我が父の篆刻作品
父が長年、篆刻に打ち込んできたことは、かねてよるブログにても書いている。
「篆刻(てんこく)とは、印章を作成する行為である」。使用する文字(活字・字体)は、「主に篆書を刻することから篆刻」と呼ぶわけである。
今日は、父の仕事のほんの一部を示してみる。
→ 「越中銘酒百選」
越中(富山)の銘酒は数知れずある。
風の盆、勝駒、満寿泉、銀嶺立山、吉乃友、幻の瀧、富美菊、黒部峡、銀盤、藤波、氷の舞、三笑楽、若駒、八乙女、成政、連峰立山、若鶴、羽根屋、曙、太刀山、弥久などなど。
宗匠の指導の下、父も含めた何人もの弟子たちの合作(共作・競作)。悲しいかな、どの印影(篆刻作品)が父のものか、確かめていない。
← 「立山七二峯」
東山の山々を総称して、「東山三十六峰」と呼称することくらいは、無知な小生も知らないではなかった。「立山連峰」という呼称だって、小生は愛唱してきた。しかし、「立山七二峯」なる名称は、この軸作品を見て初めて知った。立山連峰の主な山には、僧ヶ岳、毛勝山、釜谷山、猫又山、剱岳、大日岳、奥大日岳、別山、立山、浄土山、鳶山、越中沢岳、薬師岳、太郎山、北ノ俣岳、黒部五郎岳、鍬崎山、大品山などなど。主な山だけでもこれだけあるのだから、峰の数が相当なものに登るのは容易に想像が付くだろう。
↑ 「立山連峰の風景」 (画像は、「立山連峰 - Wikipedia」より)
→ 「越中万葉百歌」
富山は、『万葉集』との縁が深い。なんといっても、『万葉集』を(最終的に)編集した大伴家持が越中守として富山(当時は、能登を含めて越中だった)へ着任。『万葉集』全体で和歌は4500余首。『万葉集』には、家持の歌が474首。実は、家持は、そのうち220首を越中の国府に来ていた時に詠んでいる。「越の国と大伴家持 上田正昭」など参照。
← 「辰宿列張」(しんしゅうれっちょう)
「千字文」から採られた言葉。冒頭の一節だけ転記する:
天地玄黄 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列張
意味は、「天の色は赤黒(玄)く、地の色は黄色く、宇宙は広くはてしが
な」く、「日は欠け(昃)たり、月は満ち(盈)たりして、星座(辰宿)は大空一面に敷きつめ(列張)ている」
→ 「天機清徹」(てんきせいてつ)
『菜根譚』の中の言葉で、以下の詩から採られた言葉:
鳥語虫声、総是伝心之訣。
花英草色、無非見道之文。
学者、要天機清徹、胸次玲瓏、触物皆有会心処。
意味は、「菜根譚 超訳 ■後集7項」を覗いてもらうとして、「天機清徹」((てんきせいてつ)の意は、「生れながらにして備わっている純粋無垢な本心」のようである。
以下の画像は、おまけ(?)
← 「水閣詩声」?
「水閣」とは、「水辺に建てた高殿」。
これは、小生が台湾(台北)への社員旅行の際、土産物店で買い求めた掛け軸。もっと気に入った軸があったのだが、予算が足りず、この軸を買った。今も、思い切ってあの軸を買わなかったことを後悔している。
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