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2010/02/10

パワーアルキメデス(らせん水車発電機)が販売へ

 たまには富山発の話題を。
 食事中、テレビを見ていたら、「パワーアルキメデス」という名の「らせん水車発電機」の話題が特集されていた。
 小水力発電用のらせん水車発電機がいよいよ販売開始となるというのだ(研究や開発の話は折々テレビでも見聞きしていた)。

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← マイクロ水力発電機パワーアルキメデス(らせん水車)の設置例 (画像は、「北陸精機 - マイクロ水力発電機パワーアルキメデス」より)

 富山は立山連峰を始め、三方を北アルプスの山々に囲まれ、緑と水に恵まれている(だから、米も美味しい)。
 湧き水も豊富で、名水百選にも三(四)箇所だったか選ばれている(このことは以前、書いたはず)。
 農業用水も、豊かな湧き水や冬の間に降り積もった雪の恩恵とばかりに雪解け水が流れているわけである。
 こういった地の利を生かしたアイデアであり、研究であり、技術であり、事業なのだろう。

 ちなみに、富山県の水利用の92%が農業用水だが、多くは流されて終わりという現実がある。
 やがては農業地に使われるにしても、その途中で発電に使えるのなら(別に減るわけじゃないので)、有効活用だということなのだろう(若干、小生の推測も含まれる)。
 
らせん水車発電機を来月販売 魚津の北陸精機」(北日本新聞ウェブ[webun])によると:

 (富山)県立大(田中正人学長)との産学連携で小水力発電用のらせん水車発電機を開発した北陸精機(魚津市道坂、谷口直樹社長)は2月から、自社製品の発電機「パワーアルキメデス」の販売をスタートさせる。
(中略)
 パワーアルキメデスは、1~5メートルの低落差で発電できるのが特徴。発電容量は1~10キロワットで電気主任を配置する必要がない。(中略)ビニールハウスの照明・空調、低温貯蔵庫など農業用だけでなく、電気自動車の充電、家庭用電源としての用途を見込み、電力会社への売電も想定する。
(中略)
 農業用はビニールハウスを想定し、水耕栽培用のポンプやヒーター、低温貯蔵庫などを設置。一般家庭用は省エネ商品の冷蔵庫、冷暖房機器などを配置するほか、売電システム機器も展示する。
(中略)
 1台250~350万円になる見込みで、大量受注すればコストダウンできる。

 写真(動画)を見せられないのが残念だが、水車の心臓部のらせん状の刃にこそ秘密があるようだ。

パワーアルキメデス」という名称は、想像が付くように、「アルキメデスの水車」あるいは、「アルキメデスの螺旋」が由来となっているように思われる(テレビではそこまで説明してくれなかった)。

アルキメデスの螺旋」については、たとえば、「アルキメデスに学ぶ」なる頁の当該の項を参照願おう。
 ここでは、以下の点だけ理解してもらえればいいだろう:

 アルキメデスは円や曲線、球などにも興味をもった。また、16世紀以降に急速に発達した<積分学>(曲線で囲まれた面積や曲面で囲まれた立体の体積などを求める学問)の基礎を作った業績も大きく、ギリシア数学者の中では第1人者といえる。

<アルキメデスの螺旋>
 われわれの身の回りには、蚊取り線香やデンデン虫の殻、鳴戸巻きカマボコの渦など、様々な螺旋がある。アルキメデスの螺旋というのはいちばん一般的な螺旋である。


 また、「彼(アルキメデス)はエジプト滞在中に、畑の灌漑用に泉から水を汲み上げるための「アルキメデスの水車」を発明した」という。

「発電水車は、用水路の上・下流の高低差を利用した落水の重力で水車を回し、同期発電機を用いて発電を行」うもの。
パワーアルキメデス」というのは(「北陸精機 - マイクロ水力発電機パワーアルキメデス」参照)、「マイクロ水路発電機<パワーアルキメデス>は、水車の羽根がスクリューのような「らせん状」をなして、水を効率よく羽根に当ててトルクに変換するため、低水流・低落差の場所への設置に最適な水力発電機」だというもの。

「螺旋水車」というアイデアのユニークさや歴史などについては、下記を参照願いたい。ここでは、深入りしない:
2-4 アルキメデスポンプに抵触? 螺旋水車の時代
 
221

→ 「マイクロ発電水車」(北陸精機 (画像は、「北陸精機・営業品目のご紹介」より)

