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2010/02/02

ひょんなことから『ミドルマーチ』へ

 過日よりジョージ・エリオット著の『ミドルマーチ』を読んでいる。
 なかなか時間が取れなくて、借り出してから十日余りで、読めたのは、まだ全体の4分の1ほど。
 内容もだが、量的にもトルストイの『アンナ・カレーニナ』に匹敵するほどの大作である。多分、今月いっぱいを本書に費やすことになるだろう。
 新聞などの書評欄を見たりすると、読みたい本が次々と出てきて、目移りして困る。

Robert_brown_botaniker

→ ロバート・ブラウン(Robert Brown) (画像は、「ロバート・ブラウン - Wikipedia」より)


 それでも、一ヶ月を上掲書に傾注するのだから、まあ、それだけジョージ・エリオットに魅了されている、ということでもある。
 ストーリーがどうこういう段階にはないが、とにかく、人間観察と心理への、洞察力の鋭さ深さは、ある意味酷薄なほどで、さすがにシェークスピアを生んだ国だけのことはある。

 ところで、本書『ミドルマーチ』(講談社世界文学全集(30)(31) 工藤好美・淀川郁子訳)を読み出したのは、実のところ、この上なく他愛もない理由からである。
 二つの小さな偶然が重なったから、である。
 これは読まなきゃいけないという天命というか、そういう頃合にあるという小生の心底からの欲求が偶然を必然たらしめたのかもしれない。

 偶然というのは、先月、読んだ二冊の本の中に、本書への言及があったから、という理由なのである。
 簡単な感想文を書いたが、マーク・ホウ著『ミドルワールド―動き続ける物質と生命の起原』(三井 恵津子【訳】 紀伊國屋書店 (2009/12/12 出版))で一度、その十日余りのちに読んだデイヴィッド・リンドリー【著】〈Lindley,David〉『そして世界に不確定性がもたらされた―ハイゼンベルクの物理学革命』(阪本 芳久【訳】 早川書房 (2007/10/25 出版))の中でも、ダメ押しとばかりにもう一度、ジョージ・エリオット著の『ミドルマーチ』の中に、ブラウン運動で有名な、イギリスの植物学者ロバート・ブラウンの著への言及がある、といった記述に遭遇したのである。

マーク・ホウ著『ミドルワールド』でブラウン運動の驚異を知る
デイヴィッド・リンドリー著『そして世界に不確定性がもたらされた』を楽しむ

 二度までこう書かれてある箇所に出会ってしまうと、ジョージ・エリオットファンを自負(?)していながら、大作でもあり、なかなか手が出ないまま放置してきたジョージ・エリオットの『ミドルマーチ』を、今こそ、読まないといけないのではないか、なんて、思われてきたというわけである。
 小生、結構、人の暗示や唆(そそのか)しに弱い、素直な、気弱な性分なのである。

 まあ、この数ヶ月、小説らしい小説を読んでいなくて、小説や物語に飢え始めてきていたってこともある。

 さて、それはそれとして、ジョージ・エリオットの筆力と人間分析力の見事さに牽引されるがままに読み進めていたら、確かに、ロバート・ブラウンの著への言及があった。
 といっても、ロバート・ブラウンの新しい研究書『顕微鏡で見た花粉』、といった記述があるのみである。
 必ずしも、重要な場面というわけでもない。

Robert_brown

← Robert Brown (1773–1858) (画像は、「Robert Brown (botanist) - Wikipedia, the free encyclopedia」より)

 ちなみに、「ロバート・ブラウン - Wikipedia」では、スコットランド生まれのイギリスの植物学者であるロバート・ブラウン(Robert Brown、1773年12月21日 - 1858年6月10日)についての記述は以下が全て。「ブラウン運動」の高名さからすると、あまりに素っ気無い:

細胞核を発見。

オーストラリア産の多くの植物を分類・命名した。

1827年(1828年という記述もあり)、水面上に浮かべた花粉が破裂して中から出てきた微粒子が不規則に動くことを発見した。ブラウン以前にもこの運動を観察した学者はいるが、ブラウンが最も詳細な記録を残したことから、今なおこの運動はブラウン運動と呼ばれている。ブラウンは、花粉の中にある生命の源が、花粉自体を動かすのだと考えたが、のちに微細な粉末なら、生物に由来しなくてもこの運動が生じることも発見した。ブラウン運動の謎がアインシュタインにより解明されるのは、ブラウンの没後であった。

 但し、「Robert Brown (botanist) - Wikipedia, the free encyclopedia」のほうは、ずっと詳しい。当然といえば、当然なのだろうが。

 肝心の『ミドルマーチ』を読んでの感想は、ずっと先になってになるだろう。
 とにかく、今月いっぱい、本名がメアリー・アン・エバンズのジョージ・エリオットの世界を堪能するだけである。


関連拙稿:
「ジョージ・エリオット」解説
ジョージ・エリオット著『サイラス・マーナー』

                                   (10/02/01 作)

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