オオカミは獰猛な害獣です…か
オオカミというと、すぐに相手構わず襲い掛かる獰猛な動物というイメージが濃厚に浮かんでくる。
今となっては、そんな虚像を覆すことなど、至難の業と思えるほど、そのイメージが我々の脳裏に深く刻み込まれている(と小生は思う)。
← 「ニホンオオカミ終焉の地碑石像」 (画像は、「ニホンオオカミ - Wikipedia」より)
昨日の日記「里山の復活はいいけれど」にて、小生は軽率にも、「アメリカでは、オオカミをイエローストーン地区に再導入すべきか真剣に論議」され、実際に導入されたが、日本ではそんな<暴挙>は論外で、「シカやイノシシを一定の数にまで減らすには、オオカミを導入すべし、なんて発想は日本では決して浮かばないのだろう」などと書いてしまった。
しかし!
「日本オオカミ協会と日光保全グループが合同でシンポジウムを主催し、シカの数の増え過ぎとオオカミを日光に再導入した場合の想定効果に関する記事を、一年もしないうちに『フォレストコール』という小冊子に載せた」という事実がある。
つまり、少なくとも日本において再導入の構想と一定の論議だけはあったのだと分かった。
尤も、実現には至っていないし、小生の知る限り(狭い知見で申し訳ないが)、その話題がマスコミを賑わしたとは仄聞していないけれど。
繰り返しになるけれど、里山復活とか、日本の森林の生態系の保全乃至復活を唱えるのなら、その一端として、オオカミの再導入を考えてみていいのではなかろうか。
このオオカミ再考の試みは、いずれ、改めて採り上げてみたい問題だが、とりあえずは、今回で終了である。
ということで、「『絶滅した日本のオオカミ』より(4)」をアップしました。
参照サイト:
「日本 オオカミブログ」
「日本オオカミ協会」
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コメント
オオカミの主食は「ネズミ」です。人間を襲ったという事実も少ないようですね。以下の本に書いてありました。
http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20100306/p9
投稿: 小野不一 | 2010/03/13 08:36
小野不一さん
さすがに本格的な本を読まれていますね。
こういった本こそ、もっと読まれるべきなのでしょう。
環境問題って、エコとか省エネといった話に留まらなくて、根っ子は相当に深い、厄介な課題だと感じます。
現に民主党政権も、原子力発電に依存しないと、帳尻が合わないけれど、原発って、放射能汚染物質という最悪の環境破壊物質を生み出してしまう、究極の反環境施策。
もっと徹底して、省資源に努めないと。
石油だって、燃費を今の倍にするとか、日本が、あるいは世界がサバイバルするには、相当思い切ったことをしないと、悲惨な近未来が待っているような気がします。
投稿: やいっち | 2010/03/13 14:05
はじめまして。
横浜に住んでおります日本オオカミ協会の運営会員の一人です。
協会の活動について取り上げて頂き、ありがとうございました。
イエローストーンの話ですが、アメリカの人達はあの国立公園に
オオカミだけではなく、一旦はやはり絶滅の危機に追いやって
しまったバイソンをも再導入して復活させたそうです。
正に食物連鎖の再生をやってのけたと言っても過言ではないので
しょうか?
