落とし穴にも壺中天
[本稿は、「星月夜に落とし穴」や「蒼穹の空のもとはるばると」に続くものです。]
恐る恐る窓口へ。
すると、窓口の女性が、
「今、警察署から電話がありまして、あなたの落し物が届けられたそうですよ」だって!
→ 「カクレクマノミとイソギンチャク」 「イソギンチャクは、さまざまな動物と共生していることが知られている」。(画像は、「イソギンチャク - Wikipedia」より)
小生、一瞬、耳を疑ったが、窓口の女性が冗談を言うはずもない。
さらに窓口の女性曰く、
「今すぐ、警察署へ向かわれますか?」だって。
もちろん!
収入印紙を貼り押印した申請書類や写真などを返却された。
印紙を買った窓口で、印紙代も払い戻し。
その窓口の女性、にこにこする小生の表情で察している様子。
「届けられたって、電話があったんですよ」と、小生は弾む口調で言って、窓口を立ち去った。
あと(十)数分で、免許証が再交付されていた!
(新品の免許証、ICカードの免許証もいいなって、心中では期待していた…。)
自転車を駆り、今度は、弾む心でセンターから落し物が届けられた警察署へ。
一層、爽やかになった風を体に受けつつ、のんびりゆっくり警察署へ。
警察署への最短ルートは分からなかったのだが(慌てる理由もないので、籠に積んであった地図を見る気にならなかった)、見当で多分、この道でいいんだろうと思って選んだ道が、大正解だった。
こんな時は勘まで冴えるのだろうか。
センターから警察署へは、全く迂回も迷いもせず、まっすぐ向かうことが出来た。
途中、バイクでの仕事のエリアに入った。
やはり、バイクでの仕事中に落としたのだ。
警察署の駐車スペースに自転車を止める。
その警察署は、バイクでの配達の途中、立ち寄る箇所でもある、馴染みの場所。
ただ、昼間だと馴染みの顔は見えない(多分)。
一定の手続きを済ませたら、窓口の女性警官がバッグをカウンターの脇から取り出した。
それだ、それだよ! 小生は心の中で快哉の声をあげた。
中味の確認。
カード類やデジカメ、財布などなど無事である。
現金が予想より(落し物の手続きをした際よりも)多かった。
小生の申告より5千円も。
小生の記憶がいかに曖昧かが分かる。
警察署から我が家へは街道に沿って4キロほどか。
帰宅したら、時計は11時15分だった。
帰り、途中で買物しているし、センターでの滞留時間も三十分はあるから、自転車に乗っていた時間は、1時間30分から多くて40分。
自転車(ママチャリ)をゆっくりそれだけの時間、走らせただけで、相当な距離を遠出できることに驚いた。
これは発見だった。
富山市は、市街地については、陸橋などを除くと、平坦な町で、電動アシストなど付いていない、普通のママチャリで随分なツーリングが可能だってことなのである。
嬉しくてすぐに帰ったが、帰宅直後、警察署から電話があった。
「法律で決まっているのですが、届けをしてくれた方へ、5%から2割の間でお礼をしないといけないのです」ということで、相手の連絡先が告げられた。
このことは、警察署で言われるはずのものと思っていたので、何故、窓口の担当警官が何も告げないのか不思議に思っていた。
まあ、現金もさることながら、デジカメ(貴重なデータが残っている)やカード類(買物カードのポイントや、アルバイト先の立替の領収書などが溜まっている)が無事だったし、運転教育センターでの再交付申請料が不要で返却されているし、お礼は相手の言いなりでいいのだ。
ということで、ドラマはいろいろあったが、気分的には、最高である。
冨山も治安が悪くなったと嘆く必要もなくなったし、ね。
[後日談。実を言うと、拾い主とはまだコンタクトが取れていない。電話してもいつも留守電。小生は留守電が大嫌い。何度も架けたが、繋がらないまま留守電にメッセージをとなる。それで、今日、やや風はあったものの、お礼のおカネを用意し自転車を駆って、警察に教えられた住所へと長駆。しかし、町内の近所の方やガスの検針をしている方などに訊いたけど、該当する場所には拾い主の家がない! 教えられた氏名は男性なのだが、ひょっとして、拾い主は女性で、用心のため、警察には敢えて間違った住所(や氏名)を教えたとか?]
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コメント
一昨日、火曜日の夕方だったか、ようやく拾い主の方から電話があった。
なんだか要領を得ない会話だったが、とにかくお礼をすることに。
彼ら夫婦(最初は拾った主人、ついで奥さん)は、今、引越しの最中とかで、だから転居先は未だ表札も郵便受けのネームもないのだという。
だから、小生が警察に教えられた住所を探しても、もぬけの空だったわけが理解できる。
でも、彼らの話では転居する前の現住所にも、表札も郵便受けにも名前が表示されていないという。
不在がちで、会えなくて、郵便受けにお礼を入れるにしても、なんとなく怪しい感があって、躊躇われる。
投稿: やいっち | 2010/10/08 05:43