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2010/10/11

クロード・グラスの周辺

 ある本を読んでいたら、クロード・ロランという名前に出会った。
 前にその名を耳に(目に)したような。

Claude_lorrain_026

← クロード・ロラン Claude Lorrain (1600-1682) 『Seaport (1674)』 風景画家として風景画の最も初期の頃に活躍したの一人。当時は、風景画なんて、論外のジャンルだった。(画像は、「Claude Lorrain - Wikipedia, the free encyclopedia」より) (ロランについては、「クロード・ロラン - Wikipedia」など参照)

 さては、小生、本ブログで言及したことがあったような。
 調べてみたら、確かにそうだった。拙文中に掲げられている絵を見て、クロード・ロランのことを思い出した。


 以前、拙稿「天体が風景画の点景に」の中で(直接の対象としてではなく)言及し、且つ彼の絵も掲げている。
 ジョン・コンスタブルが絶賛した17世紀の画家であり、且つ、ターナーが模倣などを行った風景画家である。

 ところで、今さら本稿でクロード・ロランに言及するのは、上掲書にて、(クロード・ロランに関連して)クロード・グラスなるタームに遭遇したからである。

Claude_lorrain_011

→ Painting by Claude Lorrain (1655-1660) shows the gradation of tone that artists hoped to emulate with the help of a Claude glass. 「画像は、「Claude glass - Wikipedia, the free encyclopedia」より)

 クロード・グラスって何? 
 調べると、クロード・グラスとは、「グレー=シュル=ロワンと明治のピクチャレスク 荒屋鋪透 研究論集3 三重県立美術館」によると:

文学者や芸術家は、ピクチャレスクな風景を求めて、こぞって旅に出掛けた。その旅の必携となった小道具に「クロード・グラス」という鏡がある。クロード・グラスは、広大な風景を手元に小さく映し出す凸面の鏡で、表面が淡いセピア色に施されている。そのため、別名グレイ・グラスともいい、一般的な銀の鏡とは異なり、そこに映るものの細部までは見えにくい。全体の形と明暗のみが強調される映像なのである。

「そこに映るものの細部までは見えにくい。全体の形と明暗のみが強調される映像」とあるが、逆に凸面に映る映像が絵画的に見えて人気を呼んだわけである。

 さらに詳しい説明は、上掲サイトに求めてもらいたい。

9784000244619

← 岡田温司『半透明の美学』(岩波書店) 「なぜ「半透明」に注目するのか。そこからいかなる新しい世界が開示されるのか。しかし、そのどっちつかずの両義性にこそ、従来の芸術観を乗りこえる感性と思考の潜勢力が宿っているのだとしたら ?」といった内容の本。本書で、「クロード・グラス」なるものを知った。読んでいて久しぶりにメルロー・ポンティの本を読みたくなった。それと、フランシス・ベーコン論の書だというジル・ドゥルーズ著『感覚の論理』(山縣煕訳 法政大学出版局)なる書を知ったのは本書を読んでの収穫。それにしても、本書の表紙(装丁)、あまりに本書のテーマの半透明とか曇りとかに引きずられ過ぎと思うのだが。

 その凸面鏡が何ゆえ、クロード・グラスと呼ばれるかというと、「『クロード・グラス』 - 蒼猴軒日録」によれば、「ピクチャレスクな風景に出合ったとき、やおらそれを取りだし、風景に背を向けて(これが面白い)鏡を覗くと、風景が縁取られ、しかも凸面によって構図が強化され、まるでクロード・ロランの風景画のような風景が目の前に現出するというもの」だからのようだ。
(「クロード・グラス」について、より詳しくは、「A Journey Within A Journey » Blog Archive » The Claude Glass - Polarities of dark and light - Victoria and Albert Museum」や「Claude glass - Wikipedia, the free encyclopedia」にて。)

 3Dテレビが持て囃されつつあるが、特殊な加工したメガネで、それを掛けると、目の前に広がる風景が絵のような映像になるってのは、流行るってことは……、今さら、ないか。

 関係ないが、本稿は、メンデルスゾーンの「無言歌」(アドニ)を聴きながら綴っていた。
 繰り返し、繰り返し、聴いている。

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