高枝切りバサミに縋ります
このところ、連日、庭木の剪定(断ち切り)作業が続いている。
手の届くところは、剪定バサミでチョキチョキ。
どのようにカットすればいいのか分からないので、あまり調子に乗るわけにはいかないが、猛暑の厳しさを除けば、作業は案外、楽しくもある。
普通に地面に立って、鋏を持つ手を伸ばすだけでは届かないところは、脚立を使う。
その脚立も我が家には何故か二つあって、最初は低いほうを使っていたが、段々、高い枝葉に届かないことがもどかしく、蔵から背の高いほうの(やや新しいほうの)脚立を持ち出して使うようになった。
多分、父も最初は低い奴を使っていたのが、そのうち、樹高の高い木には役に立たないことに頭にきて、背の高い脚立を新たに買ったんじゃなかろうか。
といっても、二つの脚立の背の高さは、一メートルどころか、数十センチほどもあるかどうか。
案の定だろうが、背の高い脚立を使い出すと、低いほうは、庭のどこかで使ったまま、置き去り状態。
さて、でも、立派な脚立を使っても、松の天辺どころか、やや張りすぎた枝葉の中途の枝葉すら半端にしか刈れない。
枝葉が邪魔をして、剪定ハサミが思うように使えないのだ。
(話題にしている松は表の庭に生えている樹高数メートルほどの奴。実は内庭には優に十メートル以上の巨木の松が鎮座している。こちらは高すぎて、初めから手を付けることを諦めている。家の裏には、やはり十数メートルの高さの杉が立っているのだが、こちらも、手の下しようがない…。)
一昨日の夜だったか、ふと、深夜番組か何かで宣伝していた高枝切りバサミのことを思い出した。
高枝切りバサミを使って高いところの枝葉をバッサバッサやる光景が浮かんでしまう。
こうなると、もう、遮二無二買いたくなって、翌日、雨が小降りになったのをチャンスと外出し、四十九日の法要の際の来客用の(夏用の)座布団をすうまいと一緒に購入してきた。
高枝切りバサミといっても、二千円弱のものから一万円ほどする奴までいろいろ。
迷った末、八千円のものを入手。
あまり長くは使えないだろうとは思うのだが、使いたいという欲求に勝てない。
手元にハンドル(グリップ)があり、そこを握ると、2メートル(3メートルまで延ばせる)ほどのパイプの中を伝わるバネがパイプ(棹)の先端に付いているハサミをチョキチョキするようにと機構が働くわけだ。
何処かの接続部分とか、バネとか、何かのつまみとかにちょっとした異変があるだけで、高枝切りバサミとしての機能は呆気なく不能となる。
それでも、四十九日の法要に間に合うよう、庭木の伸びきった枝葉を急いで伐採するには、高枝切りバサミにでも縋るしかない。
当面さえ、役立ってくれればいいのだ。
今秋も、まして来年もなんて贅沢は今は言わない。
使ってみて、どうだったか。
気付いたことは、低い脚立に登れば届くような枝葉であっても、高枝切りバサミを使って、地上に立って剪定するようになっている自分が居たってこと。
脚立に登ればなんとか届く枝葉も、高枝切りバサミなら地に足をつけて、つまり足元の安全に気を奪われることなく、安心して剪定できるわけだ。
無論、本来の目的である、高いところの枝葉を切るため、脚立に登り、さらに高枝切りバサミを使って、照り付ける日光の眩しさとも闘いながら、表の庭の松のほとんどのところの不要な枝葉を切り落とすことができた。
高枝切りバサミの棹(パイプ)の先のハサミは思ったより小さいので(盆栽用のハサミほどか)、太さにして一センチ足らずの枝でさえも、なかなか切れないが、松の枝葉の先っちょの葉っぱなどはバサバサ切り落とせるので、とりあえずは、十分、機能してくれていると言っていいだろう。
そうはいっても、我が家には、脚立に登って高枝切りバサミをめいっぱい延ばしても届かない樹高の木々が何本かある。
それらは、業者に頼むカネもないし、放置しておくしかない。
不満を言えば切りがないが、法要に来てくれた住職に、庭がさっぱりした、見通しがよくなったと、気付いてもらえたし、やるだけの効果があったと思っていいのだろう。
あと、二三回、庭をやり、墓掃除を一回、畑を二回ほど、作業したら、家の外については、目途が付くはずである。
そうすれば、父母の四十九日の(納骨)法要のため、自分として、できるだけのことはやったと思えるかもしれない。
[翌朝になって気付いたこと:本製品のパッケージに記してある名称をよく読むと、「高枝刈込ハサミ」と書いてあった。なるほど!]
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