ピンチョンの『ヴァインランド』に空回り
トマス・ピンチョンの『ヴァインランド』を読了。
けったいな世界やった。我輩の胃袋には消化しきれない世界、そして表現。
← 先週末の暖かさで庭の梅の木の蕾が一斉に開花。植えて50年以上だが、老木とは言えないはず。土壌が貧弱で、もっと咲くはずの花々がちょっと疎らかも。土壌改良してあげなくては、と思いつつ、帰郷して早2年。ちなみに、背後の家は向かいの家。我が家は築半世紀以上の木造平屋なのです。昨日のように強風が吹き荒れると、隙間風は勿論、戸や窓がガタピシして煩いこと。
学生時代、力尽くでの読破を目指すも、途中で断念してしまった『重力の虹』とは違って、本作ではピンチョンは叙述の上では、我々の目線に踏みとどまっていてくれる。
ピンチョンが表現手法の上で我々凡俗にも配慮したのか、それは分からない。
何か、行き詰まりもあったのか、それも、小生の憶測の域を出ない。
→ ライトアップされている富山城の雄姿。母のお見舞いの帰り、敢えて回り道し、信号待ちしつつ眺めた。 (富山城については、「富山城 - Wikipedia」や「富山城(別名・浮城、安住城)」参照。)
上下二段組みで五百頁の大作。
だが、ピンチョンからすると、中篇なのだろう。
← トマス・ピンチョン著の『ヴァインランド』(佐藤 良明【訳】 池澤夏樹=個人編集世界文学全集2 新潮社)
奇妙奇天烈で滑稽で諧謔に満ち、瀬戸際を突っ走り、やがて話は円環をなす。
…我輩は夢の世界で回し車を走らされていたようだ。
[昨日、公表した「瓜南直子twitter展覧会」は、題名を「うおつりぼし」と変更の上、創作の館である「壺中方丈庵」に載せました。]
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