サカキの木なんて、あったっけ
今日も、お昼前後の一時間あまり、庭木の枝葉の伐採やら雑草刈り。
庭木の剪定…と言いたいところだが、とてもじゃないがそんな知識も技能も経験も有していない。
ひたすら、伸びすぎた枝葉を適当に、全くの勘で、立派な剪定鋏を使ってバッサバッサとやっている。
庭の雑草を刈り取ったり毟ったりする前に、畑の雑草も気になっているのだが、庭の世話をしていると、庭の樹木の周辺の雑草が嫌でも目に入るので、畑に辿り着く前に、やはり、とにかく庭の整理に一応の目途を付けないと、オチオチ畑には手が出せないと観念。
庭にどんな樹木が生えているのか…。
杉や松やキウイや梅、ミカン、萩、南天、サツキ、カエデ(モミヂ?)、ツツジ、ユリノキ、泰山木、夾竹桃などなど、名前の分かるものもあるのだが、未だに正体不明のものもある。
台風の余波の雲や少しの雨で、暑さもやや凌ぎやすく、庭仕事の最中に眩暈に襲われることはなかった。
完全装備の衣服を脱ぎ捨て洗濯し、体も水浴びし、食事を済ませ、煎茶と番茶のブレンド茶を喫していたら(熱いお茶!)、玄関から聞き知った声が。
「庭の隅っこの木、呉れる?」とか言ってる?
入浴直後で、食事の最中も汗が止まらなかったので、上半身裸で過ごしていた小生、慌てて机の上に放ってあったシャツを着こんで玄関へ。
「あのサカキ、少し、呉れる?」
「サカキ?」小生、ちょっと戸惑っている。
我が家にサカキの木なんてあったっけ?
その人、玄関を上がった先の神棚を見て、「あれ、サカキ、飾ってあるね」と言う。
どうして神棚にサカキを飾ってあったのを見て、不思議がるのか分からなかった(あとで考えたら、今は喪中だし、神様…神社に関係することにはノータッチであるべき、ということらしい。サカキなんて今、飾っちゃ、いけないのかもしれない。小生は分からない)。
「サカキなんてありましたっけ」なんて、小生、頓珍漢な返事をしつつ、サンダルを履いて玄関を出て行く。
その方の導かれるままに、庭の一番、隅っこへ。
そこには名称不明(正体不明)の小ぶりな木が道路に面する杉モドキの樹木の列に隠れるようにして育っている。
昼前後の庭木の伐採作業の最中にも、行きがかりの駄賃というわけでもないが、そんなに繁ってもいない枝葉を若干、伐採していたもの。
「これ、サカキなんですか?」
一層、頓馬な疑問を呈する小生。
どうも、神棚の白いトックリに挿し掛けたサカキの立派な葉っぱとは違うような気がする。
でも、その近所の方は「サカキじゃないがけ」と言うばかり。
「枝葉、ちょっこり、くれんけ」という。
別に断る理由はない。
何本かの枝葉を切り落としたとはいえ、まだ随分と生い茂っている。
裏庭から剪定鋏を持ち出してきて、これだけ切れば十分かなという大きさで枝葉を切り落として、近所の方にあげた。
そういえば、昼に道路に面する一画で庭木を切っていたら、別の近所の方が「ご苦労様」と声を掛けてきた。
誰だろうと、思わず振り返ったら、やはり近所の知り合いの方。
その方、作業していたのが小生だと分かってビックリしておられた。
昨日も作業中の小生を見かけたらしいが、専門の業者の方だと思っていたという。
まあ、頭は父の使っていた麦藁帽子、頭にタオルを被せて、その上に麦藁帽子なので、白いタオルが顔を完全に覆っている(日に焼けないよう、枝葉の木屑や特に、蜘蛛などの虫避けの意味でタオルを引っ掛けている)。
首にもタオル、長袖の作業着、長ズボン、長靴、手袋という完全防備のスタイルだから、小生と分からなくても無理はない。
思わず、「業者を雇えるほど、余裕がないので」とか、「葬儀でおカネを使い果たして」などと言いそうになったが、ちょっと下品な気がして、「この二三ヶ月、庭とか畑、ホッタラカシだったんで、これからボチボチやっておこうと…、四十九日の法要までに少しは綺麗にしたいし」と、無難な返事。
庭で作業していると、滅多に顔を合わせることのない人たちとも挨拶やお喋りする機会がでてくるものだ。
特にこの数箇月は、家の中のことでめいっぱいで、近所の方とも顔を合わせるどころか、道で擦れ違うことすら滅多になかった。
家の中にいるか、車で病院などへ出かけるか、買物へ行くか、いずれにしろ、近所を歩くことも、その前に家の周囲をさえ、雑草の世話などで見回ることもなかったのだ。
まして、昨年のように、ヘチマやゴーヤ、ナスなどを育てる楽しみを持てるはずもない。
やっと父の初めての月命日があったばかり。
家の中の整理も中途半端というより、ほとんど手付かず。
庭や畑も整理し始めたばかり。
父母が亡くなった悲しみや喪失感に浸る日はまだまだ来ないようである。
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