デンマーク戦を見たくて頑張りました
丑三つ時過ぎから朝未明までの、まさに真夜中のバイトをしている。
いつもなら、営業所に二時半前到着し、荷物をバイクに積み込み、二時四十分過ぎにスタート。
雨天じゃなく、また作業も順調なら5時前後頃に作業は終わる。
でも、回収した荷物を営業所に持ち帰り、バイクを置いて、車に乗って帰ると、どうしたって五時十五分前後となる。

→ 踏み切りを朝一番の列車が通過する。寝台車のある長距離列車である。
しかし、今朝は、ワールドカップの試合がある。日本代表が決勝トーナメントに進出できるかどうかを決める、デンマークとの大事な試合。
マスコミ(テレビ)の表現を使えば、運命の試合というわけである。
試合は、三時半に始まる。延長はなく、PK戦もないから、試合は五時10分くらいに終わる。
これでは試合はほとんど見ることは叶わない。
そこで、今日は家を早く出て、営業所に二時二十分頃に到着。
もっと早く出ても意味がない。何故なら荷物がまだ営業所に届いていない可能性がある(しばしば)!
万が一、営業所への配達する荷物の延着があれば、全ては御破算となる。
また、雨だと、荷物が営業所に予定通り着いていても、宇宙の配達の作業は、晴れの日より一割は余分な時間を要する。
幸い、天気は晴れ。月影は見えなかったが、星が一杯、キラキラしてる。
荷物も営業所に順調に届いていた。
よって、営業所を二時半過ぎにスタート。バイクによる個別配達作業、開始というわけである。
作業は順調に行なうことができた。
慌てて、配達する順番を間違えたり、素通りして、あとで戻る、なんて醜態を晒さずに済むように、心は逸りながらも、慎重に丁寧に配達していった。
星空の下、昨日ほどではないが、湿度もそれほど高くなく、涼しいくらいで、汗もほとんど滲んでこない。
真夜中過ぎの仕事である。大概の家は真暗である。
街灯が灯っていなければ、バイクのヘッドライトの照射する光以外に、夜道を照らす何ものもない。
家々だって、寝静まっている。
が、さすがに今朝は違った。
普段、真暗で軒の灯りさえ灯っていない家でも、窓の明かりが見えたりするのだ。
ああ、間違いなく、あの家では誰かがサッカーを観戦していると、断言できる!
配達を始めて、一時間後、つまり、未明の三時半、試合開始となり、配達を始めて二時間後の四時半頃、試合はハーフタイムに突入する。
当然ながら小生は、試合経過を全く知らない。
それでも、自分も試合に参戦している気分である。
懸命に作業をこなす。
焦らず、しかし急いで着実に自分の役割を果たす。
淡々と、黙々と。
← 仕事の途中、風景をご馳走に一服。
夜道にバイクのエンジンの音だけが鳴り響く。
スーパーカブの音。
実に良く走るバイクだ。
直線が長いときは、アクセルを全開に出来るってのが嬉しい。
二十歳からのオートバイ歴は、三十年を越えるが、乗り継いできたのはスポーツバイクなので、アクセルを全開にして街中を走るなんて経験は皆無である。
高速道路だって、ほどほどにしかアクセルを開けない。
カブのアクセルを全開にしたって、スピードは高が知れている。
うまくいっても、メーターのリミットの60キロ。
それも、50キロを越えてからの伸びは、ややまだるっこしい。
でも、楽しい。
さて、バイクでの配達作業が二時間丁度で終わった。
これは記録的速さである。
実を言うと、よせばいいのに、天気の良さで、未明の田園風景や空模様があまりに綺麗で、三度ほど、バイクを止めてデジカメで撮影してしまった。
雨でもなく、間違いもなく作業をこなせ、積んでいる荷物も普段より軽めだったのが幸いしている(曜日によって荷物の厚みに大きく違いがある)。
四時半過ぎ。正確には、四時三十五分に終了したのだった。
(風景の撮影をしなかったら、もう少し早かったというわけである!)
急いで営業所に戻り、回収した荷物を降ろし、車で急いで帰宅。
帰宅したら四時五十分過ぎだった。
試合の後半も二十分を経過した頃。
日本が勝っていることは、車のラジオで聴いて知っている。
2vs0!
信じられないような、それでいて、当然の結果のような複雑な思い。
でも、テレビの画面で見ないと!
着替えもトイレも後回し。
とにかく、スイッチをオンに。
2vs0という表示が確かに画面に。
しかも、後半の20分過ぎ。
恐らく勝つだろう。
でも、悪夢が出来しないとは限らない。
その不安は的中しそうになった。
ファウルを取られ、PKとなり、キーパーの必死のセーブも空しく1点を取られた!
2vs1だ!
デンマークの押せ押せのゲーム展開となるのか…。
あとは、文字通り、手に汗握る試合となった。

→ 東の空に朝日が昇る。ちょっと右を撮ると、立山連峰の山並みがくっきりと。
が、杞憂に終わった。
なんと本田圭佑(CSKAモスクワ)のラストパスを受けた岡崎慎司(清水)がゴールを決め、勝利をほぼ手中に収めたのだった。
3vs1だ!
試合の時間帯としては、日本にとっては最悪に近い。
それでも、日本の相当数の人々が観戦していたに違いない。
人々の昂奮を呼び起すサッカーという祭り。
さすがに世界一のスポーツだけはある。
誤魔化しの入る余地がないのだ。
(10/06/25 作)
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