庭は今、水仙の花盛り
我が家の庭は今、水仙の花の盛り。
我が家だけじゃない、近所を回ると、あちこちで庭の隅っこなどに水仙が咲いている。
ちゃんと花壇にきちんと植えられ育てられているものもあるが、多くは、沿道の片隅に雑草に混じって咲いている。
我が家がまさにそうだ。
もしかしたら家人がいつか植えたのかもしれないが、でも、今の場所を選ばない咲き方を見ると、いずれにしろ大概の水仙の群れは野生化し、勝手に群れ分けしていったものと思われる(あくまで推測の域を出ないが)。
いずれにしろ、梅の木の花はとっくに終わったし、桜の木は我が家にはないし、他の花は植えていないし、我が家で咲く花というと、最近、花屋さんなどで買ってきたものばかり。
それらは、表の車に面する道沿いの花壇に植え替えてあり、家の中からは見えない。
小生が種(球根)から植え育てた花は、今の所、皆無。
昨年、ヒマワリを種から植えて立派に育ってくれたが、あくまで一年草で、涸れて終わってしまった(種を取るのを怠った)。
もっとも、今、思い出したが、もう少ししたらチューリップが花を咲かせてくれるかもしれない。
このチューリップは、昨年、球根で買ってきたもので、庭の花壇に植えたもの。
昨年は何とか花を咲かせてくれ楽しませてくれた。
花の季節が終わった頃、近所の方の真似をして、球根を掘り出し、ザルに並べ、納屋に安置しておいた。
それを、昨年の秋も終わりごろ、表の庭に植えておいたものが、三月になった頃から芽を出し、茎が伸び、今は立派な葉っぱが育ってきているのだ。
栄養が十分でないのか、土壌が痩せているせいか、いずれにしろ土壌が荒れているようで、葉っぱの大きさも随分と区々(まちまち)である。
でも、いいのだ。
育ってきてくれたことに感謝だ。
こんな経験は帰郷して初めてのようなものだし。
この成功体験をバネに、これからも根気よく続けていけば、大きさにばらつきのないチューリップたちの姿を愛でる日が来るに違いない。
いや、そう願いたい!
水仙は、「きれいな花の姿と芳香がまるで「仙人」のようなところから命名された」という。
その「仙人」(音読みすると「すいせん」となる)は、もともとの漢名の意味では「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」と呼ぶのだという。
水にある仙人で水仙…。
庭に咲く水仙を見ると、中には水辺近くのものもあるけど、必ずしも「水にある」ふうには見えないのだが、さて。
水仙には、ラッパスイセンやニホンズイセンなどいろんな種があるらしい。スイセン属は、学名では「Narcissus(ナルキッサス、ナルシサス)」で、「ギリシャ神話の美少年の名前にちなむ」ことは、知る人も少なからずいるだろう:
神話によると、ナルキッソスは、その美しさにさまざまな相手から言い寄られたものの、高慢にはねつけ恨みを買った。ついには、そんな彼への呪いを聞き入れた復讐の女神ネメシスにより、水鏡に映った自分自身に恋してしまった。水面の中の像は、ナルキッソスの想いに決して応えることはなく、彼はそのまま憔悴して死ぬ。そして、その体は水辺でうつむきがちに咲くスイセンに変わった、というものである。だからこそスイセンは水辺であたかも自分の姿を覗き込むかの様に咲くのである。
スイセンは、「原産地は主にスペイン、ポルトガルから地中海沿岸地域、アフリカ北部」らしいが、ニホンズイセンの学名である「Narcissus tazetta var. chinensis」からも窺われるように、「古くに中国を経由して渡来したといわれている」とか。
これは小生としても初めて知ったのだが、スイセンは有毒植物で、「全草が有毒だが、鱗茎に特に毒成分が多い」という。
もっとも、「スイセンの致死量は10g」だというから、相当な量を食べないと死に至らないわけだ。
但し、「葉がニラととてもよく似ており、ニラと間違えて食べ中毒症状を起こすという事件が時々報告・報道される」というから、この事実を応用してサスペンス小説でも仕立てるという安易な発想もありえるだろう…か。
ととと、ここまで書いて、今、気付いた衝撃の事実。
冒頭付近にて、(少なくとも)スイセンの花を植えた記憶はない主旨のことを書いているが、とんでもないデタラメだった。
スイセンについて、もう少し興味深い事実はないかとネット検索で物色していたら、「水仙を植えたわけは」なんて拙稿が、まるで自分自身へのあてつけのように浮上してきたではないか!
それも、昨年の日記なのだ!
少なくとも畑の隅っこ、農業用水路際にきちんと居並ぶスイセンの3株の群れは、小生が買ってきて植えたものなのだった。
しかも、小生は既に「水仙…ナルシスの花の香」にて、ある程度のことを書いている。
この自分の記憶力の悪さに愕然としている小生に追い討ちを掛けるような事実も、同じく検索で見つけ出したもの。
もう、続きを書く気になれなくなった…。
…ああ、こんな結末で本稿を終えることになろうとは!
何となく関連しそうな拙稿:
「ハムレットとスミレとオフィーリアと」
(10/04/04 作)
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