立山杉の樹齢2000年!
夕餉の支度をしつつ、NHKテレビ(総合)のニュースを見るともなく見ていたら、話題が立山杉のことに。
「ニュース富山人. 新事実!立山杉の樹齢」という番組らしい。
全国放送がローカル版に切り替わってからのメニューなので、富山(乃至、名古屋放送圏)の人しか見ていないだろう。
→ 立山杉の樹齢が2000年だという研究成果が。
何が耳目を引いたかというと、立山杉の樹齢が今までの数百年、せいぜい千年という話が一気に覆(くつがえ)って、二千年に及ぶことが分かったというのだ。
味噌汁を用意したり、オカズを温めたり、あれこれしつつ、断片的に視聴しただけだが、聞いた範囲では、立山杉の樹齢(が数百年という通説)に疑問を抱いた人が、ある研究者に依頼して樹齢を調べてもらったという。
その研究結果がこの度、公表されたわけである。
杉の古木の中の炭素(の濃度?)を調べることで樹齢を割り出したところ、研究者も驚く結果が出たのだった。
「立山杉」は富山県の県木である。
「立山杉」とは、「富山県立山地方の高山多雪地方に生育している天然杉」で、屋久杉(縄文杉)には敵わないものの、NHK特集「巨樹が眠る神秘の森」といった番組が全国放送されるほどの杉の巨木の数々が眠っている…というより、今も息衝いている。
日本三杉である「屋久杉、立山杉、秋田杉」の一つでもある。
小生も、上掲の番組を見て、「NHK特集「巨樹が眠る神秘の森」を観た」という拙稿を書いた。
この番組は、昨年の夏に放送されたものだが、その段階では樹齢二千年という話は一切、出ていなかった(と思う)。
← あることに使われていた立山杉の樹齢が700年だとは分かっていた。この度、約1300年前に伐採されたものだと判明。
上記したように、屋久杉が日本では一番樹齢の古いものと思われている。
ところが、「立山杉の一万年 講師 安田喜憲 氏 国際日本文化研究センター教授」(の中の、「7.十五万年の歴史を刻む立山杉」)によると、屋久杉は:
花粉の化石というものを使って屋久杉の歴史を調べたところ、樹齢六千年という縄文杉は、実際は二千五百年の樹齢しかありません。あそこは、約六千五百年から七千年前の間に鬼界カルデラ大噴火によって全島、アカホヤという火山灰に覆われたのです。それでほとんど絶滅しましたが、海岸のほうに小さく残っていたのでしょうね、それがまた復活して森を作っていったのです。
一方、立山杉は:
一度も絶滅の危機に瀕したことがないのです。十万年の歴史をきちんと持っているのです。
(中略)
この立山杉は、十五万年の間、時には厳しい氷河時代の寒冷気候をくぐりぬけて、現在にまで営々と生き続けている。これはすさまじいことです。
この省略した部分こそが大切だし、面白いので是非、リンク先へ飛んで行ってもらいたい。
そういうことで、せいぜい樹齢千年とされていた立山杉の樹齢についての通説を疑う根拠があったわけである。
番組では、伐採され何かに使われていた立山杉の樹齢が七百年だとは分かっていたが、その伐採された時期が奈良時代だと分かったとも伝えていた。
この辺りのことも、もっと詳しく知りたいと思ったら、翌日の金曜日に特集番組が放送される予定だという。
どうやら、「ニュース富山人. 新事実!立山杉の樹齢」は、翌日の番組の予告編のようで、全国放送なのかどうかは分からないが(多分、地域限定)、 「タテヤマスギの巨樹の森」を長期密着で撮影した特集番組が、明日(本ブログが公表される段階では本日)の5月14日(金)夜8:00~の予定で放送されるようである。
→ 内庭のカエデ。雨に濡れて生き生きしている。
調べてみたら、登山家の田部井淳子さんと内多キャスターの案内で、以下の予定:
「雪の立山 巨樹の森」(これからの放送|金とく|NHK名古屋放送局 2010年5月14日(金) 20:00~20:43 愛知・岐阜・三重・静岡・石川・富山県向け)
参考サイト:
「立山杉の一万年」
「NHK特集「巨樹が眠る神秘の森」を観た」
(10/05/13 作)
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