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2010/09/27

星月夜に落とし穴

 以下は、昨日未明のツイート(投稿・呟き)である:

昨日未明は、凄みを感じさせるほどの月光、数え切れない星屑。あんな星月夜のもとで仕事できたのは、幸い……と思ったら、とんでもない落とし穴が待っていた。

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→ 池内 紀 著『カフカの生涯』(白水Uブックス) 病院での待合時間などに読もうと思っていたが、返却期限が迫っているし、読み始めたら止まらないので、自宅でも読み始めた。カフカ、端正な顔立ちということもあり、女性に(も)持てる。若い頃から女性にモーションを掛けられていて(売春婦とも付き合った…、というより、娼婦などを相手だから、フェリーツェに対してのように手紙だけの付き合いじゃなく、肉体的に接することができたのか…)、女性体験は豊富(ただし、あくまで娼婦らを相手の体験のようだが)、なんてプロフィールを再認識。それと彼の文学世界と直接の関係があるかどうかは別の話だが。


 実際、日曜日未明の夜空は、数知れない星が眩かったし、月影も清かどころか、どうみても自身で輝きを発しているように見えてならなかった。
 星の数は、さすがに高原などで見るようには降るほどじゃないし、流れ星が途切れることもなく生まれては消えていく、そんな魂を震撼させるような光景ということもなかった。

 けれど、繁華街や市街地を離れているとはいえ、とりあえずは富山市内の住宅地なのである。
 夜中の二時過ぎ、家を出た瞬間、いや、玄関のドアを開けた瞬間、眼を射抜くような星の煌きに思わず、おー、とばかりに声をあげそうになったのも事実。

 外は月明かりに満ちている。
 急いで庭先に出て、空を見上げたら、煌々と照る月影。

 この数日、もやもやする天気で仲秋の名月も雲に遮られて見逃してしまっただけに、天頂近くにまします久しぶりの月影には感激せざるを得なかったのである。

 それどころか、土曜日には、仕事でバイクを駆っていて、あと一キロで営業所というところで、ガス欠してしまい、バイクを押して会社へ戻るという羽目に陥ったりした。
 出発前にはガソリンの残量を確かめていて、ギリギリ間に合うだろうと踏んでいたのだが、ジャストアウトだった。
 若い頃、オートバイに乗りたい駆りたい一心で、仙台の町を、あるいは帰省の旅をバイクで走り回ったものだが、後先考えずに乗るもので、タイヤのパンクやらチェーンの不具合、転倒、そしてガス欠などを経験したものだった。
 パンクやガス欠だと、あとはバイク店かガソリンスタンドまで押して歩くしかない。
 若いから、少々の無理は利いたのだが、そんなドジさえ、懐かしいな、なんて何十年ぶりのガス欠という無様を経験し、未明の富山市内の郊外の道をバイクを押して歩きつつ、考え深くなっていたのだった。
 
 不順続きの天気と惨めなガス欠体験。
 そんな中での星月夜だったからこそ、尚のこと感激したのだと思う。


 そんな星月夜のもとで、バイクを駆って、市街地を目まぐるしく駆けずり回って、方向も眼が回るほどに転換する。
 なので、月影が思いがけない方向に現れたりして、その不意打ちのような出現に面白がっていたりしたのだった。
 気候も、ジャケットを羽織っていてもジッとしていると寒いほどだが、仕事のため這い回ると、自然、体が火照ってくる。

 ほんの数日前だったら、汗が滲み始め、下着が濡れて不快な気分になったりするのだが、気温が20度前後となると、体の火照っても汗が滲まないのである。
 体と下着が触れたり触れなかったりする、その微妙な感じが心地いい。
 それは下着が乾いている…汗が滲まない…からこその快感なのである。

 爽快な気分で、いつもより早めに仕事を終えることができた。

 が、営業所の駐車場にバイクを止めて間もなく、とんでもないことに気付かされた。
 それは、ウエストポーチが無くなっていたこと。
 ポーチの中には、デジカメや手袋(軍手)のほかに、財布と小銭入れが入っている。
 デジカメ、軍手、小銭入れはともかく、財布はまずい。
 
 ショック!

 慌てて営業所の近辺を探したが見つからない。
 仲間が戻ってきたり、営業所の入っている団地の住人が通り過ぎたりするが、甲斐もない。

 ウエストポーチは一体、いつ無くなったのか、自分で分からないのが情けない。
 まさか出発する時点から無かった、あるいはそもそも持参するのを忘れた…なんてことは、ない!

 仕方なく、車に乗り、営業所から仕事しているエリアへと舞い戻った。

 無論、路上を目を凝らして眺めつつ営業エリアへ。
 仕事するルートを逆走して、ひたすらポーチを探し求めるも、おお! あの路上の黒い物体は…我がウエストポーチ! ってな夢のような事態は起きなかった。

 いつもより数十分、遅く帰宅。
 言うまでもなく、カード会社や銀行などに電話。
 警察への届出は…、タイミングを迷った。

 というのも、小生の仕事は毎日のこと。休日はない。
 つまり、翌日の未明も仕事しないといけない。
 仕事先へは車で、仕事はバイクで(雨の日は車)。

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← 「ブリューゲルの真作と断定された「聖マルティヌスのワイン」=プラド美術館提供」(6世紀フランドルの巨匠ピーテル・ブリューゲル(父)の大作。 縦148センチ、横270.5センチの大型のテンペラ画。1565~68年に制作) (画像は、「asahi.com(朝日新聞社):巨匠ブリューゲルの大作見つかる プラド美術館 」より)
 
 その前に、営業所から家への帰宅も、いやもっとその前に、警察署へも、車で、というわけには免許証なしでは、思い通りにいかない。
 
 それで、とりあえず、帰宅し、銀行などへの連絡を済ませた後、仮眠を取った。
 警察、というより、まず家の近所の交番へ自転車で向かい、紛失(小生としては盗難も想定していたが)届けをしたのだった。
 さすがに、落として数時間では、誰からも拾得の届出など、あろうはずもない。
 
 大切なのは、翌朝も必要な免許証。
 免許証の再交付の手続きを教えてもらったが、調べてみると、土日(祭日、振り替え休日)には再交付の事務は行なっていないというのだ!
 免許証の紛失(盗難)は、日曜日だからないってことはない!
 仕事だって、日曜日だろうが夜中だろうが、時間帯が融通利くはずもない。
 なんだって、土日などにも再交付の手続きをしないんだ!

 仕方なく、(今だから書くが、ここだけの話だが)免許証なしで月曜日未明のバイク仕事を行なったのだった(言うまでもなく、営業所への往復の通勤も車、免許証不携帯である)。

                                   (この項、続く)

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