« 地の底が割れる | トップページ | 『ジョージ・エリオット 評論と書評』からストウ夫人へ? »

2010/03/28

ジョン・ダワー著『昭和』の周辺

 ジョン・W・ダワー著の『昭和 戦争と平和の日本(JAPAN IN WAR AND PEACE)』(明田川融監訳 みすず書房)を読了した。
 感想を書く時間を取れないので、かなり舌足らずとなるが、ツイッター(Twitter)での呟きから、関連する発言を幾つか、転記しておく。

2010_0327071003tonai0016

→ バイト先からの帰宅の途上、こんな開け初めの空を横目に…。

 終戦直後、何十万人もの日本人捕虜がソ連によって抑留され、虐待・教化されたことは周知の事実だろう。が、中国や東南アジアにおいて日本兵が抑留され、頻繁に反共軍事行動に配置されたことは、あまり知られていないのではないか。
 ジョン・ダワー著の『昭和』(みすず書房)を読了。読み応えあり。密約問題や沖縄の問題を考えるには、視野を大きく持たないと捉え損ねるかも。

2010_0327071003tonai0020

← 今日、日中、雨も上がって庭に出てみたら、樹木に雪が薄っすら積もっている…ような。

 外務省で密約問題が話題になったけど、沖縄をアメリカ軍の基地化するに当たっても、終戦直後の公然・非公然の約束があったのでは。沖縄変換後もアメリカが当然のごとくに居座るのは、相当に踏み込んだ日米の約束があったはずで、そうした資料を徹底して公表するなり検討することを考えるべきでは。
 ダワーの新著で知った<国威発揚映画>の真価。読めば読むほど面白い。論文集で、やや古い論考もあるけど、外務省の密約もだけど、昭和の闇も深い。
 本書では、日本人には発言(議論)が憚られる天皇制のこと、昭和天皇のことについても、傾聴すべき議論が示されている。    念のため、出版社による本書の内容紹介の一部を転記して示しておく:
「一億一心」「一億火玉」、最後は「一億玉砕」――第二次大戦中の日本は、この種の政治的スローガンに覆いつくされていた。しかし社会の内実は、無秩序、緊張、混乱にみちていたのだ。『昭和』の一つのテーマは、具体的にどこでどんな混乱が起きていたのかを明らかにすること。 そして昭和全般を見渡すと、日本の進路を規定したのはつねにアメリカとの関係だったといっても過言ではない。とくに戦後は「アメリカに黙々と付き従い、利益にはなったが、神経も擦りへらした。この両義的な遺産に目を向けなければ、現在の日米間に存在する緊張は理解できない」。しかも、太平洋を挟んで渦巻いた「恐怖と偏見」は、一方通行ではなく双方向だった。日米の風刺漫画を並べた章で、それがみごとに論証されている。
2010_0327071003tonai0022

→ 近づいてみたら、こんな「鈴蘭 (すずらん)」のような小花が咲いていたのだった。樹木の名称、忘れてしまった。

関連拙稿:
持衰(じさい)のこと
『敗北を抱きしめて』雑感(1)
(以下、「『敗北を抱きしめて』雑感(9)」及び「『敗北を抱きしめて』雑感(余談)」まで続く。後日、アップする。)

                             (10/03/27 作)

|

« 地の底が割れる | トップページ | 『ジョージ・エリオット 評論と書評』からストウ夫人へ? »

写真日記」カテゴリの記事

富山散歩」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

近代・現代史」カテゴリの記事

コメント

いつもおもしろそうな本をご紹介いただいて感謝しています。というもののなかなか手にとるところまでいたっていませんが、いつか出会えるのではないかと記憶の片隅には留めています。ジョン・ダワーの『昭和』、も今興味のある時代を扱っているので、読んでみたいですね。“日本兵が抑留され、頻繁に反共軍事行動に配置されたことは、あまり知られていないのではないか。”、“密約問題や沖縄の問題を考えるには、視野を大きく持たないと捉え損ねるかも。”は、同感です。

ところで、写真の花は昨年3/26のやいっちさんの日記を参照ください。

投稿: かぐら川 | 2010/03/28 17:58

かぐら川さん

早速、昨年3月26日の日記を覗いてみました:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2009/03/post-f595.html

悪い予感というか、案の定でしたね。

アセビ(馬酔木):
http://www.hana300.com/asebi0.html

毎年、同じことを繰り返している。

やっぱり、樹木や花などに名札をつけないとダメかも。

投稿: やいっち | 2010/03/28 21:39

アセビ(馬酔木)の学名〔Pieris japonica〕に関して、「Pieris(ピエリア)」は、ギリシャ神話の詩の女神と書いてあるものがほとんどなのですが、モンシロチョウ(紋白蝶)の学名〔Pieris rapae〕にも出てくるこの「Pieris」とはどんな女神なのでしょうか。ギリシャ神話にはくわしい?私もこの女神は知らなくて、高津先生の『ギリシア・ローマ神話辞典』をひもとき要約するとこうです。
一般の説明は誤解を生みがちなのですが、ピエリア(ピーエリデス)は単独の女神ではなく、7人とも9人とも言われる女神群ムーサ(ミューズ)の古い名――ムーサ信仰の中心地がマケドニアのピエリアにあったことによると言われる――なのです(実はこのあたり神話伝は錯綜していますが)。。。。
また、アセビ、アシビ、アセボ、アセミ、アシミ、ともよばれるこの花樹の和名については、定説はないようですが、↓のページがくわしくフォローしていて参考になります。
http://www.it-hiroshima.ac.jp/12serials/05kusabana_data/2009_03.html

投稿: かぐら川 | 2010/03/29 00:58

かぐら川さん

コメント、情報、ありがとうございます。

リンク先も含め、とても興味深い。

一昨日、藤の花をミニ特集しましたが、このアセビ(馬酔木)についても、メモ書き程度のことしかできないでしょうが、特集してみたくなりました。

投稿: やいっち | 2010/03/31 20:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/52847/47923980

この記事へのトラックバック一覧です: ジョン・ダワー著『昭和』の周辺:

« 地の底が割れる | トップページ | 『ジョージ・エリオット 評論と書評』からストウ夫人へ? »