慶応病院へ受診に行った日のこと
[先週の或る日の日記から。いつも以上に舌足らずな表現となっているのは、某SNSサイトの日記欄にメモ書きしたから。誰かが顔の形の異変に最近、気が付いた、といった内容の日記を書いていたので、その日記へのコメントした、そのコメントに端を発した日記なのである。本ブログへのアップに際し、改行その外を若干、変更している。]
← 野暮用があって知人宅へ。久しぶりに3匹の猫ちゃんたちに相見(あいま)えることができた。ゴメンね、休息中のところを覘いちゃって!
「慶応病院へ受診に行った日のこと」
以前、下顎がやけに膨らんだことがあって、怖々病院へ行ったことがある。
もう、二十年以上も昔のこと。
痛みはないんだけど、自分では気にしないようにしていていも、会社の同僚に顎の異常を指摘されたりして。
実は朝、髭を剃ろうと鏡を見たときから、何か変だなと思っていた。
ただ、自分ではその事実を認めたくなかった。
怖くて。
同僚(実際に異変を口に出して指摘してくれたのは上司だった)に異変を気付かれるようでは、誤魔化しようがない。
同僚の視線に背中を押されるようにして、何が原因か分からないまま、最悪の事態も覚悟して病院へ。
明らかに顔(下顎の辺り)が浮腫んでいるのに、痛みがないことがかえって不気味。
やはり、怖い。
向かったのは、慶応大学病院。バイクで自宅から十数分のところにあったし、軽い病気とは思えない気がしていた(← 素人判断って奴。)
近くに病院はあったのだが、当人は深刻な病状を覚悟して、悲壮な覚悟で大学病院へ向かったのだ。町の病院では済まないだろう、きっと精密検査も必要だろう…なんて。
→ 庭先の「突抜忍冬 (つきぬきにんどう)」も、久々の晴れ間に一気に開花。
どの科を受診すればいいか分からず、とりあえず耳鼻咽喉科へ。
そしたら歯科に回され、待つことしばし、すぐに順番が回ってきた。
来たのは女医さん。
あれこれ調べて、曰く、「歯の根っ子が腐って膿んでいる」、だって。
結局、あっさり歯を一本、抜かれちゃいました(断りもなく)!
下顎の異変は直ったけど、あんまり素っ気無く歯を抜かれたことに、拍子抜け。
普通、一言、断るんじゃないの?
とにかく、最悪の事態(下顎ガン)でなかったことに安堵した。
快晴の青い空が眩しかったのを覚えてる。
← 「突抜忍冬 (つきぬきにんどう)」の傍には、「スズラン」たち。さらにその隣りにはドクダミが繁茂し始めている。
[以下は、日記に戴いたコメントへのレス。]
1) 町の歯医者さんだと、いきなる抜歯なんて、ありえないでしょうけど、大学病院のお医者さんって、商売っ気がないというか、必要ないから、説明もしないみたい。
昔のことだと思うけど。
特に若いお医者さんは、患者さんの立場に立つって至難みたい。
学校じゃ、相手の気持ちを忖度することなんて、習わないんだろうなー。
経験しないと患者の不安な気持ちなんて分からない。
頭の良し悪しじゃないし。
2) 実を言うと、この(もしかして顎のガンかしら)騒ぎのあった頃、小生はフロイトの本を読み続けていた。
フロイトの晩年は、「喫煙が原因とみられる白板症(ロイコプラキア)を発症、以後死に至るまで口蓋と顎の癌手術を33回も受ける」といったことで、16年間もの闘病生活を余儀なくされた(それでも、立派な仕事を続けたのが凄い)。
なので、下顎の異常な膨らみを鏡で見たとき、痛みがないだけに歯の異常とは思えず、フロイトのことが脳裏に浮かんでしまって、口蓋や顎の手術をつい、連想してしまったわけです。
病院へ行く前の日は、不安で眠れなかった。
そんな自分に対し、病院の歯科の女医さんの冷酷なまでの冷静さ。
(慶応の医学部は東大の医学部より入学が難しい。同窓生の一人が、東大の医学部に合格したけど、念願の慶応大の医学部の受験には失敗し、ショックで卒業式に出てこなかったっけ。)
私は研究者なの、治療なんて片手間よって姿勢(そのように感じた)に、治療の呆気なさに留まらない、冷たい壁に面しているような気がしたものでした。
→ 昨日の午後だったろうか、玄関の戸を開け、雨の降る庭をぼんやり眺めていたら、何やら青っぽいものが。見ると、青色の小花。「つゆくさ」だ。今年も咲いてくれたんだ。寒いし、まだ開花には季節的に早かろうに、咲いてくれてありがとう!
[「私は研究者なの、治療なんて片手間よって姿勢(そのように感じた) 」ってのには、小生の偏見があるかもしれない。小生は、小学四年の頃、手術その他のため、京大の附属病院に一ヶ月ほど入院したことがある。手術前の或る日の教授回診の際、インターン生に(あちこちの大学病院を盥回しされたことを)笑われた苦い経験を引きずっているのだ。さすがに教授は学生らを窘(たしな)めてくれたけれど。]
(10/05/14 作・編)
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