せめて草むしりだけは
サルトルの『嘔吐』、一時期は「メランコリア」という題名を考えていたとか。無論、デューラーの同名作品に影響されて。「憂愁(憂鬱)」じゃ、大分、作品に抱くイメージ(先入見)が違ってくるなー。
→ デューラー『 メランコリア I 』
デューラーの「メランコリア」については、拙稿に「デューラー『メランコリア I』の周辺」や「デューラー『メランコリア I』の「I」再び」がある。
「ブレスダン…版画と素描と」にても、「メランコリア」を扱っている。
さらに、デューラーについては、「デューラーのモノグラム(サイン)の謎」や「デューラーの憂鬱なる祝祭空間」などの拙稿がある。
サルトルの『嘔吐』は、サルトル全集の白井浩司訳で三度、読んだことがある。 彼の哲学はともかく、この小説『嘔吐』には魅了された(『存在と無』も、小説を楽しむように読んだっけ)。 白井浩司訳も、十数年前に改訳が出ているのだが(実際、書店で目にし、パラパラ捲ったのだが)、今回は、鈴木道彦による新訳『嘔吐』(人文書院)を購入し、今朝から読み始めている。

← J‐P・サルトル著『嘔吐』(鈴木 道彦 訳 人文書院) 表紙にデューラーの「メランコリア」が使われている。
梅原猛さんの新著『葬られた王朝―古代出雲の謎を解く―』(新潮社)を読了。何故か同氏の本は古田武彦氏の本同様、大概、読んでる。学術的な面は分からないが、小説より面白いかも。いずれにしても、古代出雲王国の実在は最早、疑いないのでは?
梅原猛の本は、『水底の歌』など、これまで大半の本は読んできた(「梅原猛著『日本の深層』」など参照)。 同氏の論理の妥当性はともかく、柿本人麻呂への関心を掻き立ててくれたのも、同氏の本。出雲の王国の存在を強く匂わせる加茂岩倉遺跡(銅鐸)や神庭荒神谷遺跡(銅剣など)は、農道工事で偶然、発見されたという。
近隣などにどんな遺跡が眠っているか、想像が膨らんでならない。

← 梅原猛著『葬られた王朝―古代出雲の謎を解く―』(新潮社)
富山(呉羽)の小竹貝塚発掘「縄文前期埋葬人骨71体」関連のニュースは、次々と新しい発見が。人骨、犬の骨、乳児を埋葬した土器、丸木舟…。
「縄文前期埋葬人骨71体」なるニュースについては、(少なくとも富山では)テレビでもトップニュースに近い扱いで報じられていた。
ここでは一部だけ、転記させてもらうが、可能なら前文を載せて紹介したいくらい:
富山市呉羽町北の小竹貝塚の発掘作業が終わり、県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所は14日、縄文時代前期(約6000~5500年前)に埋葬された人骨71体と犬の骨11体、乳児を埋葬したひつぎとみられる土器4基が見つかったと発表した。同事務所によると、人骨、犬の骨とも同時期では国内最多とみられる。丸木舟や、関東・関西地方の影響を受けた土器も発掘され、専門家は「狩猟だけでなく交易や人の移動も盛んで、地域の中核的な集落だった可能性が高い」としている。「骨は時間をかけて乾燥させ、国立科学博物館(東京)に来年度、分析を依頼する。同博物館は数年かけて形態や大きさの測定、DNA分析を行い、集落内の血縁関係などを調べていく」とのことで、「同事務所の岸本雅敏所長は、「2013年度に刊行予定の調査報告書に埋葬人骨の分析結果も盛り込みたい」」という。
なんと3年先! 刊行が待ち遠しい。
先週、庭仕事で汗びっしょりになり、家で水浴びしたら、寒くて風邪を引いた。それに懲りて、今日は草むしりのあと、銭湯へ。風呂で汗を流すのが正解だね。
今日は、数年前まで我が家の田んぼで、耕作が叶わなくなり手放し、今は他人の土地になっている畑で草むしり。
その畑は、近隣の方たちが分割して畑作りしている。
我が家も、お零れに預かっているが、小生の怠慢で耕作放棄。
でも、せめて草むしりだけはしなければと思い、今日、二時間以上を費やして懸命に作業。
もう、根っ子が深く強く蔓延っていて、畑にはなりそうにない……。
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コメント
サルトルの嘔吐は、合田なんとかと言う人が、むかつき、と訳してますね。
なかなか外国語の訳は難しく、ハイデガーのWeltbild、普通は世界像と訳されますが、渡邊二郎さんは世界統握と訳してますね。
さてデューラーですが上野の国立西洋美術館と芸大美術館で二つの展覧会が開かれます。相互割り引きしても良さそうですがー。
弥一さんは富山へ帰られてから、いろいろな事情で美術館どころではないようですが、ゴッホ展なんてもう10万人とかー。
わざわざ混雑している展覧会行かなくてもと思いますけどね。
投稿: oki | 2010/10/22 23:00
oki さん
合田さんは、サルトルの『嘔吐』を、「むかつき」というタームで把握し解釈することで、現代っ子に分かりやすく(?)現代を切り取って見せようとしているらしい。
東京はいいなー。展覧会が目白押し。
富山にもそれなりにあるけど、選択の余地が限られる。
これから追々、展覧会に足を運びたいと思ってますが。
ゴッホもいいけど、いい作家はほかにもたくさん、いると思いますがね。
投稿: やいっち | 2010/10/23 21:47