身内の前でタバコは止めて
来月からタバコが大幅に値上がりする。
タバコの増税の結果だ。
愛煙家は自己防衛に工夫を凝らしたり、あれこれ懸命なことだろう。
← 「マダコ Octopus vulgaris」 「海洋棲の軟体動物で、主に岩礁や砂地で活動」し、「その柔軟な体のほとんどは筋肉であり、ときには強い力を発揮する」。「無脊椎動物の中で最も高い知能を持っていて、色を見分け、形を認識することや、問題を学習し解決することができる。例として、密閉された捻蓋式のガラス瓶に入った餌を視覚のみで認識し、ビンの蓋を捻って餌を取ることができる」。体色の変化は、カメレオンの比ではない! ワールドカップで誰よりも活躍し話題になった例のタコのパウル君もマダコである。 (画像は、「タコ - Wikipedia」より) (念のために書き添えておくと、別に、タバコからタコを連想したわけじゃない。たまたま今読んでいる本で(も)タコの知能の高さが称揚されていたからである。)
タバコは、遠い昔、愛煙家の端くれだった小生としては、常習性はもとより趣味性が強い、まさに嗜好品だと理解する。
昔、大人はタバコを吸うものと決まっていた。
タバコ(その種類は、いろいろだが)を燻らしつつ、あるいはパイプの煙を昇らせつつ、時に部屋中をタバコの煙で濛々とさせつつ、あれこれ思案を巡らし、それとも考えるふりをしていた。
なんとなく、考え深げに見えるし、実際、世間のあれこれ、人付き合いのあれこれを前にして、短慮はならず、タバコを燻らせつつ、どうしたものかと思案投げ首だったりしていたのだろう。
言葉が途切れても、間が持たないということもない。
映画やテレビドラマの主人公(やその敵役)たちは、大概、タバコを苦そうに吸っている。
吸わなくとも、口の端に銜えて、世の荒波に一人立ち向かっていく。
孤独に耐えて。
人生の苦さをタバコの苦味に嗅ぎ取っていたのでもあろうか。
弱い心を内に秘めつつも、敢えて押し殺し、決断し、ドアを開け、あるいは温もりの場を去っていく。
口にしていたタバコを投げ捨て、それだけでは飽き足らず、靴で踏み躙ってまでして、孤独な後ろ姿を残して去っていくのだ。
踏み躙るのはタバコだが、それはやがて来る自らの運命だったりする。
巨悪だったり、巨大な組織、巨大で複雑な社会へ、要するに世間に木の葉それとも笹舟の如き身を晒す、翻弄されに任せる。
石原裕次郎、松田優作、フィリップ・マーロウ……。
(意外なのは、クリント・イーストウッド演じるダーティ・ハリーことハリー・キャラハンがタバコ嫌いだということ。)
しかしそれこもれも昔の話だ。
タバコは、アスベストなのだ。
それも発信源は、公共の機関の類いではなく、<あなた>自身であるアスベスト。
タバコを個人的に嗜むのは勝手なことなのかもしれない。
しかし、タバコを吸う人が身近な人だったりすると、個人の勝手と、大人の処し方で接するわけにはいかない。
あなた、そこでタバコを吸っているあなた、あなたの傍には妻がいる。
あなたの愛する妻のはずだ。
その妻は、小生の姉なのだ。
あなたがタバコを吸おうとどうしようと勝手かもしれないが、オレの姉の前でタバコを吸うのは止めてくれないか。
あなたの傍には、息子や娘がいる。
あなたの愛する息子であり娘のはずだ。
オレの息子でも娘でもないけれど、しかし、オレの愛する大切な姪っ子、甥っ子なのだ。
あなたはあなたの人生観があり主義主張があって吸っているのだろう。
そんなものに干渉するつもりなどサラサラない。
そんなものには、オレは何の興味もない。
それどころか、あなたはオレより、ずっと優しい、情の深い人間だと、オレは(オレだけじゃない)そう心底、信じている。
でも、あなた、あなたの傍には、孫娘、孫息子がいる。
あなたの愛する孫娘であり、孫息子のはずだ。
オレの孫娘でも孫息子でもないけれど、でも、オレは密かに勝手にそれくらいの気持ちで彼らを愛している。
そんな愛する妻や、息子や、娘や、孫娘や孫息子の前で、どうして同じ部屋で平気でタバコを吸えるのか、オレには理解できない。
タバコを吸うとは、誰かの表現を借りれば、同じ空間を共有する誰彼の体を心を命をヤスリで削っているようなものなのだ。
人前でタバコを吸うとは、白昼堂々、傷害行為を為しているようなものではないか。
タバコを吸った唇で愛するとは、毒を相手に擦り込んでいるようなものではないか。
優しいはずのあなたが、どうしてそんなことに気付かない?