しかしながらアメリカ合衆国というのは巨大な国家ですので、
州によっては考え方に微妙な温度差があるようで、アラスカ州
などでは、観光資源としての狩猟の対象としてエルクを護るため
だけに、捕食者であるオオカミをヘリコプターから銃撃するという
虐殺じみた行動を州法に基づいて実行しているという話もあります。
マスコミ関連で取り上げられた話題というのはないこともないの
ですが、ごく最近では『よみがえれ知床-100平方メートル運動
の夢』(辰野和男編著 朝日新書)で終章に、知床財団理事長らの
シナリオとして、オオカミ放獣が紹介されているという連絡が協会の
中でありました。
www.amazon.co.jp/%E3%82%88%E3%81%BF%E3%81%8C%E3%81%88%E3%82%8C-%E7%9F%A5%E5%BA%8A-100%E5%B9%B3%E6%96%B9%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%AB%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AE%E5%A4%A2-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E8%BE%B0%E6%BF%83/dp/4022733268/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1268571120&sr=8-1
また、トキの問題で先日問題視された環境省ではありますが、
「生物の多様性の保全のための民間活動の促進に関する法律案」と
題して里山の復興も含めた法案を検討している模様です。
www.env.go.jp/council/seisaku_kaigi/epc013/mat02.pdf
残念ながらもう締め切りを過ぎてしまいましたが、一般市民
からの意見の募集もしておりました。
www.env.go.jp/press/press.php?serial=12171
尚、現在丁度販売されている日本版のNATIONAL GEOGRAPHICの3月号
では「オオカミとの戦い」と称してイエローストーン他、アメリカの
オオカミ事情の話を取り上げていますので、ご興味あればご一読されて
みてはと思います。
まとまりのない話を書き連ねてしまい申し訳ありませんが、今後とも
宜しくお願いいたします。
m(ミ_‡_ミ)m
投稿: (ミ^ェ^ミ) | 2010/03/14 22:42
すみません。
折角なので書き忘れたことを追記させていただきます。
弁護士で自民党の代議士になられた丸山和也先生は、
このページにも表示されているtwitterにブログを載せて
おられますが、今年の1月8日の記事に次のようなことを
書いて下さっていました。
twitter.com/maruyamakun/status/7547203306
手前味噌の宣伝みたいで申し訳ありません。
投稿: (ミ^ェ^ミ) | 2010/03/14 22:52
(ミ^ェ^ミ)さん
貴重な情報やコメント、メッセージ、ありがとうございます。
このコメント欄をも来訪者に読んでいただければと思います。
「よみがえれ知床」も読んでみたい本です:
http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0111339439
丸山和也先生のツイートもリツイートさせてもらいました。
投稿: やいっち | 2010/03/17 14:01
トラックバックをいただきました。
ありがとうございます。日本 オオカミブログの幻のニホンオオカミです
オオカミはまったく害獣ではないのに間違った固定観念が植え付けられています。しっかりとした知識がないのにオオカミ=オオコワという発想は可笑しいとしかいえませんね
これからもオオカミについての記事を書いていただけるとうれしいです。
また着ます
投稿: 幻のニホンオオカミ | 2010/03/18 16:14
幻のニホンオオカミさん
わざわざ挨拶、ありがとうございます。
「様々なオオカミについて語り合う場」という貴ブログを見つけて、嬉しかったです。
http://blogs.yahoo.co.jp/cinnamonrollt
日本オオカミに限らず、オオカミへの偏見が少しでも拭われるよう、願われてなりません。
日本の、あるいは世界各地の生態系が自然であればいいのですが、人間の手を加える形であれ、よりいいほうへいけばいいと思います。
投稿: やいっち | 2010/03/19 17:06
すみません、また手前味噌の追記です。
子供用の雑誌なんですが、「子供の科学 4月号」(誠文堂新光社刊・3/10発行)の
特集で10ページほど割いて「オオカミと生態系」という記事を載せています。
雑誌は子供用ですが記事内容は大人が読んでも読み応えがあるものと思います。
著者は日本オオカミ協会の理事のひとりでもある桑原康生さんです。
投稿: (ミ^ェ^ミ) | 2010/03/22 16:37
(ミ^ェ^ミ) さん
情報、ありがとう!
「子供の科学 4月号」(誠文堂新光社刊・3/10発行)には、「オオカミと生態系 生き物が絶滅するとなぜヤバい!?」という特集が組まれているのですね。
ネットで立ち読みしてみましたが、かなり本格的な内容でした!
http://www.zasshi-online.com/%E5%AD%90%E4%BE%9B%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6+2010%E5%B9%B4+4%E6%9C%88%E5%8F%B7/c=pd/q=kodomo_no_kagaku3100310_n_n
↑ ここで立ち読みができます。
少しずつ一般の理解が深まればいいと思います。
小生も及ばずながら、折々、ブログで扱っていきたいと思ってます。
なお、こちらのほうの記事も覗いてみてくださいね:
http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2010/03/post-b758.html
http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2010/03/post-2af1.html
http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2010/03/post-8fcd.html
http://atky.cocolog-nifty.com/manyo/2010/03/post-e051.html
投稿: やいっち | 2010/03/23 21:32