の口じみたものの蓋越しに冥界を見せるというくだりである。真下には、おっぴらかれた鼻、鋭い歯をした顎(あぎと)があって、時をも啖(くらわ)んいう迫力で、その傍を裸形の罪人たちが沢山の魚の餌のように、白い姿をごちゃごちゃ押し合いへし合いしながら列になって奈落の劫火へと追い立てられていく地獄業景である」(本書p.221)。 レンブラントには、スヴァーネンブルフの影響は微塵も見出せないと、著者は言う。
← Jacob van Swanenburgh 『Witches Sabbath in Roman Ruins』(1608)
掲げるのは、かのレンブラント・ファン・レインが若い頃のほんの一時期、弟子入りしたという、ヤーコブ・イサークスゾーン・ファン・スヴァーネンブルフの作品の数々。
いかにもブリューゲルの二番煎じ風な作品だが、まあ、こういった世界は嫌いじゃないし、興味本位で眺めてみる。
→ サイモン・シャーマ 著『レンブラントの目』(高山 宏 訳 河出書房新社) 「17世紀オランダ、宗教戦争の渦中で育った神童は、どのようにしてルーベンスを越えて超絶芸の画家となったのか。その生涯と時代の全てにせまるレンブラント伝にして絵画論最高の超絶作」というが、700頁余りの本となると、確かに超絶本である。年内に読み終えられるやら。
なお、著者のサイモン・シャーマについては、著書(『風景と記憶』)の感想というわけではないが、関連拙稿に以下の数々がある:
「ジョン・ラスキン追記」
「ルーク・ハワード(後篇:雲と風景画と)」
「森の中のフリードリヒ」
「アルトドルファー追記」
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