ああ、オレの姉、オレの(気持ちの上での)息子や娘や、孫娘や孫息子の前で、どうか、あなた、タバコは吸わないでくれ!
……なんてことを、親戚の人間には、姉の旦那さんには、言えない。
ひたすら、分かってくれること、自ら気付いてくれることを祈るばかりだ。
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コメント
そうなんですよね、うちの父もヘビースモーカーで肺ガンでしたから。
そもそも歩きながらタバコを吸う輩が多すぎる、でタバコはポイ捨てだ。
たとえばタバコの火が、小さな子どもの顔にかかったらとは考えないのだろうか?タバコの火の粉が原因で草木が燃えることだってある。
そう、昔はパイプでタバコを吸うのが風流だったりもした、しかし喫煙と健康がこれだけクローズアップされてはー。
けど繰り返すけど、変な輩が多すぎる。
喫煙は喫煙コーナーで身を小さくしてすべきなのに、喫煙禁止地域で堂々と吸う。
本当の愛煙家なら家のなかで慎ましく吸って欲しい。
さて、僕は業者に庭の草木剪定してもらったから、秋は落ち葉拾いしなくてすみます、弥一さんはご自分で剪定されているとか、凄いなあと。
投稿: oki | 2010/09/28 23:19
県庁舎の全面禁煙、県議らが「待った」だって。碌でもない県議たちだ。自民党どころか民主党の議員も。 http://mytown.asahi.com/areanews/akita/TKY201009270345.html
一部を転記しておく:
県庁舎内の全面禁煙に反対――。たばこを吸わない人が煙を吸うことで健康に悪影響を及ぼすのを防ごうと、県が取り組む受動喫煙防止対策に、県議会で過半数を占める自民党と民主党の県議が待ったをかけた。自民県連会長の鈴木洋一県議は「禁煙に神経質になりすぎだ。多少の煙が健康に被害を及ぼすとは考えすぎだ」と発言。たばこによる深刻な健康被害が世界的に叫ばれる中、県議らのこうした発言に県は対応を迫られている。
県への全面禁煙撤廃の申し入れをしたのは、自民・民主の全県議でつくる「県議会葉たばこ生産議員連盟」(会長・佐藤健一郎県議、28人)。この日行われた議員連盟総会で、10月1日から実施されるたばこの増税で消費の落ち込みが見込まれるとして、たばこ税による地方財源の減少や県内の葉タバコ生産者の減収を挙げ、「喫煙室で庁舎内を分煙化することで対応してほしい」と要望をまとめた。
県は今月10日から約2カ月間、来庁者も含め庁舎内の全面禁煙を試験的に実施中だ。厚生労働省の公共施設での受動喫煙防止に向けた通知を受けたもので、2006年4月に庁舎内での職員の喫煙が禁止になった後も残されていた来庁者のための喫煙室を一時的に閉鎖。庁舎の入り口付近や食堂を禁煙にしている。ただし、議会棟の議員控室は喫煙が禁止されていない。
「全面禁煙の撤廃」を求め、県の担当者を議会棟に呼び出し、佐藤会長ら6人の自民県議が行った申し入れでは、県は「意見は参考にしたい」と返答。11月からは全面禁煙を目指している県は、これまでに22の自治体が本庁舎内の禁煙を実施していることを県議らに説明したが、鈴木県議は「他の県が禁煙しても秋田県だけ独自にやればいい。職員はたばこの煙なんか気にならないくらい仕事に没頭しろ」とした。
秋田・たばこ問題を考える会代表で外旭川病院の三浦進一院長は受動喫煙の危険性について、「分煙とは部屋を分ければできるものではない。少しの煙でもぜんそくや心臓の発作を起こしかねない」と警鐘を鳴らす。また、喫煙率を下げなければ、がんの死亡率は決して下がらないとして、「県民の健康を守る意識を持って県職員が禁煙に取り組んでいるのに、水を差してほしくない」と話した。(斉藤寛子)
(以上、転記終り)
こんな碌でもない県議など、早急に辞めさせないと!
投稿: やいっち | 2010/09/29 05:35