風鈴を揺らして夏を涼むかも
「涼やかな風鈴の音色で初夏の訪れを感じてもらおうと、富山市古沢の富山ガラス工房ギャラリーで、ガラス風鈴展「夏の音を聴く」が開かれている」といったニュースがあった。
政治やワールドカップ、相撲の不祥事などに隠れた、小さなニュース。
こんなご時世なので、少しは爽やかな話題を採り上げたい。
← 「風鈴」 (画像は、「風鈴 - Wikipedia」より)
「夏の風物詩 初夏の訪れ告げる風鈴」( 北陸発 YOMIURI ONLINE(読売新聞))によると、「同工房や県内で活動するガラス作家約15人が作った約150個を展示。透き通った紺色の風鈴に黄色の星を描いて夜空を表現したり、すりガラス製で高く長い音を奏でたりするものなど、趣向を凝らした作品もある」とか。
せっかくなので、「風鈴」について多少のことをメモしておきたい。
今更、風鈴とは、なんて説明は不要とは思うが、「風鈴 - Wikipedia」によると、「主に日本において夏の間、家の軒下などに吊り下げられる、風を受けると音が鳴るよう仕組みになっている鈴である。夏の風物詩の一つとなっている」というもの。
「金属・ガラス・陶器などでできた小さな鐘、銅鐸の形をしたものが一般的である。鐘の中に「舌」(ぜつ)と呼ばれる部品がついており、舌には糸を通して短冊などがつけられている」というが、小生の性分として、どうしても、その起源(歴史)が知りたくなってしまう。
幸い、「風鈴 - Wikipedia」には、「歴史」の項がある。
「中国では家の四隅に鐘を取り付け、その音で邪気を払ったり吉凶を占ったりしたとされている(占風鐸)。この鐘は風鐸(ふうたく)と呼ばれ、現在でも仏堂や塔などの建造物の軒の四方につり下げられているのが確認できる」という。
確かに、目にしたことはある。
驚いたのは、この説明に続くくだり。
「日本でも風鐸は同様に魔除けとして用いられたが、それに「風鈴」(ただし当時は「ふうれい」)と名づけたのは鎌倉時代の僧、法然であるとされる」!
命名者なのだとしても、実に風情のある名称だ。
「国宝である「法然上人行状絵図」には銅製の風鈴が軒に下がっている光景が描かれている」というが、残念ながら、その画像を見出すことはできなかった。
風鈴の歴史については、下記がさらに詳しい:
「十八金製 風鈴「貴婦人」 日伸貴金属の東京銀器」
「風鈴の歴史 1」には、「風鈴の始まりは、古代インドの仏寺で塔廟から吊り下げて魔除けとして用いられた『風鐸』からといわれてい」る、など、以下、興味深い記述が続く。
さらに、「風鈴の歴史 2」によると、既出の法然と風鈴とのかかわりに付いて、以下のように書いてある:
江戸時代の様々な風物や事項の起源などをまとめた書物として知られる『喜遊笑覧』によりますと、風鈴が一般化したきっかけは、浄土宗開祖、法然がこよなく風鈴を愛していたことから始まるといわれております。法然の言葉で、『風鈴は風を知るためのものにて、音をもてあそぶ具にはあらず』とあります。ここでいう『風』とは、極楽浄土で吹く風を意味し、風鈴は極楽の風の響きを伝えて池の水音を連想させる存在であったそうです。
以下、まだまだ続くが、この先は、リンク先に飛んで確かめてもらいたい。
ただ、ちょっと淋しいのは、「極楽浄土の風の音色とされていた風鈴の価値は、時代と共に大きく変化をしてい」ったのは仕方ないとして、近年、住宅事情などもあり、風鈴が安眠妨害など元凶になったりすることもあるということ。
→ 「ガラス製の風鈴」 (画像は、「風鈴 - Wikipedia」より)
小生の駄句に「風鈴を揺らしてみても夏は夏」がある。
稲穂の波が庭先に広がっているような住宅事情ではないし、風鈴の涼やかな音色を聴いても、昔のようには涼を恵まれるとは限らない。
それでも、風鈴の妙なる音色の値打ちが消え去ることはないだろう。
なお、拙稿に、直接、「風鈴」をテーマにしたわけではないが、現代に生きる明珍火箸ということで風鈴との関わりをメモしたことがある:
「明珍火箸」
あるいは、「江戸風鈴」との絡みで「風鈴」の話題を扱ったことも:
「釣りしのぶ」
(10/06/21 作)
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