 県立大と北陸精機が共同開発したマイクロ水路発電機「パワーアルキメデス」は、「農業用水などの高低差を利用し、流れ落ちる水でらせん状の羽根を回して発電する。落差が一~五メートル、毎秒〇・二~三立方メートルの水量があれば、一~十キロワットを発電できる」し、なんといっても、「二酸化炭素を出さないため、環境に優しく、風力や太陽光発電に比べ設置費用が安く済む利点もある」、つまり「クリーンエネルギー」ということで、かの朝青龍の母国モンゴルでの導入計画も進んでいるようである:
モンゴルで水車発電 県友好親善協・県立大・北陸精機が5月に設置」(北日本新聞ウェブ[webun]

参照サイト:
Toyama Just Now No.440-2:小水力発電で地球環境にやさしいクリーンエネルギーを

                              (10/02/09 作)

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コメント

小水力発電そのものの可能性と今後について充分に考えなければならないのですが、富山の地においてそうした試みを可能にしているのが、富山の地形に即した「らせん水車」のような知恵とその蓄積ですね。そうしたこともていねいにフォローしていくことが必要だと考えています。
リンクされている「らせん水車」のページは――作成者が明記されていませんね――、私の友人の貴重な研究ですが、かつてはプーリーによって回転の動力を伝達してさまざまな作業につかっていましたが、技術的な問題を別にすれば発電システムも原理的にはらせん水車そのものです。
稼働中のらせん水車を実見できる場所があるのかどうか友人に聞いてみます。ぜひ一度、現物を見ていただきたいものだと思います。

投稿: かぐら川 | 2010/02/10 21:16

かぐら川さん

「らせん水車」式の小水力発電は、富山など、農業用水の豊富な地には、可能性が大きいのでしょうか。
水利権など、難しい問題もあるようですが。

>リンクされている「らせん水車」のページは――作成者が明記されていませんね――、私の友人の貴重な研究ですが

びっくり。人脈の広さを改めて思い知らされました。
この話題は小生などが採り上げるのは、心得違いでしょうが、気になったので、富山関連の情報でもあるし、メモしたくてならなかったのです。
関連情報などありましたら、教えてくださると嬉しいです。

テレビでは、らせんの羽根(刃)だけだったので、実際に稼働中(何処に?)のらせん水車は見ておかないとって思ってます。

投稿: やいっち | 2010/02/12 13:16

御無沙汰しております。

「パワーアルキメデス」は初耳ですが、「アルキメデスの水車」の名は聞いたことがあります。

遠い昔のことで朧げなのですが、小学生の頃ホースを棒に螺旋状に巻き付け、テープで固定し回転させ、下の桶から上の桶へ水をくみ上げては、友人を驚かせたような記憶があります。(かなり傾斜が緩くないと駄目)

写真のような羽状の水車とは少し違うのですが、原理としては同じかと。

投稿: Usher | 2010/02/13 02:47

Usherさん

「パワーアルキメデス」は、名前だけ聞くと、事情が分からないと、何かの健康器具の名称に聞こえますね。


あの、ツイッター、ありがとうございます。

「アルキメデスの水車」について、小学校の頃に人を驚かせるような思い出があるなんて、びっくりというか、尊敬の眼差しで見てしまいます(自分が思いっきり、出来が悪かったから)。

古くて新しい技術が現代、そしてこれからの近い将来に役立つってのは、訳もなく楽しい気がしてきます。
なので、身の程知らずにも話題に採り上げてみました。

投稿: やいっち | 2010/02/14 15:17

私の地元にも落差溝がありますが、大きな用水路にしかなく民家から少し離れています。しかし、民家のそばには30センチのU字講があり、各家庭では池に水を引いて魚を飼っています。水路にはたくさんの水が常に流れています。ラセン式ですと横にしても水のエネルギーが十分発電機に伝わるのではないでしょうか。是非家庭で使える水力発電機を開発してほしいものだと思います。

投稿: ヨッチン | 2010/07/26 10:23

ヨッチンさん

コメント、そして貴重な情報、ありがとう。

そう、是非家庭で使える水力発電機を開発してほしいものですね。

特に富山は、湧き水などが豊富。ミニ水力発電に向いている地ですし、一層、推進してもらいたいもの。

投稿: やいっち | 2011/04/25 21:48

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 小水力発電――人々の生活と等身大の“水車”による発電です――の可能性と問題点が、「報道ステーション」(テレ朝日系列)で富山の話題を起点に取りあげられていて、なつかしくも興味深く見ました。  「なつかしくも」という点については、数十年前に県内の稼働中の水車を見て回ったことについてふれなければならないので割愛しますが、本来は誰のものでもない身近な「水」を利用するのに、法律と縦割り行政はなんと多くのしがらみをつくっていることか。  富山の「水車」事情については、折をみて書いていきたい、と思います... [続きを読む]

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